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【シティリーグ優勝】ロスト軸リザードンex 解説

はじめに

こんにちは。みかんかん(@mikan_n_kanzume)と申します。普段は千葉~都内をメインに活動しています。主に自主大会に参加することが多いので、マッチした際はよろしくお願いします。

本記事は3/9(土)に行われたシティリーグにて使用し、優勝することができたロスト軸のリザードンexデッキの解説記事になります。
ロスト軸にした時の強み、最終的に使用したリストに至った過程も踏まえて、採用カードやデッキの回し方などをメインに記載しています。

現環境ではあまり見なくなったデッキタイプではありますが、カスタマイズ性能の高さからまだまだ伸び代のあるデッキだと思いますので、ぜひ読んでいただけると嬉しいです!

ロスト軸の強み

環境に多いリザードンexのデッキタイプとしては
・ビーダル型
・ピジョット型
の2種類が猛威を振るっています。
上記デッキとロスト軸のリザードンexデッキを比較した際に、一番に挙げられる強みは「ウッウ」というサブアタッカーの存在です。

ロストゾーンを4枚溜めるだけでエネルギーを必要とせずに110ダメージを出すことができるコスパ最強のポケモンです。
このポケモンが採用されているだけで、従来のリザードンexと違って後攻1ターン目から攻撃できる要素になっているのも嬉しいポイントです。(ヒトカゲでスタートした時は相手の油断を誘えます)

リザードンexの技のダメージは相手の残りサイド数依存であるため、相手にサイドコントロールされることで一撃で倒すためのダメージを出させて貰えないという欠点があります。従って、最終局面を除いてはVstarポケモンや進化exポケモンに対して、2回の攻撃を要求されるケースが多いです。従来のリザードンexのデッキは、リザードンexの高耐久を活かして1回攻撃を耐えながら2回の攻撃で相手を倒していきますが、リザードンexで2回攻撃するとダメージが過剰になるケースがほとんどです。

従来のリザードンexデッキの攻撃パターン



ここで輝いてくるのが「ウッウ」の存在です

サイドを2枚取られた以降のリザードンexは240ダメージ出すことができるため、ウッウの技と合わせて350ダメージまで届きます。
よって、高HPポケモン相手に対しては1体につき1回だけリザードンexで攻撃を通すことができれば良いため、的確にアタッカーを合わせることでリザードンexの運用を抑えることができます。

ロスト軸のリザードンexデッキの攻撃パターン


上記2つの攻撃パターンはあくまで一例となりますが、最終的なサイド差や盤面は同じになるため、サブアタッカーとしては充分な性能を持っています。

リザードンexの出力が低い序盤では要求の低いウッウで攻撃し、キュワワーを回して手札を整えながら終盤にかけて出力全開のリザードンexで戦っていくことで、リザードンexをより強く使うことができる理にかなった組み合わせになっています。

また、リザードンexが苦手とするexポケモンから技のダメージを受けない「ミミッキュ(特性:しんぴのまもり)」に対してはウッウがダメージを与えることができ、リザードンexを1発で倒してくる非exポケモンであるルギアVstarデッキの「チラチーノ」に対してもウッウで簡単に相手をすることができます。
同じように、ウッウが苦手とする高耐久の非exポケモンである「トドロクツキ」「カビゴン」に対してはリザードンexで高耐久を押し付けながら戦っていくことができるため、お互いの苦手をカバーし合える関係性でもあります。


よって、「ウッウ」と「リザードンex」の相性はかなり良いことが分かります。

デッキリスト

3/9 シティリーグS3 千葉 優勝

デッキコード:ggPNQg-894Awx-g6nnHN

序盤からウッウで攻撃していきたいためロストギミックを基盤にしつつ、そこにリザードンexを組み込んだような形となっています。

はなえらびやアクロマの実験といった不確定要素と2進化ポケモンの組み合わせは安定性に欠けるため、勝率を確保するためにはデッキ構築の段階で工夫を施す必要がありました。

デッキ構築の工夫①

・効率よくサイドを取り進める

ヤミラミ
かがやくゲッコウガなどサイドを複数枚まとめて取れるポケモンを採用しない限りは、ダメージを与えたいポケモンを的確に狙っていく必要があります。

ヒトカゲ(HP70)を2回倒すのとリザードンex(HP330)を1回倒すのでは、前者の方が必要なダメージが少ないです。
・非exポケモン→進化exポケモン
・Vポケモン→Vstarポケモン
のように、進化を挟むことで取れるサイドに対する必要なダメージ量が多くなっていきます。

