見出し画像

車社会をきっかけに将来を考えたみたら

以前東京に住んでいたときに、「色盲があるから、運転免許を持っていないんだ」と話す地方出身の人がいました。
その後、自分が地方都市に移住して、その人は免許を持てないと住み続けられないと思って東京に出てきたのかもしれない、と思い当たりました。


私が住んでいる地方都市は、車での移動手段が中心です。
大人は一人一台持つのが当たり前。
免許を持てない学生などは、自転車を使っていますが、遠距離の移動は大人に頼らざるを得ず、不便そうです。



一回り上の地元の人に、昔はどんな生活かを聞いてみました。
その人が高校生の頃には、隣の市の高校まで路線バスが1時間に数本走っていたそうで、日々の生活はバスで足りていたそうです。
今は路線バスはほぼありません。
私は、その頃は今よりずっと人口が多かったのだろうと想像していました。


市のデータから調べてみました。
そうしたら、その頃の人口は今の半分くらいしかいなかったのです。
人口は少なかったけれど、学生など若い世代が多くて、大人でも車を持っている人が少なかったから、路線バスの利用者が確保できていたのでしょう。



高齢化で車を手放す人が増えてくるだろうと見越して、市はコミュニティバスの運用を5年ほど前から始めています。
でも、乗客が増えている様子は見られません。
一度手放したサービスを普及させることは、なかなか難しいようです。


日本全体の高齢化が進み、地方都市はどうなっていくのでしょう。
私の地域のことを考えてみました。
移住者が多い地域なので、元気なうちは田舎で暮らしを楽しみ、また都会へ帰っていく人が一定数います。
市の中心街に住み替えて、徒歩生活圏内に必要サービスがある環境を確保する方法もあります。
国のコンパクトシティ計画もあり、中心地にサービスを拡充していく政策は進んでいくことでしょう。


人口推移のグラフを見ると、これから先、今まで経験したことのない急激な推移で人口減少と高齢化が進んでいきます。
それに伴い、最近、将来に対する悲観論ばかりをマスコミが広げようとしているように感じます。
でも、負の情報に影響されすぎる必要はないと思います。
まだ経験したことは誰にとっても不安が全くないとはいえないでしょう。
でも、だからこそ、どうしていくかを選んでいく選択肢をもてる。
私は前向きに備える方に意識を向けていきたい、と思いました。



先日こちらの本を読みました。
落合さんはこう話しています。

21世紀は、身体的な老いを迎えても、その人なりの「豊かさ」を実現するための選択肢が、たくさん広がっている時代になっていくでしょう。
だからこそ、自分にとっての「豊かさ」とは何か、その問いにしっかり向き合うことが大切で、それこそが豊かな「老い」をもたらし、「新しい成長」を実現していくのだと思います。

社会が急激に変化するからこそ、今まで変われなかったことを変えていけるチャンス、社会の中心を担う世代が変わっていくからこそ、時代を前に進められるのではないかな、と思っています。


ライドシェアも、自動運転も、もっと積極的に進めていかないと立ち行かなくなる地域は、近いうちに続出していくでしょう。
どこの地域も同じようにではなく、縮小したり、限定利用を選択する地域も出てくるでしょう。
大きな変化がいい流れを生むように。
そして私は、地域に固執せずに、ちょっと前を見ながら、時代の流れを見極めていきたいな、と思っています。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?