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シナリオ制作裏話①さいぜ編

こんにちは、タイトルというものが常に思いつきません。ミゴ太です。
今までシナリオ制作について語った機会が殆どなかったので、試しにやってみようと軽い気持ちで筆を取らせていただきました。
今回は「最前線の僕らと絶海のデザートイーグル」についてです。
以降当シナリオのネタバレを含みますので、現行未通過の方は閲覧をお控えください。
本文の内容に関してもそこはかとなく書いていますので、どうか温かい目でお読みください。これは文才のない徒然草です。


シナリオの元ネタについて

元ネタやインスパイアされたものについて何があったか考えたのですが、正直具体的な作品はありません。強いて言えばグリザイアの迷宮(エロゲ)という作品に触れて以来個人的にミリタリー系作品への憧れがあり(vivantも大好き)、それが舞台設定には大きく影響していると思います。ただもう少しミクロな視点でシナリオを見れば、唯一日下部茜には明確なモデルが存在しており、それはそれこそグリザイアシリーズから日下部麻子さんです。話し方や立ち位置はもちろん苗字まで同じですが、正直内面や考え方は大きく違い、オマージュというより私の中でミリタリー系の物語を表現し進めるには日下部麻子のような人が必要であったから日下部茜というNPCを作った。というのが個人的な認識です。ミリタリー系の作品に憧れただけで何も知らないのでミリタリーの引き出しが日下部麻子しかありませんでした。
この機会に初めてしっかり考えてみたのですが、このシナリオは日下部茜以外参考にしたものが全く思い浮かびません。ですが妙に既視感というか王道の流れを感じるのは、おそらく根源的に私がかっこいいものと認識していた要素を組み込んでいったシナリオであるということを意味してるのではないかなと考えました。真偽は不明です。

テスプについて

このシナリオはなんと8回もテスプを行いました。というのも最終バトルの調整が本当に本当に大変だったからです。
初めは現在のものよりかなりビヤーキーを弱く設定しており、おかげでビヤーキーがHP0にされてしまうという事態に陥るケースが出てしまいました。これについて、以前ふせったーで書いたものがあるのでそれを引用します。

元々テストプレイ前半までは、高ロスといえどもう少し優しい最終戦にしていて、出目がよければ難なく生還できる程度の難易度に設定していました。(それでもテスプ1陣目は両ロスした)
ただテスプをしていく上で、それだと最終戦が長い時間ただただダイスを振る作業になってしまう、というご指摘をいただきました。
私としては、最終戦は夜を徹して行うものなため20分程度は費やしたいな、、、という思いがあり、長時間の戦闘を「ツラい単純作業」で無くすにはどうするべきかを考えた結果、戦闘の難易度を上げることにしました。
一回のダメージの大きさや、探索者が死ぬかもしれない状況で振るダイスは、おそらく単純作業では無いのではないかな……とこれ以降のテスプを経ても感じます。

どっかのふせったー

後半のテスプやシナリオ公開以降このシナリオを私が回した際は、探索者側の残りHPが15付近であることが多いです。もう一度1D20を喰らっていたら死にかねない数値であり、緊張感を演出するには丁度良い値なのではないでしょうか。参考として作者KPのとき最終戦全体でのビヤーキーの戦闘技能の失敗は毎回3回くらいです。
他の方が当シナリオを回されているのをそんなに見ているわけではないので、私以外のKPがこれについてどのようにお考えかはよくわからないですが、気に入らない場合は自由に改変していただいて構いませんので適宜工夫を凝らしていただけると嬉しいです。ただ改変したことはちゃんとPLのお二人に伝えてくださいね。


テスプでの大きな変更点

先の戦闘についても大きな変更点の一つですが、もう一つだけ、和泉の性格が大きく変わりました。
和泉は本来高圧的な性格で探索者たちにも冷酷に接するものの、実は探索者たちのことを何より大切に思っているよというツンデレ男でした。しかしこれには問題点があったのです。和泉が、あまりに、嫌われすぎるのです。おそらく今の穏やかな和泉ですら探索者達からは相当嫌われます。それが態度まで悪かったら本当に酷いです。テスプでは一度探索者達が和泉の言うことを全く聞いてくれなくなり、シナリオの進行が滞る事態になりました。加えてあまりに信頼がなさすぎるため、最後探索者達に本心を伝える際に「本当に本心なのか?騙そうとしているのではないか」と疑われたことがありました。最後の決断は探索者達にとって重要です。それをこちらの余計な要素により邪魔してしまうことがあってはならない、と考え和泉の性格を変更するに至りました。変更後は本当にRPもシナリオ進行もしやすいです。