相手視点ではダメージを受けても良いポケモンをバトル場に出して戦ってくること、ゲームの性質上準備中のポケモンはベンチで育成されることを考えると、ベンチのポケモンを呼び出すことでダメージ効率を上げることができます。



・リザードンexの場持ちを良くする

リザードンexは高耐久であるため相手に1発で倒されにくいポケモンではありますが、パオジアンexのような青天井のダメージを持つポケモン、テツノイサハexのように弱点をついてくるポケモンや、マキシマムベルトによる打点補助などに対しては1発で倒されてしまいます。

これら全てに共通していることは、盤面で完結していることは少ないということです。

青天井のポケモンは、アタッカーポケモンを複数体用意できていても「スーパーエネルギー回収」等の攻撃するために必要なカードが必要です。
テツノイサハexやマキシマムベルトは複数枚採用されておらず、リザードンexを攻撃するターン以外で準備しておくと先に狙われてしまうリスクがあるため、攻撃するターンに準備する必要があります。

これらのことからリザードンexを押し付けるためには相手の要求をあげることが大事であり、アタッカーポケモンよりもデッキを回すためのシステムポケモンを優先的に倒していくことでリザードンexの高耐久を活かすことができると考えました。


上記のコンセプトと相性が良いカードとして、「カウンターキャッチャー」があります。

サイド数で負けている時という条件付きではありますが、グッズでありながら相手のベンチポケモンを確実に呼び出すことができる強力なカードです。

リザードンexは、終盤、特に相手の残りサイドが1枚になった時にほぼ全てのポケモンを1発で倒すことができるため、最後の捲り性能が高いポケモンです。サイドを2枚取れるポケモンが採用されているデッキでは、サイド差1枚を最後に簡単に埋めることができるため、問題なくカウンターに寄せた構築にすることができます。

カウンターキャッチャーを強く使うことができる構築、立ち回りを確立させることで最後にリザードンexを通しやすくなり、勝率に繋がると評価しました。

デッキ構築の工夫②

・リザードンexに頼りすぎない

極端な例ですが、

ウッウで攻撃する
→リザードンex①で攻撃する
→リザードンex②で攻撃する
→リザードンex③で攻撃する

のように、ウッウを挟みながらリザードンexを3回建てることができれば強いのは明白です。

ですが、前述したように2進化ポケモンをロストギミックのデッキで何回も建てようとするのは再現性に欠けます。
そのため、リザードンexの使用回数を抑えた上でも勝つことができる構築が求められます。

リザードンexをアタッカーとして使いたいタイミングは、ウッウで攻撃する価値が低いタイミングになります。ウッウは基本的に1回の攻撃で倒されてしまうため、

・ウッウでポケモン(サイド1)を1回で倒せない
・ウッウでポケモン(サイド2)を2回で倒せない
時にその攻撃の価値が下がります。


逆に言うと、ウッウで倒せる幅が広がればウッウで攻撃する価値が上がる = リザードンexの使用回数を抑えられるということです。


ここで採用したカードが、「フリーザー(特性:アイスシンボル)」です。

特性のアイスシンボルにより、ウッウの技のダメージを120まで伸ばすことができます。


HPが120のポケモンの代表として、「ビーダル(特性:はたらくまえば)」がいます。

リザードンex, パオジアンex, アルセウスVstar系統のデッキをはじめとし、現環境ではシステムポケモンとして様々なデッキに採用されています。

フリーザーを採用することによりウッウで倒せるようになるため、上記のデッキに対してウッウの価値を上げることができます。

工夫①で記載したカウンターキャッチャーとも相性が良く、カウンターキャッチャー+ウッウ+フリーザーで相手のビーダルを取る動きはそこまでこちらの要求が高くありません。

手札干渉に強いポケモンの代表であるビーダルを低要求で倒せるようにすることで再現性を上げ、手札干渉を強く使って動きを鈍らせることで相手の思うような試合展開をさせにくくできるため、この動きが勝率を上げられる強い動きだと評価しました。

