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神の島・フグの島・淡路島

夫の実家のある徳島県に帰省する際、時々神戸から淡路島経由で徳島県へ入ることがあり、ついでに神戸観光を楽しんでいた。
しかし、淡路島はいつも高速バスで通り抜けるだけの場所で、
「淡路島、長い~!!」
「まだ淡路島~?飽きたよー」
と夫に愚痴りながら単調な景色を1時間ほど眺めるのが常。
高速バスの車窓から単調な景色しか見たことがなかったのである。

ところが、帰省を自粛したコロナ禍になった途端、Instagramや雑誌やSNSで、淡路島のお花畑の写真やらおしゃれスポットの写真がバンバン流れてくるではないか。

「あわじ花さじき」フォトACより

「淡路島、映えるじゃん!!!」
「次に徳島帰るときは、淡路島のお花畑観光する!」
淡路島にグイグイ心が引き寄せられ、今回2月の徳島帰省ついでに淡路島観光を組み込むことにした。

ところが、2月花のシーズン・オフ。
菜の花が咲く頃にはまだ早すぎることが、決めた後調べてみて判明。

ブラタモリルートを散策

花の咲いていない真冬の淡路島観光をどうするか!?
色々調べていると、冬の名物に「三年とらふぐ」というがあることが分かった。

よし!トラフグを食べに行こう!!!

そう決めたが、フグを食べるためだけに淡路島へ行くのは実にもったいない。
そこで夫が大好きなテレビ番組「ブラタモリ」で特集していた「伊弉諾神宮」と阪神淡路大震災でできた「野島断層」を見られる「北淡震災記念公園」を見る事にした。

本当は映えフォトスポットにも行きたかったけれど、車借りないと無理なので、断念。。(ペーパードライバー夫婦の哀しさよ)

有名映えスポット「幸せのパンケーキ」(バス車窓より)

まずは国生み神話の神様が祭られている神社「伊弉諾神宮」参拝

伊弉諾神宮へは、神戸三宮から出ている神姫バスの高速バスで直行。
8時に出発し9時10分に到着。
朝の空気が清々しく青空に白い鳥居が映える。

伊弉諾神宮は、国生み神話のイザナギ・イザナミが余生を過ごした家の後に鎮座する日本最古の神社。夫婦楠など夫婦円満祈願にご利益のある神社である。

夫婦楠は何と樹齢900年!太い幹が途中で二股に分かれ高くそびえ立つ様子に圧倒されまくる。

樹齢900年.高さ8メートルの巨木
折角なので夫婦円満を岩楠神社で祈願

伊弉諾神宮で見たかったのが太陽の通り道の石碑。
ブラタモリで取り上げていて、「これは見たい!!」と思った念願叶い、実物とご対面。

伊弉諾神宮を中心にして春分、夏至、秋分、冬至の日の出&日の入り方向に線を引くと、高千穂神社や出雲大社、諏訪大社、那智大社など有名処の神社がその方向に鎮座しているのだとか。

いにしえの人々がそれを計算して神社の位置を決めているとするならば、物凄く高度な文化だと思い、感慨深かった。

島内(北淡路観光)はあわ神あわ姫バスが便利!

伊弉諾神宮までは高速バスでたどり着けたが、その先の足は路線バス利用するしかない。
北淡路観光には、時計回りと反時計回りで走っているあわ神あわ姫バスが便利らしい。

ビビッドカラーの車体にキャラクターが描かれ目立つバス

1日乗車券は1000円。バス車内でも購入可能。
運転手さんが日付をマジックで手書きするのにはちょっとビックリした。何気に達筆だし。

淡路島の冬の名物「三年トラフグ」を味わい尽くす

春から秋には生しらすが食べられる淡路島。
けれど冬の時期は禁漁で食べられないのが残念な限り。
その代わり「3年とらふぐ」という冬の絶対王者が君臨するとあらば、見逃すわけにはいかないではないか。

三年トラフグとは

水温が低く潮の流れが日本一速い鳴門海峡そばで養殖されているため、身が締まり味が濃いのが特長。
トラフグは1年で出荷されるが、淡路島では3年かけて養殖しているため、一般のフグの2倍サイズなのだとか。

淡路島のフリーペーパー「ぶらっと淡路島」の写真付き説明を見れば、一般のフグとの差が歴然!

フリーペーパー「ぶらっと淡路島」より
水槽を泳ぐリアル3年とらふぐ

予約必須の人気店「新島水産東浦店」でふぐを食す

す今回お邪魔したのは水産会社直営の「新島水産東浦店」。
伊弉諾神宮からバスに乗って1時間ほどの「仮屋」バス停で降り、そこから徒歩7分で到着。

「終日満席」の貼り紙見て、予約しておいて良かった!と痛感。

席に案内されると、既にテーブルにふぐ鍋セットが置かれていた。

トラフグは、今まで見たどのフグよりも大きい。

頼んだ3年トラフグコースはこのラインナップ

●てっさ(フグ刺身)
●てっぴ(フグ皮)
●フグのカルパッチョ風
●フグの唐揚げ
●ふぐちり
●雑炊

てっさ
今まで食べてきたどのフグよりも弾力あって旨味も濃い。さすが速い潮流の鳴門海峡で3年かけて育っただけある。

てっぴ
コリコリとプリプリが時間差で攻撃してくる!