改変について

改変については特に規制は設けていません。私1人の頭では思いつかないより優れた何かを思いつく場合も十分あると思います。ですが私がこのシナリオを作る上で意識した2点について、改変する際にご確認していただけると嬉しいです。

①緊張感を持つ

別のシナリオですが、私がKPをしている際にPLが寝落ちしかけたことがあり(とてもショックだったので)それ以来どうすれば眠くならないのかを考えていたのですが、その大きな要因の1つに緊張感があると考えます。冗長な展開が続けば眠くなるのは当然です。なのでとにかく1つのシーンを長くしすぎない、気を抜く暇を作らないことに重きを置いてきました。
しかし一方で最終戦は本当に長いです。シナリオ上で夜通ししてるので。ただただ続けていれば絶対に飽きます。その対策として私は4つの要素を組み込んでいます。
❶ダイスは2人同時成功で初めて成功
大縄跳びで失敗するのと1人でする縄跳びで失敗するの、明らかに前者が嫌です。相方が押しつぶしに成功して自分は失敗という状況はなるべく避けたいでしょう。そのためにPLは1つ1つのダイスを普通に振るよりもより思いを込めて振るはずです。それにより当事者意識を強く持って、緊張感のある戦闘を演出できるのではないかと思います。
❷途中の覚醒シーン。勝利条件の設定
これについては前述した「1つのシーンを長くしすぎない」ということを最終戦中でも意識したものです。同じことをずっと続ける苦痛を和らげるためには、この場面転換に加え7ターンという終わりを示すことはかなり効果的なはずです。いつまでするかわからない作業より終わりがわかっている方が1ターンに集中して挑むこともできるでしょう。
❸死にかける
CoCで死にかけるような戦闘をなあなあで行うプレイヤーはそうはいません。
テスプの項でも記載しましたが、このシナリオは最終戦死にかけます。危機感を持って死を回避するための工程はそこまで冗長にならないんじゃないかなという想定です。
❹ダメージを追うときは大ダメージ
シナリオに記載の通り最終戦のビヤーキーによるダメージは馬鹿でかいです。その分ダメージ残半分で起きるシーンもさっさと起こって時短ですし、なによりこのままなら死ぬ!という危機感をPLたちに持たせることもできると思います。

②裏切らない

予想外って難しいですよね。戦闘シナリオだと思って脳筋男を連れて行ったら繊細な思考を必要とされるエモシだった、というのは予想外のサプライズに違いありませんが、言うなればラーメン屋に行ってカツ丼しか無かった状態。私はちょっと嫌ですね。なのでPLの予想を上回ってこんなことまでして良いんですか?!は良いと思いますが、PLの予想と異なって、期待を裏切ることがないように。ということはかなり気にしていました。


その他

ここからは殴り書きです。シナリオ自体ともあまり関係ないです。思い出したらこの項は増えると思います。

人が回すさいぜが見てぇ〜〜〜〜
人が回すさいぜが見たいです。人が回すさいぜが見たい。人が回す自シナリオがこの世で1番好きです。人がやる森田日下部和泉川原が1番好きです。配信でしてほしいなんて高望みはしないので、よかったらあなたのセッションの録画私のDMとかにギガファイル便でこっそり送ってくれませんか(強欲)

タイトルが劇場版名探偵コナンみたいだねってよく言われるんですが、言われて初めて気がつきました。そもそもこのシナリオはタイトル決めに今までで1番難儀していた記憶があります。せっかく頑張って作った初めての戦闘ものだったので訴求力の高いワードを組み込みたいもののその組み合わせが難しく、タイトルが長ったらしくてもなんとか語感だけは整えようと思った結果がコナンだったみたいです。誰かデザートイーグルを悪夢とか五稜郭とか十字路とかのかっこいい漢字に変換してください。

実はこのシナリオは作者が10代で作った最後のシナリオでした。これ以降は20代で作ったものなのですが、個人的に10代の作品と20代の作品は、その作品に対する責任の重さが違うように感じていました。10代の趣味と20代の趣味ではなんとなく本腰の入れ方が違うように聞こえるような気がします。そのため最前線の僕らと絶海のデザートイーグルという、ロマンだけを詰め込んだ正直細かい設定などに粗の多いシナリオは10代のうちに出してしまって、誰かや何かに差し支えることがあったら若気の至りで許してもらおうと思っていた記憶があります。何にせよ普通に年齢に関係なく責任はとるのでご安心ください。


というわけで突然終わります。
見切り発車すぎてさいぜに元ネタが全然無いということに書きはじめてから気がつきました。
次回は明確にオマージュ元のある「この舞台の上で死ねたら幸せ」について書けそうだったら書こうと思います(多分)
ここまでお読みいただきありがとうございました。

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