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音楽が季節を運んでくる

秋を望む気持ちとは裏腹に、日中は外に出れば蒸し暑いし、部屋にも強い日差しが差し込む。ニュースからは今日も、しばらく衣替えするなって声が聞こえてきました。前も言ってた気がするけど。

そんなムシムシした時間を過ごしていたときのこと。ふとテレビから「夏が終わりを告げる」というフレーズが流れてきました。まるで、涼しい風がさらさらと吹き抜けるようなサウンドに乗って。

聴いた瞬間、なんだか本当に涼しくなったような、秋めいた空気が心の中に広がりました。すると「涼しい風が吹き始める」なんて歌詞が続き、まさにそう感じてました!と思いながらテレビに目をやると、流れているのはポテトチップスのCMです。

声を聴いてすぐaikoさんの歌だとわかったので、Spotifyで検索。このCMソングは『夏恋のライフ』という曲だと知りました。

この曲は、とにかく涼しい。全編聴くとそれは、切なさを帯びた涼しさだと感じるようになります。「半袖長袖迷う日には昔ならあなたが決めてくれた」という秋を重ねた歌詞は、さすがaiko様としか言いようがありません。

私はaikoさんの、サウンドや歌詞を通じた季節の表現がとても好きです。たとえば『カブトムシ』の2番は、四季を表現した歌詞で始まります。

「鼻先をくすぐる春」「リンと立つのは空の青い夏」「袖を風がすぎるは秋中」「気がつけば真横を通る冬」短い言葉で、それぞれの季節を美しく表現した詩。これらがとても好きで、今でも季節を実感したとき、ふと心の中に流れることがあります。

そして最近、この『夏恋のライフ』を聴いて、やっぱりaikoさんの曲は季節の風を運んでくれるなと実感しました。最近はずっとこの曲を聴きながら、実際の気候以上の秋の涼しさを感じています。

音楽から季節を感じるなんて、よく考えればとても不思議な話です。そんな不思議な力を持つ音楽で情景を表現するアーティストを、これからもずっと追いかけたいし、彼らのたくさんの作品に触れていきたい。久しぶりに音楽をじっくり聴きながら、そんなことを思いました。

最後まで読んでいただきありがとうございました。これからもどうぞよろしくお願いいたします。いただきましたサポートは、自己研鑽やライター活動費として使用させていただきます。