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会社設立3周年に寄せて / 今後、独立起業をお考えの方へのささやかなアドバイス

始めに / ご報告と御礼

今年4月8日、弊社、合同会社MIGISANは、お陰様で設立3周年を迎えました。
ひとえに、メンバーシップメンバー様、各ツールのユーザー様のおかげと感謝しております。
この記事では、今後ますます変化し混迷を深めるであろう社会の中で、現職を退職し、新規に独立起業される方もいらっしゃるかと思い、ささやかながら、独立起業に関して、私の経験から、いくつかアドバイスになる(かも知れない)事を、まとめていきたいと思います。

直接、トレードとは関係がない記事にはなりますが、参考にしていただければ幸いです。

① 何を持って、少なくとも生活を維持できる以上の収入を確保できる、生業とするか?

私個人の経験からお話ししましょう。
合同会社MIGISAN(以下、会社MIGISAN)を設立する前は10年ほど、大学受験指導塾の運営ならびに、個人からの依頼された場合、個別に家庭教師もやっていました。
では、その前はと言いますと、某コンサルファーム(どこか書きませんが、結構有名なところ)に属していました。
そしてその前は、外回りの営業職をやっていました。(しかも訪販系です。)

現在、会社MIGISANは、チャートツール、トレード関連電子書籍の制作、販売、ならびに、主にツールユーザー様へ、トレードに関する教育や情報発信を行っています。(将来的には他の分野も視野に入れていますが)

さて、以下並べてみましょう。
①訪販系営業
②経営コンサルタント
③大学受験塾講師
④トレードツールの開発販売並びに、トレード技術の教育・情報発信

一見すると、全く無関係なこの4つの職には、とある共通点があります。
それは、「人に情報を伝え、アクションを起こしてもらい、何かの成果を手にしてもらう(顧客にとってのメリットを手にしてもらう)仕事であること」です。

私は転職を繰り返しつつも、「人にものを教え、行動を促す事」を社会人生活の大半を通じて行って来たのであり、それこそが私の才能を生かした天職であるという自覚もあります。

つまり、今までの社会人生活で所属していた業種分野とは、無関係のように見えて、根本的な部分では、密接にリンクした仕事をしているわけです。

■ 起業における、理想と現実の一致と不一致

まず、以下、起業する分野及びタイミングにおいて、揃っていると理想的と、私が考える要素を書き出してみます。

①好きで、興味関心が持てる
②それまでの社会人経験で、少なからず実務経験がある
③副業、趣味的な分野なら、既にそれまでにマネタイズできた実績がある
④自分の資質、才能と合致している
⑤事業として立ち上げる資金が十分にある
⑥もしくは、事業資金がさほどかからない
⑦ある程度短い期間で、黒字化が見込める顧客がいる、あるいは潜在顧客が見込める
⑧事業を遂行する上で、信頼できる協力者がいる
⑨事業を遂行するのに、多数の複雑な協業が必要ではない
⑩同業先行事業者と比較して、独自性を発揮できる強みがある

さて、皆さんが何かの理由で独立起業を考えているとします。そこで現在、上記に上げた10の要素のうち、現在のご自身に当てはめて、いくつ該当するでしょうか?

さて、いくつかな?

✿ 私が会社MIGISANを立ち上げた時、あてはまる数は⑤を除いた9つです。
・・・それでも実際、かなり危なかったと思いますし、今も安心なんてことはないですが・・・

当てはまらない数が多いほど、独立起業しても、うまく行かないケースがほとんどだと思います。

とりわけ、⑤が不安な場合ほど、きついかもしれません。

5が豊富である場合でも、必ずしも成功するとは限りません。しかし、先立つものは、やはり資金です。勿論、それ以外も非常に重要です。

■ 上記に上げた⑩の要素の中で、不可欠だと思う要素

上記⓾の要素の中で、起業独立するうえで不可欠であると私が考えるのは、
まず、②か③、次に、⑤か⑥、そして、⑧と⑨です。

ここでそれぞれを取り上げ、解説すると長くなりますので、それは別の機会に譲りますが、もし、独立起業するかなあ?と思う事がありましたら、この記事を思い出して、点検してみてください。

② 先立つもの(お金)は、先立たせる。


何をやるにしても

商いをやるには、まず借を起こせ!という格言があります。しかし、これは本当でしょうか?