採用カード

再度リスト掲載

採用したカードについては一部抜粋して記載します。

・ポケモン 16枚

ウッウ:2枚
本デッキのアタッカーです。
2回以上使わない対面はほぼないため、基本的には1枚もロストしたくないカードです。
1回でもウッウで攻撃できないターンがあるだけでダメージレースが不利になるため、状況に応じては1枚だけでも勿体ぶらずに「すごいつりざお」で山札に返して使い回します。

フリーザー:1枚
主にビーダルを重く見て採用しました。
他にも使える対面は意外と多く、HP230, 240の種exポケモンをはじめ、コントロール系のデッキ採用されている
ミミッキュ+勇気のおまもり(HP:120)
イダイナキバ+ヒーローマント(HP:240)
に対しても確定数をずらすことができます。
(コントロール系のデッキに対しては縛られてロックされる可能性も考慮する必要があります。)

マナフィ, ジラーチ:各1枚
かがやくゲッコウガヤミラミを重く見て採用しました。
カウンターに寄せた構築であるため、サイドが1枚しかとれないポケモンでこちらのサイドを複数枚取られてしまうとターンが足りなくなってしまいます。
vsロスト系統のデッキでは盤面ロックされないように、ベンチ管理を意識します。

ヒトカゲ, リザードンex:各3枚
ヒトカゲについては何種類かいますが、非exのアタッカーとしてはウッウがいるためアタッカー運用することはあまり考えていないこと、ロストマインの対策はジラーチでもできているため、種類はあまり考えていません。
技:ヒートタックルのヒトカゲは自傷するルートを取ることができるため、採用する価値は比較的高いかと思います。
なかよしポフィンで2体展開しやすい点や、リザードンexを何回も使う構築コンセプトでは無いため、それぞれ3枚に落ち着きました。

かがやくリザードン:1枚
終盤使える強いウッウの感覚です。
よくあるかがやくリザードン採用型のロストデッキとは違い、リザードンexで大ダメージを出すことができるため使わない試合もあります。
グッズやサポートでエネルギーを加速するカードを採用していないため、中盤から運用する際にはリザードンexの特性+手張りで動かせるようにエネルギーを温存しておきます。

・グッズ 23枚

ネストボール, なかよしポフィン:4枚、3枚
ボール系カードは多いに越したことはないですが、デッキの枠から最低限の採用枚数です。
このデッキはウッウで攻撃するところからスタートするため、ネストボールを優先して最大枚数入れています。

ふしぎなあめ:3枚
ヒトカゲ, リザードンexの所で記載した理由から3枚です。
リザードンexとふしぎなあめは揃わないと使えない点、共にサーチ手段がないためどちらを増やしても変わらないように感じますが、どちらか1枚を増やすのであれば以下の理由からふしぎなあめを優先します。
・相手の貼ったポケストップで回収が可能
・はなえらびで1枚ロストする選択肢を取った時、ふしぎなあめだと進化できる回数に直結する
(リザードンexであれば1枚ロストしてもつりざおから進化可能)
裏目としては相手のビワに引っ掛かりやすくなる点が挙げられます。

すごいつりざお:3枚
ウッウを使い回したい、狙われたマナフィやジラーチを即回収したい、エネルギーを山札に返したいと使いたいシーンは多岐に渡るため、多めの採用です。
多めに採用することで、山札に1枚しか戻せない盤面でも積極的に使える余裕がうまれます。

カウンターキャッチャー:3枚
カウンターに寄せた構築であるため、1試合で3回使う試合も少なくありません。
終盤使いたい時に引けるように、こちらが先行する試合以外では使わないタイミングでもロストしないでキープしておくのが大切です。
余裕があれば4枚目も採用したいカードです。

プライムキャッチャー(ACE SPEC):1枚
強化版カウンターキャッチャー
です。
採用しない意味がないので採用していますが、後述するヒーローマントと選択になると思っています。

