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自分の考えるSalesOpsと、SalesOps Lab.の目指すところ

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この記事はBizOpsアドカレ 6日目の記事です。
前回はxOperation Group,Inc.の吉田沙織さんによる、
1,500名の中から見極めたBizOps人材の特性と見極め方」でした。
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皆さんこんにちは!
SalesOps Lab.の遠藤未来彦(みきひこ)です!

前回、自分が独立した経緯や心境を語らせていただいて、ありがたいことに、たくさんの方からLINEやSNSで応援の言葉をいただきました。

そして、ありがたいことにBizOpsのアドベントカレンダーの執筆者としてお声がけいただきました!

ということで、SalesOps Lab.立ち上げの所信表明ということで、自分がSalesOpsをどう捉えているか、SalesOpsを取り巻く課題感、SaelsOps Lab.という屋号を付けた背景、どんな姿を目指しているのかについて、私見を語っていこうと思います。

1.なぜ人類は100mを9秒台で走れたのか?

いきなり何を言い出すんだ!?と言われそうですが、一流のアスリートが最高のパフォーマンスを出すのと、組織の売上・成果を最大化させることの構成要素は同じだと思っています。

①卓越した身体能力

まず最初にアスリート本人の身体能力

鍛え上げられた肉体、研ぎ澄まされた感覚、磨き上げられた技術...アスリートはこれらを駆使して、日々高みで競い合っています

これをビジネスに置き換えると、「ビジネススキル」に該当します。

②スパイクやウェアなどの道具

次に、競技で使用する道具が思い浮かぶでしょう
軽くて反発力の高いスパイク、伸縮性があって風の抵抗まで考慮されているウェアなど、一流アスリートは使う道具にもこだわります

自分も現役時代、スパイクにはかなりこだわってました

現役時代のスパイク、オーダーメイドで刺繍まで入れてました

スポーツ業界では各メーカーが最高のパフォーマンスを出すために日夜研究を重ね、日進月歩の進化を遂げてきました

これはビジネスに置き換えると、SaaSプロダクトやAIツールなどの「テクノロジー」が当てはまるでしょう。

③競技で走るトラック

そして、最後に忘れてはいけないのがアスリートが走るトラック...いわゆる「地面」です

地面がちゃんとしているからこそ、早く走ることができる

0.01秒を競い合う世界で、この地面の要素はかなり重要です
「高速トラック」という言葉があるように、陸上競技場によってトラックの硬さ(反発力)が変わります

そもそも論で言うと、今のトラックが平らで反発力の強いタータンで作られていますが、昔は学校のグラウンドのような土のトラックでしたし、当時9秒台で走れる選手はいませんでした。

もっと極端な例で言うと、サラサラとした砂浜で100mを走ったら、人類は9秒台の世界に到達するのでしょうか?

おそらく難しいと思います

そんな感じで、当たり前の話ですが、大前提としてこの地面がちゃんとしていることが人類が100mを9秒台で走ることができる大きな要因だと思っています

2.SalesOpsって結局なんだ?

ここまで言えば、だいたい察しがつくと思いますが、この「地面」こそビジネスにおけるSalesOpsの役割だと自分は捉えています

この地面というのは営業力の基礎となる土台、つまり営業を効率的かつ効果的に進めていくための「仕組み」になります

これも、2つの大事な役割があります

①試合におけるアドバンテージ

砂浜では9秒台で走れないように、仕組みが整っていない中で最大限の成果を上げることはかなり大変でしょう

しかも全員が地面で走れる陸上競技と違い、ビジネスの世界では自分たちで用意した地面を走ることになります

A社は高速トラックであれば、B社は土のグラウンド、C社は砂浜かもしれないし、D社は沼地の可能性もあります

SalesOpsが進んでいるかどうかで、これほどのハンデを背負った状態で戦うことになります

逆に言うと、ビジネスの成功につながるために必要な一連の流れが体系化・効率化されていて、正しく運用されている状態であれば、より効率的に高いパフォーマンスを発揮することができます。

一方で、地面ゆるゆる状態で身体能力頼みで戦っていても、力を発揮しきれないだけでなくどんどん疲弊していきます。

②練習環境におけるアドバンテージ

もう一つは、組織の成長につながるという側面があります。

私は高校時代、公立高校の中堅レベルの陸上部でした。
土のグラウンドで、練習後にはグラウンドを整地し、雨が降れば数日間はグラウンドで走れません。(トラックで走れるのは試合当日だけ、つまりぶっつけ本番)

短距離専門のコーチもいないからすべて手探りだし、練習用の補助道具だって最低限のものしかありません。

高校時代の筆者(10年以上前)

一方で、私立の強豪校は日頃からトラックで走れて、専門性の高いコーチがいて、練習用の器具が揃っている環境で練習しています

だから、自分より速い選手がゼロでもリレーでは勝てないようなチームもたくさんありました。要は総合力です。

同じように、SalesOpsが進んだ組織だとイネーブルメントにもつながるので、全体として強い組織が作れます。

一方で、このような流れが体系化されておらず、属人性に頼った状態だと、再現性がなく個に依存してしまう戦い方をせざるを得なくなり、組織として成長できずやがて疲弊していきます

1人の突出したエースがいるよりも、全体の平均値が高い方が総合力は高いし、仮にその突出したエースを軸にSalesOpsが体系化されれば、全体がそのエースに近づけて、結果的に底上げになってさらに強いチームが作れます

SalesOpsが進むと、個人のパフォーマンスの最大化と組織全体の底上げの両方に繋がっています!

