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人生で起きた出来事から意味・意義を見出す(乳がんと診断されて気づいたこと)

2022年は、私の人生で経験したことのない、大きな影響を及ぼす出来事が続いた1年だった。これらの体験は、きっと私の人生観や価値観をも変える大きな意義をもたらすと思われるため、自分自身のために書いておきたい。

2022年1月31日、最愛の母が急逝した。詳しくは以下のnoteに。
私のWILL & Purposeの原体験(母との思い出から)|岡田美紀子|note

そして、2022年11月8日、私は乳がんと診断された。
幸い、早期発見でステージⅠだったが、告知された時には本当に心底びっくりした。不安も忘れるほど驚きすぎて、まるで他人事のように先生の話を聞いていたので、先生が「普通は泣き出す人もいるのですが、、、岡田さんは珍しいですね」とまで言われてしまうほど。
診断後、色々なことがトントン拍子に進み、2022年12月16日、手術(右胸乳がん部分摘出とセンチネルリンパ節生研)を受けた。抗がん剤投与はないため、今のところ日常生活は何ら不便はない。この後、まだ、放射線治療が続くのだが、忘れないためにも、乳がんと診断されてから入院・手術までの過程と私の気づきを書いておく。

乳がんは誰にでもなる可能性がある。健康的な生活をしていても可能性はある。

私がnoteを書こうと決意した一番大きな理由は、私の体験を伝えることで、私の家族・同僚・友人たちが、乳がんを身近に感じて、一人でも多く検診を受けてもらいたい、という強い願いがある。今や乳がんは10人に1人がなると言われている時代(諸説あるが年々確率が上がっていることは事実)。本当に誰にでも可能性があるのだと、声を大にして伝えたい。
私の場合は、2021年から2022年にかけて食生活を改善して健康的にダイエットしたこともあり、11月に受けた健康診断ではオールA判定だった。それでも、がんになるのである。

乳がんは自分で発見することは難しい。だからこそ検診での早期発見しかない。

私の場合、2年ごとに区の検診、その間の年は人間ドックで検査していた。今回、5月に近くの乳腺クリニックで受けた区の検診で「少し気になる影があるので半年後に再検査しましょう」と言われ、10月にエコー再検査したところ「画像から腫瘍が少し大きくなっている可能性がある。生研しましょう」と提案された。私は自分で触れても自覚症状もなく全く分からなかった。先生も「これは触診では分からず画像診断だけが頼りです」と言っていた。それぐらい、初期の乳がんは全く分からない。この画像を撮ってくれた放射線技師さんの技術と、生研判断をしてくれた乳腺クリニックの先生には感謝あるのみ。

良い先生の出会いが大切。

私は偶然にも、区の検診を受けていた最寄りの乳腺クリニックでの先生との出会いが良かった。良い悪いは個人の好みがあるが、私が受診したクリニックの先生は、昭和大学病院ブレストセンター勤務経験のある乳腺専門の女医さんで、的確な判断と行動が早い。11月8日に乳がんと診断された時も、その日のうちに、昭和大学病院ブレストセンター繋がりで、手術ができる大きな病院の先生のアポイントを取ってくれた。翌週、11月14日には、大きな病院の初診を受けることができた。紹介してくれた大きな病院の先生も、経験豊富な乳腺外科の医学博士で、これまた的確な判断と行動が早く(手術も早いらしい)、持参した初回の生研結果から部分摘出手術になることを想定し、初診の日に、MRI検査の日と手術の日を決めてくれた。おかげで乳がん診断から1か月半後には、手術を受けることができた。このスピードはかなり早いらしく、出会った先生の決断と行動力に心から感謝したい。

乳がんと診断されると不安になるが、自分の診断結果や主治医の先生の情報以外、他の情報は見ないほうがいい。人によってタイプは違う。

私は、自分が乳がんと診断されてから初めて、乳がんの種類や治療方法などを調べ始めたのだが、大きな病院の根拠がしっかりとした情報以外は見ないように意識した。なぜなら人によってタイプが違うから、人の事例を見ても同じかどうか分からない。人の意見を聞いて不安が増えるぐらいなら、主治医からの情報をしっかりと聞いて理解するほうがいい、と考えた。これは実際にガンサバイバーの友人からも初期に受けたアドバイスでもある。
ただし、もちろん、主治医の先生以外にセカンドオピニオンを求める場合はこの限りではない。

自分の状況を受け止めて、自分の感情に正直になる。不安が増大するならカウンセリングも効果的。

私は自分が思ったよりも、ショックで落ち込むということはなく、冷静に自分が乳がんに罹患したことを受け止められた。それはもしかしたら、母の急逝の体験によって「人間、突然死ぬことだってある。がんの罹患はそれよりもはるかに確率の高い自然なことなのだ」と思えたからかもしれない。それでも、手術のことを考えると不安になったこともあった。そんな時は知り合いのカウンセラーに話を聞いてもらった。大切なのは、自分の感情に正直になること。


周りに助けを求める。自分が思うよりもたくさんの人が支えてくれることに気づくと感謝の気持ちが湧いてくる。

私は、乳がんと診断されてすぐに、頼りにできそうな友人、会社の同僚やチームメンバーに告知した。それは彼らに「これから通院・入院・手術をして、自分がどのように変化するか分からない。だから何かあったら助けてほしい」と最初から言うことで、自分自身で抱え込まず、心理的な負担を軽くするためだった。これは想像以上に自分のWellbeingを維持するのに効果的だった。周りの人がいつも以上に、気にかけ、声をかけてくれてくれる。たくさんの人に愛され支えられているということに気づくと、自分の中で感謝の念が湧いてくる。感謝はポジティブ心理学でもWellbeing 維持向上にとても効果的だと検証されているが、感謝の気持ちはどんな薬よりも心を穏やかにする効果がある。いつか私もこの恩返しをしていきたい。


気持ちの余裕ができたら、今回の体験がどんな意味を持つのか考えてみる。

私の場合、このnoteの冒頭にも書いたが、2022年は、年初の母の急逝と、年末の乳がん告知と手術。いずれも共通テーマは「健康と医療」。
きっと、乳がん発見は、いつも私の健康を一番気にかけてくれていた天国の母が「お母さんはもう貴女のそばにいられないから、これからは自分で自分の体のことを労わりなさい。貴女もそういう年齢よ」と、私にメッセージを送ってくれたに違いない(と、思う)
また、今回の通院・入院・手術の体験を通して、医療を身近に感じ、日本の医療の素晴らしさに気づき、医療業界で働く人達への新たな感謝が生まれた。
私は、今までもWellbeingをキャリアやライフワークのテーマにしてきたが、理論上で理解していたことが多かった。今回の体験で「どんな環境でも自分がWellbeingであり続けること」を身をもって学んでいる最中なのだと、改めて思う。これからは自分で自分のことをケアしながら、私自身の体験を人に伝えたり、周りの人の健康やWellbeing維持向上に繋がることを実践して、少しでも医療業界に還元していきたい。

そして、私のセンチネルリンパ節生研の病理検査結果は、1か月後。
その後、放射線治療へと続く。。。

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