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作文のはなし #シロクマ文芸部
赤い傘を差していたあの頃、書いた作文を担任の先生に褒められたことがある。
これまでの人生において、取り立てて褒められることなんてあまり無かったから、遠い過去に褒められたことさえも記憶の中で宝物となっている。
褒められた作文は2つあって、ひとつめは金木犀の花が、オレンジ色の絨毯みたいに地面を覆った秋に書いた作文。
友達とそのオレンジを拾って、ティッシュに包み持ち帰る。フェルトをハート型に縫って
変わる時空列車 #シロクマ文芸部
「変わる時空列車のチケットです」
怪しげな男が小さい声でそう言って、新幹線のチケットのようなものを渡してきた。
駅のホームでぼーっと考え事をしている時だった。
今日は仕事でミスをして、上司に叱られ散々な日だ。でも叱られて当然だよな。取引先をあんなに怒らせて、高額な契約をパァにしちゃったんだから。それだけじゃない、ミスなんて日常茶飯事で、その度に上司に叱られる。
…もうこの仕事向いてないのかも
START #シロクマ文芸部
始まりはいつか終わりがあって、きっとそんな風に諦めるから何も手に入れようとしない。
まだなにもしていないのに、終わりの始まりを恐れたりするから、動き出せなくて。
きっと何か言い訳をつけては自分を守ってる。
飛躍する人を横目に、本当の自分はこんなもんじゃないよって、まだまだ遠くまで行けるんだから。
だけどね。
そう言ってるだけでもう終わっちゃうかもよ?
じゃあどうするのかって、自分に訊いて
泣いた月 #シロクマ文芸部
朧月
睦月
空を見上げては
儚い空に
朧げな月
如月
キミを想ひ
月見れば
朧げなのは
泣いたから
弥生
桜の蕾のその先に
儚く光る朧月
春を夢満てキミを想ふ
たちまち霧が晴れますやうにと
#朧月 #シロクマ文芸部
#復興
https://note.com/komaki_kousuke/n/n3ddaa6624398