・サポート 10枚

ナンジャモ:2枚
ロスト軸のデッキにはあまり採用されないカードですが、ロストゾーンを5枚以上貯める必要がない = アクロマの実験に依存しない構築であるため、序盤から使えるドローサポートとして重宝します。
確定サーチが可能でリザードンexと相性の良いペパーもこの枠の選択肢の1つでしたが、リザードンexに進化するタイミングにペパーを使用してしまうと手札干渉と合わせることができないため、リザードンexが突破されやすくなってしまいます。
相手の残りサイドが1枚の時はツツジよりも引ける枚数が少なくなること、ツツジのみを警戒してきている相手に対して不意の手札干渉を通すことができる強みからナンジャモを優先しました。
ナンジャモの欠点は終盤自分のドローサポートとしての価値が下がる点ですが、ロストゾーンを4枚貯めてしまえばアクロマの実験を無理に使う必要もないため、序盤からナンジャモでデッキを回すことでアクロマの実験を山札に残し、終盤の手札干渉に強くすることができます。

・ボスの司令:2枚
このデッキではリザードンexで攻撃を耐えながら相手のポケモンを倒す際にサイドが並ぶターンができるため、ボスの司令を採用することでカウンターキャッチャーが使えない展開でもベンチを狙うことができます。
最後にベンチを呼び出して勝利する試合が多いので、ボスの司令よりもサポートからアクセスできるカウンターキャッチャーの価値が高くなる試合があります。
試合展開を考え、サイド差が付いていて手札にカウンターキャッチャーがある時でもボスの司令を優先して使う判断を見極めることが大事です。

・エネルギー 9枚

基本炎エネルギー:6枚
最低2枚あればデッキとして成立し、特性で山札からエネルギーをつけることができるため6枚でも気持ち多めの採用です。
手札に抱えすぎてしまうとリザードンexの特性で山札にエネルギーがなくて付けられないといったことが起きてしまうため、逃げる用のエネルギーとして使ってトラッシュに置いておくか、予めヒトカゲに手張りしておくことが大事です。

ジェットエネルギー:3枚
キュワワーと相性が良く、いれかえカートだとリザードンexを逃すことができないため採用しました。
1ターンに2回使えないこと、攻撃するためにエネルギーを手張りしたターンに使えないことからポケモンいれかえの方を優先しました。

・スタジアム 2枚

ボウルタウン:2枚
かがやくリザードン以外の全ての種ポケモンをサーチすることができるため、一番相性の良いスタジアムカードです。
最近の環境はスタジアムの場持ちがかなり良いので、手札干渉を見越して事前に貼っておくことで、次のターンに攻撃するための要求を減らすことができます。

採用を検討したカード

・ヤミラミ+基本超エネルギー

技のロストマインが唯一無二の性能を持っており、リザードンexの足りない打点調整で役に立つため相性の面では悪くないカードです。
ヤミラミを強く使える対面では「ジラーチ(特性:ステラヴェール)」の採用が一般化されていること、カウンターキャッチャーによるベンチポケモンへの干渉のしやすさから、大きな役割を持てないと判断して不採用としました。
また、ロスト軸であるため相手が一方的にヤミラミをケアした立ち回りをしてくれることが多いため、ヤミラミというカードがプールに存在しているだけで充分な圧力があります。
vsロストバレットでは相手のリザードンexの突破手段がトドロクツキexのくるいえぐるしかないことが多いため、残りHPが30になったトドロクツキexとキュワワーでまとめてサイドを3枚進められる点が強く、環境次第では採用を検討したいカードです。


・ロストスイーパー
主にヒーローマントボウルタウンをロストするために採用を検討しました。
ヒーローマントについては主にコントロール系のデッキに採用されており、稀にリザードンexデッキにも採用されているケースがあります。コントロール系のデッキではビワや野盗三姉妹によりロストスイーパーを使いたいタイミングまで温存しにくいこと、リザードンexは強いプレイヤーがプライムキャッチャーやマキシマムベルトを採用した型で結果を残していることから、多少割り切って不採用としました。
また、本構築は最後にリザードンexをバトル場に押し付けながら手札干渉により相手の要求を上げていくことを基本プランとしていますが、「テツノツツミ(特性:ハイパーブロアー)」が採用されているとボウルタウンから簡単に突破されてしまいます。
本構築では自分で貼ったボウルタウンを壊すことができないため、最終盤面で相手を助けてしまう可能性があるという欠陥ポイントがあります。
ロストを5枚以上貯める利点がないため、ロストスイーパーの価値が通常のロストデッキよりも低いことから採用に至れませんでしたが、できれば入れておきたい1枚です。


