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爪長の翁

在廊が苦手です。

単純に私の落ち着きがない。
そして学生の時にギャラリーおじさんの被害に遭ってるので、余計に苦手意識がある。
欲を言えばカメラなんかで会場を監視して人がいる時だけノコノコ出てくるスタイルにしたい。


在廊中に人が来てくれるのは嬉しいのですが、LUSHの店員の如く鑑賞者に話しかける事は憚られるので、作品については一言二言話しかけるだけであとは鑑賞してくれてる人の靴とか見て過ごしてる。

みんなの靴見て過ごすのは意外と楽しい。カバンについてるキーホルダーとか眺めてるのも面白い。結構みんな個性的。

その中で、印象的だったやたら爪の長いおじいさんの話をします。
以下、爪長の翁

爪長の翁はわたしの作品を時間をかけてゆっくり観てたので、何か私のお知らせをみて来てくれた人なのかな?と思って声をかけてみると去年も来てくれたと言う。

しかも私のインスタも見てくれているらしい。爪長の翁a.k.a.ハイテクの翁である。

わたしのフォロワーの最年長の可能性すらあるこの爪長の翁だが、アート鑑賞が趣味らしく、東京のギャラリーにも詳しくいろんな展示に行ってるらしかった。

私の作品に対しても細かくコメントをして、応援していますと言ってくれて、やたら長い爪以外は攻撃性のない良い人だった。
今回の展示作品の自分の出来事を織り交ぜた作品の話をすると
「いい作家は自分に起きた出来事を素通りせず、きちんと考えたり作品にする人だ。と、これは私の言葉ではなく俵万智がそのように言ってましたよ。」
と言っていて引用元もコメントも良すぎてびっくりした。

今回の展示は大雪の日も被ってしまって、在廊も虚無の時間があったけど
個性豊かなお客さんもたくさん来て面白かった。

爪長の翁、長生きしてまた展示に来てくれよな。

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