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「1票入れたところで何も変わらないんじゃないか」と葛藤しながらも、僕が投票する理由

「投票した方がいいんだろうけど、めんどくさいな、、」
投票するときに、毎回こんな気持ちになる。
特に「LGBTQ当事者が生きやすくなるような政治」という観点から考えたときは、余計モヤモヤしてしまう。

全国でパートナーシップ制度が続々とつくられ、多くの企業でLGBTQ研修が取り入れられるなど、ダイバーシティに関する取り組みは着実に進んでいる。周りを見ても、LGBTQに対して理解を示す人は増えているように感じる。
でも同性婚はまだできないし、男性同士のカップルで子供を持つことはとてもハードルが高い。国会において大きな影響力を持つ自民党も、この辺りの法律を変えていくことはまだ肯定的ではなさそう。多数派が動かない限り、何も変わらない。

そんな現状を目の当たりにすると、「子育てとか結婚とか、LGBTQ当事者になっただけでなぜそれが実現できないのか」という憤りと、「結局日本でそれを望むことは難しいんだろうな」と諦めの気持ちを持っていた。

そんな葛藤を頂いている中、偶然素敵なご縁をいただき、今回の参議院選挙に無所属で出馬される乙武ひろたださんの座談会に参加できることになった。
乙武さんは「本質的にみんなが平等になれる国」を目指すことを公約として掲げている。LGBTQ当事者としてマイノリティに課題意識を持っている僕はこの宣言にとても共感したし、応援したいなと思った。

一方で、「仮に当選したとしても、無所属のなかで本当に日本を変えていけるのか」という疑問もあった。
乙武さんが意図を持って無所属での出馬というのは知っていたが、「結局、変わらない多数派を前にすると難しいんじゃないか」とモヤモヤしていた。

座談会では乙武さんと直接話せる時間があったので、率直にその気持ちをぶつけてみた。
すると、乙武さんはこう答えてくれた。

確かに多数決で政治が決まるこの国において、マイノリティの意見は反映されづらい。僕も政治家になることは怖かったし、不安もあった。でも難しいからこそ自分が絶対変えて見せると思っている。
僕は2021年に「LGBT理解増進法」が自民党内で見送られたことに、「理解増進することだけでも難しいのか」と衝撃を受けた。すぐに政治を変えることは難しいけど、変えないといけないと強く思った。
また、例え多数にならなかったとしても、0対10で何も伝えないより、
4対5のように僕たちの声を届けると、政治家たちもマイノリティのためにできることは何かより考えてくれるようになる。

多分乙武さんの中にも、こうすれば絶対うまくいくみたいなものはないのかもしれない。それでも諦めずに頑張りたいという覚悟が、僕と話している時の乙武さんの眼差しからひしひしと感じられ、そのパワーが自分に響いた。

「自分が動いたところで何も変わらない」と諦めて、投票に行かないことは簡単だ。でもその行動が、僕含め当事者のひとたちにとって何も良い影響をもたらさない。

まだ完全にモヤモヤが晴れたわけではない。でも、「行って後悔するより行かなくて後悔する方が絶対嫌だし、自分にできることをやってみようかな」という気持ちに乙武さんはさせてくれた。色々な候補者の想いを聞き、自分が感じたことをそのままに投票に反映しようという気持ちが強まった。

このnoteを読んだ人が、何かの気づきを得てくれたり、投票してみようと行動してくれることを願ってやまない。

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