例えば、大規模メーカーの委託下請けとして独立しないか?という場合や、巨額スポンサーが、その起業家の情熱に打たれ、壮大なプロジェクトの立ち上げに出資するという事であれば、自己資金および、自己資産の範囲を超えた借金で事業を起こすかも知れません。

しかし、完全に独立ベンチャーであった場合、まず銀行は、土地などの担保がある場合を除いて、3期通過しないと融資はしてくれないと思いますし、政府系金融機関も融資を引き受けるかは微妙です。
※コロナの頃は、比較的借りやすかったそうですが。

そう考えますと、基本的には自前で用意した資金を投下して事業を始めるか、現金や有価証券、土地などの資産を担保に資金を借りる(実質自己資金)を投下して事業を始める方が、ほとんどなのではないでしょうか?

この時、商売を起こすうえで大切なことは、起業当時は、(既に個人事業主として実績がある場合を除き)、先の見通しはないという事を前提とする事です。
※勿論、何の計画性も、勝算もなしに起業する方はいないとは思いますが、あくまでも心積もりとしては、それくらいシビアに考えていた方がいいという意味です。

しかし、事業を起こすうえで、大なり小なり資金が必要なことは間違いなく、その上で、はじめは特に、お金は出ていく一方である場合が多いでしょう。

という事は、少なくとも採算ベースに乗るまでは、お金は先に払い続けなければいけない。これを後回しにして、後で何とかなると甘い考えをするような人ほど、どうにもなりません。

先立つものは先立たせることは、後に事業がうまく行った場合でも、そうでない場合も、自身を救う事につながっていくわけですから、事業に必要な支払いは、遅滞なく積極的に支払っていくべきです。

■ 最初は自分の手に負えるリスク範囲で小さく始める

借入を起こすにせよ、自己資金を直接投下するにせよ、事業に関する固定費と共に、家族を含めたご自身の生活費は確実に一定額は出ていくわけです。

サラリーマンの頃と違い、事業の場合は月々の収入が保証されているわけではありません。売上があったとしても、いい方に上振れする場合もあれば、予想以上に、下振れすることもあります。また、予想しない出費、勉強不足、経験不足による失敗もあるかと思います。

■ 私の失敗?役員報酬や事務所家賃等固定費は、最初は小さめに

最初、私は役員報酬を27万円、娘を一時的に役員扱いにしたうえで、東京での家賃分7万円、計34万円を役員報酬としていました。

ところが、

社会保険並びに厚生年金は、34万円の報酬に対し、10万円以上、払わなければいけません。※会社側は半額負担ですので。勿論、所得税は別です。

会社設立並びに開業資金に関しては、資本金を小さくし、役員借入金として数百万円を入れていたので、私の生活に関する資金は、役員借入金の返済という形を取り、報酬は最低額でも良かったわけです。

儲かってからならいざ知らず、まだ先の見通しも立たない状態で、役員報酬(これも役員借入金という形で、実際には受け取っていなかった)を高めに設定していたおかげで、当面会社の立ち上げには何も寄与しないお金を(将来、年金という形で帰ってくるかもしれないにせよ)月に10万円以上払い続けるのは、あまりにも勿体なかった。

※後に変更手続きをし、2期目からはかなり低く抑えることにしましたが、少なく見積もっても100万円は、当面の事業の立ち上げには必要のない資金を支払ったことになります。

一方で、私が事務所として借りている物件は、古い居住用マンションなのですが、家賃が3万円台(風呂トイレ台所付き)、ゴミは各フロアごとにゴミ捨て場あり、共益費に水道代と、コンセント以外の電気代が含まれており、場所も市内中心部から半径1Km、管理人常駐にオートロック、全館空調設備付き、と、破格の物件です。

その代わり、ここでは具体的には書けないような事件や、トラブルが発生しますが・・・( ̄▽ ̄;)

おかげで固定費が非常に安く済んでいます。これは助かりました。

勿論、うまく行かない事を想定して事業を始めるのは矛盾している気がしますが、うまく行かない事を前提に、初期の固定費は押さえてスタートした方が良いと、私は思います。

③ 運を大事にし、自身や事業へ客観的な見方をする。


事業の成功には、「運」が寄与することも多いと私は考えますし、実際、長く事業(商売)を営まれている方は、非常に「運」を大事に考えていらっしゃる方は多いと思います。

勿論、運任せという、いい加減な姿勢では何事も立ち行かないと思いますし、運だけで物事が運ぶという意味ではありません。

それでも、運や縁の大切さを、長く経営をやってらっしゃる方ほど感じるのではないでしょうか?