・まけんきハチマキ
使用用途としては多岐に渡り、ウッウ、かがやくリザードン、リザードンexとどれにつけても強い点が魅力です。
カウンターに寄せた構築にしているところからも相性が良く、ウッウで倒せる範囲がフリーザーのおかげでHP150のポケモンまで届きます。
本構築ではまけんきハチマキをサーチできないことや、デッキの枠の都合上から不採用としましたが、見れる幅が広がるため自由枠として採用の余地があるカードです。

・ヒーローマント(ACE SPEC)
リザードンexのHPを430にあげることだけでなく、かがやくリザードンのHPを260にする使い方も強力です。
vsアルセウス+ギラティナではリザードンexに貼ることでマキシマムベルト+ギラティナVstarの組み合わせテツノイサハexの攻撃を弱点込みで耐えることができ、1ターン作ることができます。
vs古代デッキではかがやくリザードンに貼ることで終盤のトドロクツキの攻撃を耐えやすく、1ターン作ることができます。
上記デッキは現状の構築だと苦手よりのデッキタイプではありますが、1ターンもらえることで勝てる試合が多いです。
プライムキャッチャーはカウンターキャッチャーとボスの司令で最低限の代用が効くため、これらのデッキを意識したいのであれば採用圏内のカードです。

当日のマッチアップ

予選 6位通過
⭕️ 6-5 ロストギラティナVstar
⭕️ 6-3 パオジアンex+パルキアVstar
❌ 0-6 トドロクツキ+トドロクツキex
⭕️ 6-2 ミライドン+テツノカイナex
⭕️ 6-4 リザードンex+ピジョットex
⭕️ 6-4 パオジアンex+テツノカイナex

決勝トーナメント
⭕️ 6-5 ロストバレット(悪、雷、水、超)
⭕️ 6-4 サーフゴーex+パルキアVstar
⭕️ 6-1 イダイナキバLO

計 8勝1敗で優勝となりました。

全体を通して大きな事故は殆どなく、立ち回りと合わせてかなり再現性を確保できた構築になったと思います。
ロスト軸のリザードンexは最近の環境から数を減らしているため戦い方に慣れている人が少なく、マイナーデッキとしての強みもあったと思います。

デッキの回し方

このデッキはアタッカーがウッウリザードンexかがやくリザードンしか採用されていないため、攻撃パターンが単純です。
従来のロストデッキでは、

非ex主体のデッキ
ウッウヤミラミテツノカイナex

大物ex主体のデッキ
ギラティナVstarトドロクツキex

のようにアタッカーを使い分けて戦っていきますが、このデッキは基本的にどのデッキタイプに対しても同じアタッカーで戦っていきます。
色々な対面に対して使わないカードが少ないため、ロストする選択肢を間違えてしまうと後半の要求が上がってしまったり、リソースが足りなくなってしまうので、相手のデッキタイプから各アタッカーによる攻撃回数とその組み合わせを考えて、必要になるカードを管理していきます。

動きが単純であるためデッキを回すだけであれば難しくはありませんが、山札と盤面の作り方で勝率が変わってくるため、細かいプレイングが求められます。

環境デッキとの戦い方

各環境デッキに対するアプローチと立ち回りについて、簡単にポイントをまとめます。

※略称
かがやくリザードン
Kリザードン
フリーザー込のウッウウッウ(フ)

vsリザードンex(ビーダル軸)

目指したい盤面

主にデッキのエンジンとなるビーダルから狙っていきます。
ウッウ(フ)でビーダルを倒すことができるため、相手にサイドを先行させてからカウンターキャッチャーを使って優先的にベンチを崩していきます。ベンチを呼べない、フリーザーを用意できなかった時は素直にバトル場のリザードンexをウッウで削り、残りをリザードンexかKリザードンで取りに行くプランに変更します。
どのルートでも中盤にサイドを2枚取るためには2ターンかかるのでサイドレース的に問題はありませんが、前者では相手のエンジンをひたすら崩していくので相手の動きを鈍らせる事ができる他、崩れたスタジアムやフトゥー博士のシナリオを警戒する必要がありません。その分ベンチを4回連続で呼ぶ必要があるので、手札、盤面、山札と相談してプランを決めます。

