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「営業が向いてない」と思う人は本当に向いてないのか?

お疲れ様です。
みほ(https://twitter.com/miho_career)です。

今日は、最近の感想を述べる回、2回目。
これまで採用活動や人事としての社員面談を含め面接や面談をしてきて思うことについてお話したいと思います。

私はこれまでの経歴上、営業系の職種の方と接することが多かったり営業系職種の採用に関わることが多いですが、ここ最近は前より増して営業職からのキャリアチェンジ需要が高まっているように感じます。

今日はたまに聞こえてくる「営業が向いていないと思う」「営業でやりがいを感じない」という気持ちから「他の職種に転職したい」という若手の方についての感想を述べます。

「向いていない」と考える背景

面接で企業側に話される転職理由は「スキルアップ」とか「もっとこういうことをやりたい」とか前向きなものが多いと思いますが、なぜそう思うのか?を深堀すると、そう思ったエピソードと次の転職先でやりたいことが全然腹落ちしないというか、しっくりこないなぁと思うこともしばしば。

これ自体を否定したいわけではないですが、いつも思うのは、自分というものをあまり理解していないんだろうなということ。つまり、自分の適性、向き不向き、自分が本当は何をしたいのか?が分かっていないということです。

すごいもったいないことだなと思います。

では、「向いている」「向いていない」というのは何を持ってそう言うのか。

完全に私の経験に基づく主観ですが、営業職の方で他者からでなく自分から「向いていない気がする」と言っている人や「営業にやりがいがない」と言っている人の8~9割は自分の成果が”思わしくない”人であると思っています。

思わしくないというのは達成率や売上金額などの定量面というか、どちらかというと”手ごたえがない”という表現が近いです。

成果が思わしくないから向いてないって思うんだけど!と思うかもしれませんが、私は全員が全員そうとは思わないです。

こういう人のほとんどが、成果が出る出ない以前に、マインドセットが不十分というか、営業という職業の価値や意義などを理解していなかったり、自分がやっていることの目的がセットされていなかったり、上司に言われたことを言われたまま何も考えず作業としてこなしているだけであったり、正しいやり方で正しい行動ができていない人が多いように思います。これだと、仮に営業が向いている人だったとしても成果は出ません。

ここを変えるだけで成果が出る人もいるのに。

それなのに、ただ「成果が思わしくない」というだけで「向いてない」と決めつけて「営業以外の仕事がしたいです」という若手の方がとても多い印象があります。

本当に「向いていない」のか

そもそも就職する時に営業職を選ぶ人は、人と接することに抵抗がない方やむしろそれが好きな方が割合として多いと思います。
また、どんな場面が一番楽しいかと聞くと「お客様から感謝の言葉をもらった時」という人もまぁ多い。

私は数年前に営業職から離れた身ではありますが、当時の私がどうだったかというと、これとは全く別の志向性でした。

私は営業で成果も出ていて常に上位の方に名前がありました。が、人と話すのがとにかく苦手。苦手というか”好きではない”が正しいかもしれません。基本、根暗というか内向きで、1人で黙々と仕事をするのが好きでしたが、諸々あって営業職をやらざるを得なかったこともあり、後天的に社交性を身に付けてきました。

なので、人材紹介の営業時代も面談や法人への連絡をしなくていい日の精神衛生の良さと言ったら半端なかった。

とはいえ自分が選んだ営業の仕事。成果を出さなければいけない。成約のためとはいえ、何回もお客様と話すのことが気持ち的に負担になるため、いかに最短距離で数字を作るか?に全力投球。電話もなるべくしたくないのでいかにメールで完結させるか?を考えて売り上げを作っていました。

そんな私の営業でのやりがいは、見込みから成約までの数値やデータを見て歩留を見つけ改善策を検討している時間、後輩に成約のコツや顧客満足度をどうあげるか?などを教えている時間や効率化のためにテンプレなどを作っている時間、コツコツ毎月メールを送っていた法人から電話がかかってきて何もせずに勝手に新規開拓ができた瞬間、などお客様と話さない部分にありました。

もちろんお客様から感謝の言葉をもらうことは嬉しかったのですが、やりがいを感じる瞬間かと問われるとそうではなかったですし、顧客満足度アンケート部門で表彰をされても、それが自分の仕事への原動力にはならなかった感覚があります。

でも、営業の評価は当たり前ですが、お客様からの感謝の量(≒売上)が主です。
自分と同水準の成績の人のほとんどがここを原動力に仕事をしているのに、自分はそうは思えなかったんです。さらには、自分が表彰台に乗った時よりも自分が教えていた後輩やメンバーが表彰された時の方が圧倒的に嬉しかった。

やりがいに感じるところと評価軸にズレがある。

だから「営業はそれなりにできるけど好きではないのかも」とか「営業は適職ではないのではないか」といつ頃からか思うようになって今に至ります。

だから、そんな私から見れば、人と接することが好きとか、お客様から感謝の言葉をもらうのが好きという人は営業の適性がある人の発言だと思うんです。
成果を上げれば上げるほど感謝の言葉は増えますから、喜びも増えるはず。こういうタイプの人は成果が出ればたぶんやりがいも感じるはずです。そうなると「向いていない」という思考にはならないだろうと思います。

向いている仕事を見つけるには

勘違いしていただきたくないのは、私がここで言いたいのは、成果が出るまで営業職を気合いで続けましょう!ということではありません。

何が言いたいかと言うと、
自分にどんな仕事が向いているかって、目の前の与えられた仕事、というか、自分がやると決めて選んで始めた仕事を一定の期間きちんとやった後に分かるということです。

やってみると、そのタスクや仕事1つ1つに「これはやっぱり苦手だしやりたくないな」とか「意外とこれは苦なくやれるし得意」とか「これは楽しいからずっとやれそう」などと少しずつ気付き始めるんです。
成功体験というか、手ごたえがある経験を小さいことでもいいので積むことができれば「もっとこの領域を極めたい」という気持ちも湧いてきたりする。自分の向き不向きや、自分が何に興味関心があるのかに気付くんです。

このプロセスを経て、意外と自分は営業できるじゃん!と自信を持てた人もいますし、その後表彰された人や成果を出してリーダー職に昇格した人もいました。やり方や物事の捉え方を変えるだけでその仕事の意義や価値が分かり、仕事が楽しくなったという人もいました。
私みたいに成果は出たけどやっぱり営業は違うなと思いバックオフィス職に異動や転職をして活躍している人も知っていますし、やりたいことが見つかって自己実現のために転職していった人もいます。

ちょっと厳しく聞こえるかもしれませんが、
向いていることややりたいことが分からない、なぜ転職したいのかをきちんと述べられないという人の共通点は、今やるべき目の前の仕事をやりきった経験がない
ということな気がしています。

企業人事の立場だった時には言いづらかったですが、私個人の考え方で言えば、正直会社は辞めようと思えばいつでも辞められるわけですよ。そもそも誰かに強制的に就業させられてるわけでもありません。自分でここで働くと決めて自分で選択した職場です。辞めようと思えば辞められる。

だからこそ、向いていることが分からない、なんとなく成果に滞りがある、やりたいことも特にはないという時は、まずは今の役割で「成果を出す」ことにとにかく一回、数ヶ月でもいいのでこだわってみることをおすすめします。やってみて違うなと思ったらその時、辞めればいい。

こういう経験をした人って、面接でお会いすると他の人と全然顔つきが違ったりします。話す内容や話しぶりも自信があるというか、芯があるというか、説得力があるというか。

なので、結果的に転職することになっても、良い転職先が見つかって、自分の望むキャリアをイキイキと歩めるのではないかと思います。

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