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9月に読んだ素敵な本を紹介します

10月に入って早々、ばたばたしておりました……少々遅くなりましたが、9月に出会った素敵な本たちを紹介したいと思います。

沈黙のWebマーケティング/松尾茂起

最近は「一つのメディアを成長させる過程にも携わってみたい」なんて思いが芽生えてきています。そうなるとやはり、まずは本でそういう世界をのぞいてみることからかな!と、こちらの本を手に取りました。

きっかけはそんなざっくりとした思いだったのですが、読んでみると本当に、2つの意味でおもしろくて。笑 なかなかに分厚いこの一冊を2時間ほどぶっ通しで読み終えてしまいました。

沈黙シリーズは「Webライティング」のほうも持っていて、そちらもよく読み返します。「Webマーケティング」はそれよりも、一歩踏み込んだ内容。「そのメディアにどんな記事を載せると人に届くか=商品やサービスが売れるか」といった、深いところまで世界が広がりました。

発注を受けて執筆に取り組むことの多い私ですが、これを読んで「この記事には、こういう狙いがあるんじゃないか」なんて考えるようになりました。ライターとしての自分の視座を上げてくれた、ありがたい一冊です。

さくらえび/さくらももこ

安眠用に「癒されるエッセイが読みたい」と思ったとき、そういえば引っ越しの荷作りのときに発掘した『さくらえび』があったなあと思い出しました。確か中学生くらいの頃に買って、当時読みきれていなかったような……

さくらさんのご家族やお仕事仲間との、ほのぼの笑えるエピソードの連続。ご自身の経験談なのに、第三者のような視点や冷静な語り口や言葉選びがシュールで、思わず笑ってしまいます。本当にユニークな方なんだろうなあ。

そしてエピソードの中には、笑えるお話ばかりではなく、さくらさんがきっと大切にしているであろう思い出のお話も。そのときの感動をとても素直な言葉で語られているところも、いいなあと思いながら読み進めました。

9月の蒸し暑くて寝られない夜のお供として最適な一冊だったと思います。おもしろすぎてあっという間に読み終わってしまったけれど。笑 ほかのさくらさんのエッセイも読んでみたいな。

ていねいな文章大全/石黒圭

「ライター必読の書」といった文言とともに、9月にSNSのタイムラインでこの本を目にした方も多いのではと思います。私もその一人です。トップの写真をご覧いただくとわかる通り『沈黙のWebマーケティング』よりもさらに分厚い。その分、情報量は半端ではありません。

「不正確な文章を正確な文章に」「わかりにくい文章をわかりやすい文章に」「不快な文章を配慮のある文章に」「退屈な文章を工夫を凝らした文章に」の4パートに分かれており、徐々に推敲レベルが上がっていくような流れになっています。

同書の好きなところは「答えが一つではない」「人によって感じ方がちがう」ことも、できるだけ言葉で説明してくださっている点です。自分の中で「なんとなくこっちのほうがいい気がする」なんて曖昧だった部分が言語化され、スッキリと片付くような感覚を何度も覚えました。

一度全体を通読したのですが『記者ハンドブック』とともに、仕事中もすぐに手が届くところに置いています。これからずっと、言葉や文章のことで立ち止まったときに、何度も開くことになるのだろうな。

母性/湊かなえ

大学生のときにどっぷりはまった時期があったものの、最近は読めていなかった湊かなえさんの作品。先月書店で目に入り「そういえば、少し前に映画やっていたな」と気になって手に取りました。

湊さんの作品はよく、語り手が入れ替わりながら、一人一人の独白を聴くような形で物語が進んでいきます。語り手はあたかも真実を語っているようだけれど、そこにはその人自身の主観がたっぷりと含まれている。まさに「信頼できない語り手」から、物語を聞かされることになります。

『母性』において語り手の役割を担うのは「母と娘」です。その「語り手の主観」が色濃く出ている分、すれ違う部分に苦しさを覚えました。そして私は女として生まれたので「母と娘ならではの独特の関係性」と大きく捉えたとき、少なからず共感するところがあります。

湊さんの作品は「イヤミス」と評されることも多いです。個人的には「ここで終わったら嫌だな……」と思っていた後にちゃんと続きがあり、イヤな気持ちにならずに済んだのでこの作品がとても好きになりました。笑


こうして振り返ると、冊数は4冊だけどかなり多くの文章量をインプットした9月だったな〜と思います。10月の読書はすでに始めていて、読書の秋を満喫する気満々です!

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