3.SalesOpsの現状と成果

①大事だけど2〜3番手

残念ながらSalesOpsという名前はまだまだ浸透しておらず、マイナーな領域です。

多くの人や組織が「言われてみれば確かに大事」と一定の理解を示すものの、優先順位づけをした瞬間2番目・3番目で結局リソースの問題で着手できてないと言った状況ではないでしょうか?

自分も実はSalesforceの管理者権限もらってから、本格的に営業全体の仕組み化や推進に着手できるまで半年かかりました

ずっとその必要性を主張してきたものの「大事なのはわかるけど、成果出るまでに時間かかるし、今じゃないよね」「それよりも今は今月の売上のほうが大事(それ1年前も言ってたけど大丈夫?)」「Salesforce触るよりもウェビナーの企画を1本作ってもらった方が嬉しい」などと言われ続け、GOが出るまでに時間がかかりましたし、結局最後までSalesOps専任ではなく、常に何かしら兼任してました。

けど、その大切さは自分が1番分かっていたので、他の業務も全うしつつゴリゴリ進めていきましたし、そこである程度の形ができた後は社内の理解もそれなりに進んできました。

②ちゃんとやれば成果は上がる

自分はSalesforceの構築・活用推進を軸にSalesOpsを進めていきました。セールス全体の流れを体系化し、裏側でデータを取得して、それを元にPDCAを回して、現場に還元する。

正直、今取り組み始めてすぐに完成するものでもありません。諸々の定義、UI・UXの改善、自動化、データの蓄積・見える化など、やることは無限にあります。

また、全部を一気にやると現場は混乱するし、よく分からなくなります。1つ1つ着実に仕組み化&運用を繰り返していきました。最低でも1年以上の長期的な取り組みになります。

けど、しっかりやりきれば、着実に成果が出ます!
ある会社は、私が取り組んだ1年半でQごとの受注率を見た時に、着実に右肩上がりで4倍になってました!

具体的な時期・数字は伏せますが、取り組み開始後のQごとの受注率の推移

これはSalesforceの運用を進めていく中で、商談の管理体制が整って1件1件のアポや商談を大事にするようになったのもあるし、いろんなデータをもれなく自動で取得できるようになって、データを活用した施策ができるようになって、その施策がはまったなどの様々な要素があります。

もちろん、Salesforceの構築だけで実現したわけではないですが、こういった点を考慮しつつSalesforceを基軸に進めていけば、間違いなくSalesOpsは前に進んでいくはずです!

4.屋号をSalesOps Lab.と名付けた理由

自分は本業でSalesOpsをやる傍ら、副業でもSalesforceの構築支援をやってました。

そこで自社だけでなく他社の営業フローと比較して気づいたのは、会社・業界・サービスの特性・考え方によってやり方が違えば、ベストプラクティスは全然変わってくる

つまり、SalesOpsには答えがないんです!!

活用できる部分は横展開しつつ、その組織オリジナルのSalesOpsを作り上げていかなければいけない

また、時代や会社のフェーズによって、最適なSalesOpsの形は変わってきます。つまりSalesOpsとは終わることのない旅なのです

だから、データや実践知を元にトライアンドエラーを繰り返しながら、一緒に最適な形を目指していきたい

大学院まで行った自分としては、この取り組みが研究と似てるなと思い、楽に売れる最適な営業の形を「科学」し続けたいという想いから、屋号にこの名前をつけました。

※ちなみにここでいう楽に売れるというのは、会社によって定義が変わります。最適なターゲットかもしれないし、受注率最大化の営業フローかもしれないし、契約更新のようなCS的観点かもしれません。

5.終わりに

最後に、私の考えるSalesOpsとは...

楽に売上が上がる仕組み

楽に(効率的かつ効果的に)売上を重ねていける体制が作れれば、組織が売上目標達成も近づきますし、そこで働く従業員もハッピーです。

仮に同じ売上をこれまでの半分の時間で作れれば、浮いたもう半分の時間で倍の売上を獲りにいくこともできるし、それ以外の時間で自己実現して人生を豊かにすることだってできます。

そんな、人や組織を幸せにするためのポテンシャルをSalesOpsは秘めていると信じて、これからもこの道を愚直に走っていきます!

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!!

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