■ 運を生かす為の考え方や行動

運というのは、偶然のめぐりあわせなのですが、しかし同じタイミングで同じ場所に居合わせた人でも、紙一重で、難に会う方、難を逃れる方と分かれる事は、往々にしてあります。
あるいは、幸運をつかむ方、そうでない方と分かれる事も。

同じ才能の人が、同じ努力をしても、この運、めぐりあわせに、恵まれるかどうかまでは、何人にも保証はできませんので、こうしたら必ず幸運に巡りあうというわけではありません。
しかし、偶然とも思える発見や前向きな進展の陰には、あるいくつかの共通点があるように思えます。

以下、いくつか、幸運や偶然のチャンスに巡り合いやすい行動や姿勢を列挙してみたいと思います。

 何か一貫したテーマを持って、粘り強く探求、あるいは行動し続けている
② 好奇心が強く、かつ分からない事には疑問を抱き、自身で確かめようとする
③ 自身の失敗を失敗に終わらせず、軌道修正ができる
④ 他人を意図的に、しかも能動的に攻撃したり、非難したりしない。
⑤ 積極的かつ、能動的な姿勢にありながら、自分以外からの助けや、貢献、功績をしっかり評価できる。
⑥ 自身の行動をどこかで客観的に見れる、あるいは客観的に評価する基準を持っている。
⑦ 健康や安全、清潔に気を付けた生活をしている。
⑧ 自己犠牲に陥らない範囲で、他者への貢献や、人類の普遍的幸福に関心があり、可能な範囲で貢献する。
⑨ 不必要に見栄を張らない

まだあるかもしれませんが、こういう共通項目を感じます。この一つ一つをとって検討していくと、また長くなりますので、詳細は割愛したいと思いますが、この中の①について、私自身の例を挙げてみたいと思います。

■ 偶発的な出来事から生まれた発見(セレンディピティ)

科学の世界には、全く当初の意図とは異なった偶発的な出来事から、世紀の発見につながることがあり、これをセレンディピティと呼びます。

例えば、宇宙からの信号を解析していた時に、常に雑音が混じることに悩まされ、毎日のように電波望遠鏡の、ハトの糞を取り除いていたそうですが、どんなにきれいにしても、雑音が混じる。

しかし、のちにこの雑音は、原初の宇宙から放たれたマイクロ波であることを突き止め、ビッグバン直後の宇宙の状態を解析することに成功します。いわゆる、宇宙マイクロ波背景放射の発見です。

宇宙マイクロ波背景放射

他にも。割れないガラスや、コカ・コーラ、電子レンジも、意図せぬ偶然の出来事から発明されたものです。

■ アルティメット・シンクロバンドのコアロジックの発見の話

インジケーターによる値動きの方向と、ある程度の継続性両方を検知する方法には限界があります。物理的には、ある時間足においてSMA1がSMA2を上に追い抜いたら上、下に抜いたら下へと値動きが動いたことはわかりますし、最速の検知のはずです。これより早く正確に検知することは普通に考えると無理です。

ところが、こういう判定方法では、レンジ挙動に入るとコロコロと上下が入れ替わり、非常に使いにくい。また、上下以外の値動きの勢いの強弱もわかりません。

そこで計算式の異なるインジケーターを組み合わせ、その位置関係や挙動の違いで検知する方法を採用していたのが「DCPアルティメット」という、複合オシレーター使用法でした。これはまあまあいい線行っており、ユーザー様からも絶賛の声を多数いただいてきました。

しかし私は内心不満だったのです。

何が不満だったかというと、同じシンクロ状態でも値動きがすんなり伸びていく時と、さほど伸びない時がある。その違いを検知したかったのです。
※これがわかることにより、建て玉をホールドする時の安心感が異なります。

■ 発見のきっかけは偶然、思いがけない時に訪れた

結局、ツールとして実用化するにあたっては、ロジックの発見から2年を要したのですが、ロジックのコアの発見はサインツールの開発にあたっていた2021年の10月でした。

この時期、サイン作成のために、様々なインジケーターやオシレーターを組み合わせては、ロジックを考え、プログラムを書いてもらい、インジ化し、12ペアのチャートにはめて、挙動や不具合の確認をして、改訂するという作業を繰り返し、バージョン改定は87回に及びました。

凡そ4カ月、一日10時間以上チャートとにらめっこの生活。ほとんど基地外です。

そんなある日の深夜、仕事を終えぼーっとサーフィンの動画を見ていました。アマゾン川で水流が逆流するボロロッカという現象が起きた時、そこでサーフィンをする動画です。

なにげに、こういう定常と異なる振る舞いが「特異点越え」というんだよなあ。インジケーターが普段と異なる動きをするってあるのかなあ?
と、ふと思い、何気にいろいろ試すと、まさかまさか、信じられない現象を発見したのです。(詳しくは書きません)