フグのカルパッチョ
オリーブ油と塩で味付けただけなのに、旨味が濃い!身が厚い分だけ旨味が倍加してるのかもしれない。

ふぐの唐揚げ
さくさくの衣、ふわっと、時々プリっとする身の食感、フグの旨味がうまいこと絡み合い、食べ応えある満足な1品。

ふぐちり
とにかく、フグの身のサイズが巨大‼️
しかも味が濃くて噛むとフグの旨味が口の中で広がり、滋味。
お鍋の後の雑炊は、フグの出汁がしっかり出ていて、すこぶる旨い。

一通り食べると、満腹で腹がふくらんでフグのようになったので、バス待ちの間漁港を散歩して腹ごなし。

地震の怖さを改めて知る北淡震災記念公園

ブラタモリでは、さらに阪神淡路大震災で出来た断層を保存している記念公園があることを特集しておりとても気になっていたので訪ねてみた。
北淡震災記念公園下バス停から歩いて7分ほど、坂道を登った所にある。

バスを降りる時、運転手さんが親切に行き方を教えてくれて助かった!

地震の破壊力を実感する映像や展示の数々

入口入ってすぐに阪神淡路大震災の被害の様子の動画が流れているのだけど、ビルの中段フロアが潰れていたり、高速道路のはしげたが折れていたり地震の被害の規模が物凄くて、決して地震が他人事ではないと感じさせられた。

入口に展示されていた震災で折れた高速道路の再現展示

中に入ると、震災の被害の様子を写した報道写真や、阪神淡路大震災で被害を受けた地域の分布図、南海トラフの立体地形を赤と青のレンズ越しに見る展示などがあり、地震についての理解が深まる。

震災の被害の大きさが伝わる報道写真
阪神淡路大震災で被害が大きかった地域
南海トラフの立体地形

地震の破壊力の強さを生々しく伝える野島断層

この記念館では、震災で生じた断層を保存し展示しているのだが、実物を見るとその生々しさ、規模の凄さに鳥肌が立つ。

日本は断層が分布しているので決して他人事ではないのだ。
実物を見ると規模を体感し、備えをきちんとしようと自分事として捉える良いきっかけとなった。

野島断層は、上に持ち上がった後に横にズレるという動きをしたとの解説があり、実物を見て、なるほどと納得。

上に持ち上がった断層
ふたつに分かれる断層
断層の横ズレにより側溝が横にズレている

震災直後の民家の台所を再現した展示

さらに地震直後の民間の被害を再現したコーナーがあり、これを見たら我が家の耐震対策もしっかりせねば!と危機感を覚えた。
食器棚、壁に固定しないと危険!!!

震度別にどのような現象が起こるのかや、耐震対策はどのようにしたら良いかの説明展示もあり、勉強になる。

「自分たちは大丈夫」と楽観視しないこと、実際に地震が起きた時にはどうなるかを知ること、被害を少しでも減らすにはどう備えたらよいか。
そうした事を教えてくれる貴重な展示だと思った。
正しく知って、正しく恐れる。
これが地震への備えには一番大事なことのだなぁ。

お庭には、震災展示とは真逆の平和的な光景、ハート越しに青い瀬戸内海の絶景が拝めるハートのモニュメントが!
きっと若い人ならここで記念写真撮るのだろうな。

たった600円で明石海峡を下から眺められるジェノバラインに乗船

帰りは風強くなければ明石海峡大橋の下をくぐって帰りたいと思い、ジェノバラインという高速船で帰るルートも調べておいた。

ジェノバラインは淡路島の岩戸ポートターミナルと明石港を13分で結ぶ高速船。
明石海峡は潮の流れが速く、風が強い日は船が揺れるという口コミだったので風が弱いことを期待していたら、この日は「微風」ということだったので乗って帰ることにした。

恵比寿様や鯛が描かれたカラフルな船体

船内の席からも明石海峡大橋はみえるかもしれないのだけど、より近くで観たくて2回のデッキ席に移動。

出発して5分ほどで明石海峡大橋の下を通過するのだが

でかい!!迫力ある!!!
いつもは高速バスで橋の上を通過するのみだった明石海峡大橋。
下から見ると、その迫力に圧倒され、興奮が止まらない。

真冬の海上を走行する船の上はめちゃくちゃ寒い。冷たくて強い風に手がかじかみ、スマホを落としそうになるのをこらえながら圧倒的に美しい風景を夢中で撮りまくった。

日没まではあと1時間ほどあったのだけれど、それでも十分瀬戸内海の夕陽は美しい!

ただただ美しい瀬戸内海の夕陽

あっという間に対岸の明石港に到着。
短い時間ではあるものの、ぞんぶんに船旅気分を満喫できて最高のひとときだった!これで600円は安い♪

明石港
明石港のジェノバライン乗船口

明石港から明石駅(JR&山陽本線)は徒歩10分弱。
アーケード街を通り抜けてむかったのだけど、沢山の豊漁旗で天井が埋め尽され、見ていて楽しい!

明石焼きのお店や楽しそうな飲み屋がずらりと並んでいて、ふらりと入りたかったのだけど夫がズンズン先に行ってしまったので断念。。
自分ひとりだったら確実に吸い込まれていた店が多数だったので、次回ぜひ明石のアーケード街を徘徊したいと強く誓い、名残惜しみつつ神戸へと戻ったのでした。

淡路島は、想像以上に奥深い!


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