ビーダル軸のリザードンexの強みは最後に非exのみで盤面を形成できるところにありますが、リザードンexを無視し続ける事でラストターンに強制的にexポケモンを盤面に残すことができるため、最後にリザードンexで330ダメージを出して逆転することができます。
途中でこちらがリザードンexを使うプランでは、最後に相手の残りサイドが1枚になるように立ち回ることを意識していきます。

使用アタッカー例
・ウッウ(フ)×4, リザードンex
・ウッウ(フ)×3, Kリザードン, リザードンex

vsリザードンex(ピジョットex軸)

目指したい盤面

ピジョットexが盤面にいるだけで毎ターン相手の強い動きを通されてしまったり、削ったリザードンexを回収されてしまうとサイドプランが間に合わなくなる可能性があるため、優先してピジョットexを狙っていきたいです。
ビーダル軸と同様、相手にサイドを先行させてからカウンターキャッチャーを使って早期からウッウとリザードンexでピジョットexを倒しにいきます。序盤の手札干渉は大体ナンジャモであるため、サイドを進めないことで手札干渉に耐性をつけ、先に相手のエンジンを取ってから後半こちらの手札干渉を押しつけていきます

序盤からピジョットexを取れなかったケースでは、自分の残りサイドを3枚まで進めてしまうのはあまり好ましくありません。
ピジョットexが盤面にいる状態でサイドを3枚以下にすると相手のツツジで崩壊する可能性が高いため、こちらが取るサイドは2枚までに抑えつつ、最後にピジョットex→リザードンexと2ターンで4枚取って捲るルートを目指していきたいです。このプランでは、残りサイドが相手1枚こちら4枚の状態で手札干渉をしながらピジョットexを狙うことで、相手のリザードンexにこちらのリザードンexが倒されないため、リザードンexを1体しか用意せずとも4枚取り切ることが可能です。相手にボスの司令やペパー(プライムキャッチャー、マキシマムベルト)といったカードを素引きされなければ、次のターンに勝ちまで持っていくことができます。

使用アタッカー例
・ウッウ×2, リザードンex×2
・ウッウ×2, リザードンex (捲りプラン)

vsパオジアンex

目指したい盤面

ベンチ管理が非常に大事なマッチアップです。
・ゲッコウガ対策でマナフィを置きたい
・ビーダルを倒すためにはフリーザーを置きたい
・ヒトカゲ1体ではプライムキャッチャー+テツノカイナexで崩壊してしまう
色々な要因があり、ベンチを圧迫してしまいます。
パオジアン視点ではゲッコウガ+キャンセルコロンやテツノカイナexなどサイドを2枚進めるルートが存在しますが、サイドを1枚しか進めなければリザードンexの攻撃をパオジアンexが耐えることができるため、最初はパオジアンexで突っ込むことが無難な選択になっています。
(ロスト軸のため早期のリザードンex進化+打点を上げる道具は考慮しにくい)

そのため、キュワワーを先に倒してもらい、
・相手にサイドを先行させる
・ベンチスペースを1体分あける
の2つを満たすことでカウンターキャッチャー+ウッウ+フリーザーでビーダルを取れる盤面を作り、ビーダルから積極的に狙っていきます
ビーダルを狩り尽くし、最後に手札干渉とリザードンexを押し付けるゲームになることが多いです。
初手でゲッコウガ+キャンセルコロンでヒトカゲが2体やられたケースではキュワワーが倒されていないためベンチスペースに余裕が出ませんが、その場合はヒトカゲを1体だけ再展開して同様のルートを目指していきます。
残りサイドが6-1からでも捲れるマッチアップでもあるので、最後まで勝ちルートを追いかけましょう。