常識外れずぎて、相方のプログラマーさんも最初信じようとしませんでした。私がついに頭がおかしくなったと思ったらしい。まあ普段からおかしいかもですけど・・・('◇')ゞ

シンクロバンドそのものは、その2年後その現象の可視化に成功したのですが、ロジックの原理は、この時偶然に発見されたのです。

しかし、ただの偶然と違うのは、私がテーマを持って普段から追及をしていたからこその発見でもありますね。

このように、その場で解決できない事も、粘り強くテーマを持って取り組んでいくことが、のちの偶然や幸運につながることもあるという事は、知っておいていいでしょう。

■ 人との縁や偶然の出会いを大切にする


ほんとに感謝いっぱい、ありがとうという気持ちになるはず

もう一つ大事なのは、人との出会い、「縁」です。

■ 私の場合の幸運 

この会社を設立する前に、独自のオシレーター複合使用法「DCPアルティメット」を電子書籍で販売しており、100名を超える既存ユーザー様がいらっしゃり、既に高い評価を頂いていた事、次に、その売り上げによる収益を、新たなツール開発費用(事業設立費用へ再投資するお金)とすることができたことが、ありますが、
なんといっても、インジケーターやEAを開発するにあたって、プログラミングを全面的にお願いできる、プログラマーさんと知り合えたことです。

勿論ただでお願いするわけでなく、製品の売り上げの30%⇒40%をお支払いしていますが、これは僥倖ともいえる出会いでした。

① システム開発会社の現役プロのSEさんであった。
② 個人的に投資もされており、EA開発も10年の経験があった。
③ こちらの話をきちんと理解し、トライされようとする、言語理解力と行動力のある方だった。
④ 遵法精神を持ち合わせ、契約に基づいた取引を望まれる方だった。
⑤ 互いの事情を、ある程度忌憚なく共有できる方だった。

仕事のパートナーとしては、まさに理想的ですし、この出会いがなければ弊社の立ち上げを考えもしなかったと思います

ここで大事なのは、良縁というのは、最初から相手に見返りを求める事を目的にした人間関係の中では生まれにくいという事。利害で始まった縁はしょせんは利害関係が解消すれば、無くなってしまう程度の縁です。

私の場合、プログラマーさんが、私のPDFに「実名が出てるけど大丈夫ですか?」と心配してDMをくださったのです。それがきっかけで色々話が進み、さらに個人的な事ですが、お嬢さんが治療が困難な進行性の難病にかかっているそうで、進行を遅らせるための治療や手術に毎月かなりのお金がかかるという事をお聞きし、少ないなりにも何か手助けできないかという事で始めたのが、サインツール作りの一つのきっかけでもあります。

時々、Xで、特に絡みもないのに上から偉そうなDMや、リプをしてくる人がいますが、そういう人は、実はビジネスをする上での基本中の基本ともいえる、人とのつながりや縁を大事にするという姿勢から根本から外れているわけですから、何かしらグレーな事をして一時的に儲ける事はあるかもしれないですが、長きにわたって、社会にちゃんと顔向けできるビジネスを行う事は、まず難しいのではないでしょうか?

そういう意味で、前述④の、他人を意図的に、しかも能動的に攻撃したり、非難したりしない。という姿勢を普段から保つことも大事かと思います。

④ 税務会計、財務の知識も少しづつ勉強する 

特に初めて創業し、会社を運営する人にとって、役所関連の手続きはわからない事だらけだと思いますし、複雑な法人の会計や、法人確定申告等は、手に負えないように感じるかもしれません。

そこでいろいろな専門家に頼むのも一つの手ですが、余裕があるならばともかく、費用もかなり掛かります。

しかし現在は、会計freee、マネーフォワードや弥生会計などをはじめとする、クラウド会計サービスも充実しており、かなりのことが自分でできる時代です。

もう一つ大切なのは、自身の手で取り組むことにより、会計、税務、財務についての知識を少しづつ付けておくことは、将来会社が成長した時にも役に立つという事です。

あまりにも複雑で手に負えない業種であるならば、素直に専門家に任せた方がいいと思いますが、特に初期の頃は出来るだけ自分自身の手で、経営のバックヤード業務を行う事は、自身の成長にもつながるのではないでしょうか?

まだまだあるかもしれませんが、以上ささやかながら、今後、独立起業しようかなあと考える人への私からのアドバイスとさせていただきます。

もし、将来、独立起業するような機会があり、相談したいことや質問があれば、遠慮なく連絡をお寄せください。


































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