「人の悪」の構成要素を分解してみた
「経営×人材の超プロが教える人を選ぶ技術」を読んで、人を選ぶにも再現性のある科学的アプローチが実践できることに感心したので、読了後に書籍内容も1枚の図にまとめて構造化していました。
その中でもEVILな人で説明されている「人としての悪」の内容が興味深かったのですが、読了後にそれっぽい人に出会ったので構成要素を深掘りしてくなってモデリングをしてみました。
なぜ「EVILな人」なのか?
今回の言葉は対象範囲が広いため、まずは定義から進めたいと思いますが、著者はニュアンスが異なるため「悪い人」という表現でなく「EVILな人」として定義しています。
この定義で考えるとEVILな人は結構多いと思います。そして「人しての善悪」と「能力の高さ」が別軸であることが厄介なポイントです。ということは"無自覚な悪意"を持つ優秀な人がいるので、容易に危険だとわかります。
つまり「優秀なEVIL」と「平凡なEVIL」が存在しています。そして優秀なEVILがどれくらい危険かというと、これくらいの悪影響があるようです。
これに間接的な影響まで含めると被害は甚大で、そんな人間が組織にいると思うとゾッとしますね。
また普段は違っているが突発的にEVILな人になるパターンもあり、組織からEVILな人がいなくなることはありません。著者もそういった人間を回避・排除する方向で話を進めています。
人としての「悪」をモデリングする
書籍でもEVILな人をパターン分けしていますが、自身の経験を踏まえてこのEVILとしての優秀・平凡は区別せずに「人としての悪」の構成要素をモデリングしてみました。
自身の体験を照らし合わせてもEVILとしては平凡でも巻き込まれた時の悪影響は強かったので、優秀でも平凡でもEVIL自体の構成要素を理解するほうがよいと感じたのです。そして自分が受けた悪影響を記事としてアウトプットしてスッキリさせたいというのも理由です。
ということで毎回のモデリングした要素はこちらになります。
の見方はこちらの記事を参考にしてください。
悪い人を生み出している要因は2つ
まずはプロセスを分析するためルールに沿って見ていきます。
1番多く矢印が入ってくるのが「自己顕示」と「他責」です。これらがEVILの構成要素であり、根本原因を見ていくと無実体の成果物が多く登場します。さらに要素内で内的要因(被害者意識、傲慢)と外的要因(競争意識、プレッシャー)とで分かれていき、外的要因側の方から根本原因を深掘って辿ることができます。
ここで注目したいのが点線で描かれた属人化された構成要素と、そうではない構成要素が根本原因に混ざっていることです。つまり、実線で書かれた構成要素はコントロール可能な構成要素となります。
そのため難題を与えることや評価結果によってはEVILを発動させてしまう可能性あるので、難題を与える人や評価方式は慎重に選ばないといけなくて、この見極めが大切です。
悪い人は他人のことを考えない
モデリングの構成要素からEVILの発動可能性を見極めるには「他責」と「自己顕示」の要素が行動に表れているかどうかでわかります。まずモデリングをして理解したことはEVILな人は自分が悪いとは思っていないことです。自分の正義に対して揺るがない自信を持っています。
しかし、EVILな人がそう思う根拠は他人には理解されません。世の中の物事に対しては勧善懲悪のような白黒はっきりすることは少なく、何事もグラデーションがあって双方に非があることがほとんどで、自身として反省すべきことがあることが通常です。
よってEVILな人はこのような行動をしている傾向が強いはずです。
自己顕示
自分が正しい前提
成果を出したの"自分だ"と主張する
自慢話をする
他責
自分に非がない前提
問題が発生すると"自分のせいではない"と主張する
評価される人を認めない
成果は自分が生み出しているが、成果が出ないのは自分以外に原因があるという考えをベースに持って行動する人は、難題を与えるとEVIL要素が増長することになります。
モデリングから分析する「悪い人」の対処法
では「悪い人」をコントロールするにはどうしたらよいでしょうか。モデリング観点から考えれば、コントロール可能な要素にアプローチするのが定石です。そうすると難題と評価の扱い方が重要となります。
今回も解決策についてはPodcastで話しています。組織における「人としての悪」という複雑かつ根深い問題に対して、モデリング観点からの解決アプローチに興味があればぜひ聴いていただけると嬉しいです。(今回のテーマは11/6と11/13に配信予定です)
ここまで読んで頂き、ありがとうございました!
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