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"きゅん"をコレクションする

社交ダンス仲間のとくに仲の良い女性たちと話していると、ちょいちょい先生との「きゅん」エピソードの話になる。いい大人の集まりだけれど、乙女のように自分の受け持ちの先生のちょっとしたやさしさや心配りに癒されたり、ハッピーになったり。つまり「きゅん」となるわけです。

しかし、「きゅん」というのはバカにできず。というかひょっとすると人を幸せにする最強の感情かもしれないと思うのです。

きゅんばなしをしているときというのは、ぽわぽわと温かくハッピーで、聞いている側もなんだかその感情がうつって幸せを感じます。他人のキュン体験を聞いて、自分のも思い出し、二度おいしいみたいなこともあり。

大きな目標を達成したりとか、願望がかなったりとか、高揚感の高い幸せを最高だと思いがちだけれど。

日々のさりげない瞬間に訪れる「きゅん」は、瞬時に簡単に気分を明るくしてくれます。他に不安や心配事や困ったことがあっても、きゅんを感じているときは幸せです。そして探してみるとけっこう「きゅん」ポイントは見つけられるものなのです。

大きな目標や願望の達成ってなかなかに時間や労力がかかるし、思いがけない幸運とかも、そうやたらに起きるわけでもない。

またそういうものへの期待は、それがまだないことへの失望にもつながりやすく、諸刃の剣です。

いっぽう「きゅん」は、起こることを期待もしてないし、なくても喪失感がないのです。きゅんしてないな、はお腹減ってないな、に近いぐらい。でも、きゅんを感じられる機会が多いと、なんとなく幸せ、を感じる機会が多い。

きゅん、なんて今更感じることなんてない、とか、そんなのイケメンにかこまれてなきゃありえない、とか、そんなことないのです。

身近な人のちょっとしたやさしさや、相手との心がほっとするような関係があらわれる瞬間の自分の感情をちゃんと感じてあげれば、きゅんポイントは増えていきます。

好きなものに対して感じるかもしれないし、映画やアニメや漫画のキャラクターにきゅんとするかもしれない。そしてお気に入りのきゅんがあったら、それを何度も眺めれば何度もきゅんを感じられます。

自分の機嫌を取ることが幸せに生きる上では欠かせません。きゅんの瞬間を増やしていくことはとっても簡単にお手軽にできて効果の高い方法です。

だから、きゅんを連れてきてくれるものがあるなら、それが他になにも生産的なことを生み出さなくても、めっちゃくちゃ日々の幸せ、心の安定には重要なものなので、「無駄」なんて考えて切り捨てないでほしいのです。

きゅんて、感情だからむりやり感じることはできないけれど、いい大人がってきゅんを抑えたり、ばかみたいって遠ざけたり、それをやめてみるだけで、きゅんとなる自分をまず許して尊重してあげると、日々の幸福度がアップするのは間違いなしです。


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