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『漢字って面白い!』

光陰矢のごとしで、後の祭り

なんと!前回の投稿から、お盆、クリスマス、お正月も過ぎてしまい、2022年寅年の節分が間近に迫る頃となってしまいました。

その間、何も作っていなかった訳ではないのですが、コンセプトやテーマ、それに見合ったマテリアルなどの思考、思索(もしくは試作)を繰り返しながらも、なかなかそれを記事にする余裕がありませんでした。

むしろ、その試行錯誤の状態を書いて残すべきだったのかも、とは思うものの、それも後の祭り・・・(と、言い訳タラタラ)

隠れオタク

私は幼い頃からしょっちゅう、この世の成り立ち・宇宙の不思議、記憶・意識・時間の不思議などに思いを馳せていました。

かといって、科学者や数学者になってその真理を追求するなどという賢明さにはほど遠く、ただただ妄想に耽り、時には気が変になるのではないかというような危険を感じては現実世界に戻ってくる、そんななんの得にもならないことを繰り返す、ある意味それが趣味のような「隠れオタク」でした。

AR(拡張現実)・VR(仮想現実)

そんな、人には公言できないかと思っていた趣味世界の話が、今や普通にSF映画や小説、アニメに取り上げられるテーマになっていたり、AR(拡張現実)やVR(仮想現実)のテクノロジーの進歩で、仮想と現実が交錯することが当たり前となっていて、大手を振って話題にできるようになったように思います。

そして、この人生でなぜか唯一続けてきた書道。
文字や言葉を書く「書」で、今も興味の尽きないその世界を、従来の「書道」ではないやり方で表現できないものかと思っていた時に、現代アートに出会い、手探りで作品を作ってきました。

『回』という漢字

そして、去年の秋、頭に浮かんだのが『回』という漢字でした。
で、創った作品がこれ。

『We are surrounded』
  (我々は取り囲まれている)
2021年
35.0cmかける44.5cm(作品本紙サイズ)
紙・パステル

〈ステイトメント〉

『回』は「ぐるぐる回る」という他に、「取り巻く」「囲む」という意味を持つ。

我々は天災の脅威だけではなく、ウィルスなどの病原菌、または、原発事故などの人災とも言える災害など、常時あらゆる危機に取り囲まれている。
そして、それらから守り管理するという名のもと、また我々はとり囲まれる。

ある記憶が甦る。
物心つかない頃に床下浸水を経験した私は、雨が降るたびに大泣きし、家の真ん中にある部屋の、そのまた真ん中でじっと雨が止むのを待った。
タタミ一畳ほどのその場所が、自分なりの避難場所だったのだろう。
人は何かに囲まれることによってセイフティゾーンを確保した気になるのかもしれない。

しかし、その緑のセイフティゾーンらしき場所は本当に安全なのか、自由意志や行動が巧妙に制限されてはいないのか、などと思い巡らせながら、ぐるぐる線を引いた。

漢字という文字が持つポテンシャル

「回」のような単純な記号のようなものに、いろんな意味が含まれる漢字は、自然にあるものの形をそのまま簡略化した象形文字からはじまったとされて、

中には構成時に形而上的な意味合いを含んでいたり、また、それらの組み合わせ方も縦横無尽だったりと、その奥深さは計り知れず、

時には哲学的なものを感じさせてくれる『漢字』、へぇーー!って思うことがよくあります。

東アジア文化圏の中でも限られたところでしか使用されていない漢字だけれども、これを略したりせず、かなり正確に発祥の歴史を踏まえ意味を理解し使用している日本人。
(いや、それも危うい状態か)

で、意味が全くわからなくても、なんかカッコいい!という感じで西洋人にも好まれる漢字。

そんなこんなで、しばらくは、いろんなポテンシャルを持つ「漢字」を用いて、自分なりの表現を試みていこうかと思います。

#現代アート #現代アート書 #書 #漢字 #AR  #VR




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