使用アタッカー例
・ウッウ(フ)×2, Kリザードン, リザードンex

vsルギアVstar

目指したい盤面

ヒトカゲを盤面に2体以上展開して相手のチラチーノ(チラーミィ)を誘いつつ、ウッウで狩り尽くしていくマッチアップです。
チラーミィが盤面に居ない時はリザードンexが1発で倒されるリスクが低いため、リザードンexを建ててカビゴンやルギアVstarと打ち合っていきます。アーケオスを倒せると相手のエネルギー供給が間に合わなくなるため、優先して倒していきたいです。
基本的にはサイドを相手に先行させ、最後に手札干渉とリザードンexを押し付けるゲームになることが多いです。
ギフトエネルギーがついたポケモンを避けるために最後の手札干渉と合わせて使えるように、カウンターキャッチャーかプライムキャッチャーは1枚残しておきたいです。
相手の残りサイドが1枚の時に手札干渉をする際は、ナンジャモを使うことでトップドローと合わせても手札が2枚までしか増えないため、ハイパーボールもハズレ札にすることができます。
(ツツジの場合は手札が3枚まで増えるため、ハイパーボール→ネオラントV→ボスの司令の負け筋が増えます。)

使用アタッカー例
ウッウ×3, Kリザードン, リザードンex
ウッウ×2, リザードンex×2

vsロストバレット(悪, 雷, 水, 超)

目指したい盤面(サイドを先行しているとき)
目指したい盤面(サイドを先行されているとき)

基本はウッウで殴り、相手がテツノカイナexで攻撃してきたらリザードンexで返せる盤面作りを意識します。ウッウを使い回すことが多いため、つりざおで山札に返しておくことが大事です。相手に盤面ロックされないように、ベンチにマナフィとジラーチを置くスペースを確保できているとベストです。

サイドを先行している時は、相手のツツジ+テツノカイナexを返せないとそのまま負けてしまうため、サイド3枚目を取る時に進化して攻撃することもあります。トドロクツキexで返された場合は簡単に返すことができるので、その後のテツノカイナexで負けないように、ツツジとナンジャモを温存しておきたいです。
(削れたトドロクツキexはKリザードンで返せるとベスト)

サイドを先行されている時は、相手の盤面にV, exポケモンが居ないと順当にサイドを取り切られてしまいます。こちらが先にツツジを打てるため、手札干渉をしつつリザードンexで耐えるターンを作ることを狙います。
序盤のウッウ同士の殴り合いでは、カウンターキャッチャーからキュワワーを狙うことで相手の山札を掘るスピードを遅らせることができ、手札干渉から復帰しにくくなります。

使用アタッカー例
ウッウ×4, Kリザードン, リザードンex


上級者向けテクニック

以下の盤面を考えます。

相手の残りサイドは5枚、こちらはウッウで攻撃し、リザードンexの残りHPは220です。

それでは、あなたがリザードンex+ビーダル側だったとき、どのようなプレイを選択しますか?




バトル場のウッウを倒すことでこちらのリザードンexのダメージが240まで上がることは分かりきっています。
従って、"ボスの司令を使って1体しかいないベンチのヒトカゲを倒す"ことで、リザードンexを守ることができます。
相手視点では一見正解の立ち回りのように思えますが、こちら視点では苦ではありません。
なぜなら、リザードンexをすぐに倒さなければいけないターンではないからです。
ウッウが盤面に残るため、フリーザーとカウンターキャッチャー等のベンチを呼ぶカードがあれば、相手のビーダルを倒すことができます。

ここで相手にボスの司令を打たせてヒトカゲを狙わせることで、
・サポートによる盤面作りを行わせない
・自分への手札干渉が飛んでこない
・相手のボスの司令の総数を1枚減らす
といったメリットがたくさんあります。
こちらは価値の低いヒトカゲを1枚失うだけなので、見返りとしては充分すぎます。

このように、この盤面におけるヒトカゲの価値に相手と自分視点では差が生まれています。

リザードンexを使う必要がないターンでは、あえてヒトカゲを1枚しか出さない、という選択を取ることで、認識の違いを利用して相手の動きを誘導することができ、こちらの目指したい試合展開に持っていくことができます。
これはロスト軸(及びマイナーデッキ)だからこそできるプレイの強みです。

おわりに

ここまで読んでいただきありがとうございました。少しでも参考になったという方がいれば嬉しいです!
ロスト軸のリザードンexは最近数を減らしていましたが、立ち回り込みでリザードンexの強みを活かした良い構築を作れたと思っています!

質問などがありましたらTwitter(X)にて回答いたしますので、連絡いただければと思います。(@mikan_n_kanzume)
また、Twitter(X)上でのポストを、いいね、リポストで拡散していただけると嬉しいです!

それでは👋



スペシャルサンクス:壁役を担ってくれたKuku

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