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シャッタースピードを測りたい

普段使っているカメラが
・古い
・ジャンクからの修理品
・とにかく酷使されてきたであろう機械
という三拍子揃っている子たちが多いんですが、心配になるのが

「これシャッタースピード本当に大丈夫?」

という点です。
カメラ側の設定で1/500秒とかに設定していても、実際には1/100秒でしか動いてなければ、露出オーバーの写真になってしまいます。

それは困るのでシャッタースピードを測ってみたい、という衝動に駆られました。

そこで、まずは机の上にあるモノをかき集めて何とか出来ないか検討開始。
・Arduino:モノづくり男子の必需品。当然ある
・ブレッドボード:同上
・光を検知する何か:たまたま過去に買ってたフォトコンデンサーがある
・測定結果を表示する何か :16文字x2行の液晶が落ちてた
・抵抗:工具箱に300Ωの抵抗が転がってた
・ガワ:3Dプリンターがあれば、大抵何とかなる
ということで、コレだけあれば何とかなるだろう、といつも通り見切り発車で作り始めます。

ネット上には先人たちの経験が蓄積されているもので、Arduinoで動作するプログラムだったり接続した状態の写真などが公開されてました。
その辺の情報を参考にしてゴリっと接続します。

ごちゃごちゃした配線です

写真で獲るとこんなごちゃごちゃした配線ですが、図にすると

右端にあるダイオードっぽいのがフォトコンデンサです

こんな感じになります。

使用しているLCD(16文字x2行の液晶モジュール)は、I2Cモジュールを使ってピンを4本使います。
VCC…5V電源に接続
GND…GNDに接続
SCL…ArduinoのA5ピンへ
SDA…ArduinoのA4ピンへ
という具合で接続します。
SCL、SCAはプログラムで接続ピンを定義しますので、別ピンでも良いと思います。

上の写真で、下方向に伸びている白と紫の線がフォトコンデンサに繋がっています。
白が短いピン、紫が長いピンに接続されてたと思います。
紫…ArduinoのA6ピンへ
白…Arduinoの5Vへ
という接続です。

で、このフォトコンデンサですが、テスターでチェックしてみたところ、
「明るいと抵抗値が小さくなり、暗いと抵抗値が大きくなる」
というものなようです。

なので、このフォトコンデンサを5V電源とA6に接続して、A6ピンにかかる電圧(電流?)を測定します。
アナログピンの分解能は1024段階で、電圧を1024段階で測定することが出来ます。
フォトコンデンサは明るいと抵抗が小さく、暗いと抵抗が大きくなりますので、A6ピンで得られる値は「明るさに比例して大きくなる」という性質のものになります。

プログラムの基本動作原理は
・一定以上の明るさを検知=A6ピンから読み取れる値が一定以上になったら、シャッターが開いたと判断しmicros()関数でシステムのタイムスタンプをマイクロ秒単位で取得(StartTime)
・明るさが一定以下になった=A6ピンから読み取れる値が一定以下になったらシャッターが閉じたと判断し、micros()関数でシステムのタイムスタンプをマイクロ秒単位で取得(EndTime)
・EndTimeからStartTimeを差し引いた値(シャッターが開いてから閉じるまでの時間。マイクロ秒単位)を計算(Duration)
・計測値をミリ秒単位になるよう計算して表示
・計測値から「じゃあそれって何分の一秒なの?」を計算して表示
といった具合です。

で、色々ごちゃごちゃと作業をして、ゴリっと作ったのがこちら

ピラミッド状になっている上部の真ん中にフォトコンデンサが配置されてます。
USBで電源を供給し、電源がONになったら自動的に待機状態になり、シャッターを動作させて一定以上の強さの光を検知したら自動で計測してくれます。

テストは手持ちの古いカメラ、FED2を使って行いました。
また、他にもPENTAX SPやRollei35でも行いましたが、おおよそカメラ側のシャッタースピード設定と測定結果の数値は納得できる程度のものになっています。

実際に測定してみて、カメラの設定と測定結果が大きく離れているものもありましたが、じゃあ修理するかと言ったら殘念ながら出来ません。
ただ、
「たしかこのカメラは、高速シャッターが遅くなってるんだっけ」
といったポイントを把握出来るので、撮影の時に気をつける、といった程度です。

毎度
「そんなの作ってどうすんの」
というおもちゃを作っていますが、今回もなかなかおもしろいおもちゃになりました(`・(エ)・´)b

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