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自分「だけ」の物語から、自分「たち」の物語へ

コピーライター・阿部広太郎さん主催の講座『企画でメシを食っていく』(通称『企画メシ』)から1年。本日ことばの日(5月18日)にまた、みなとみらいの『BUKATSUDO』で私たちは再会した。

企画メシから半年経って。

正直、誰かに誇れる変化は無かった。
書く時間はどんどん減り、企画はおろか、今年に入ってから日常をこなすことで精一杯だ。

そんな状況であっても、みんなの前で「企画メシを終えてからの変化」を発表する機会は、平等に与えられている。何を話そうか考えて、自分の企画を久しぶりに見返すと、『なんとかしたい』の企画が目に飛び込んだ。
そういえば、企画メシに入った理由は、【自分と周りの幸せを両立したい】だった。

そっか、こんなことで悩んでだっけと思ってしまうくらい、今の『なんとかしたい』とは無縁。何が変わったのか。きっとその変化は、キャリアチェンジなどのわかりやすいものより、大事なことだった。

何をするにも自信が持てなかった。

何かの企画をやり、「すごいね」と言ってもらえるたび、「いや、私なんか」と口にした。それは企画メシ最終日まで、変われなかった。

けれど、そんな変わらない私を、阿部さんは最後の最後まで諦めずに掬ってくれた。


「あなたにとっては『そんなこと』かもしれないけど、周りから見たら『すごいこと』」


最終講義の後に書いたnoteのコメントでも、『裏企画メシ』のインタビューでも繰り返し贈ってくださったことば。感情の根元に植った「私なんか」が、少しずつ解れていき、同時にそんな自分を変えたくなった。

今年のテーマに掲げたのは『自分を肯定する』こと。

そもそも「私なんか」と言っている人が幸せになれるわけがない。自分がやったことは「やった」と認める。できなかったことは「できない自分」を客観視して、一度受け入れる。そうやって過ごすと、なんとなく自分の人生に自信がついて、いつの間にか「私なんか」と言わなくなっていた。


そんな前向きなスタートダッシュを切った今年、昨年の私と同じように「俺なんか」と言う人に出会った。今のパートナーだ。

昨年末に身内を亡くし、残された戸建てでひとりで生きていく決断をしていた彼。家の中を一掃して、保険やお金周りを見直し、自分の人生を突き進む彼は、とても強くてかっこいいと思った。

「みかは勉強もして執筆もして、すごいよね。俺なんか家帰ったら何にもしてないよ」

仕事帰りにジムに行き、家事は料理から掃除まで全てこなす彼は、私と比較しては「俺なんか」と言う。あなたの生き方は、本当にすごいことなのに。

私はどうやら、今まで「幸せ」の意味を履き違えていたらしい。

【自分と周りの幸せを両立したい】と書いた理由は、「私が幸せになるにつれて周りを不幸にしている気がする」といった内容だったが、当時の私はただ「自由」だっただけで、「幸せ」とは言えなかった。

幸せとは。

私は、『誰の人生も羨ましくないこと』だと思っている。

私は今、誰の人生も羨ましくない。

今度は私の大切な人たちにそう言ってもらえるように、「あなたはすごい」ということばを贈り続けたい。

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