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怒気ピラフ?


 今日の仕事帰りの電車は、なぜかいつも以上に混んでいた。
 渋谷駅に着くと、電車も悲鳴をあげそうなくらいに、大量の人が押し寄せてきた。芋洗いを超えて、もはやマッシュポテト状態だ。荷物か何かが挟まったのだろう、何度かドアの開閉をしてからなんとか電車が出発。

 明らかに電車が遅れた理由は駆け込み乗車をする客なのに、社内アナウンスで謝罪をする車掌さん。しかも遅れたのはたった2分。そんなの、時差レベルじゃないか…
 でも、実際自分が車掌さんになったら、きっと謝ってしまうような気もする。なんだか解せない。

 電車内も、気に入ったスペースを確保したがる兄ちゃんに、意地でも本を開くおじさん。自分は座れたからそれで良いのに、立っている人たちの押し合いへし合いを、そわそわキョロキョロと見渡す奥様。比較的小柄な私は、時折足が釣りそうになりながら、身体を斜めにして踏ん張っていた。
 おまけに電波の悪いこと。これじゃ、ポッドキャストでお勉強もできない。
 イライラをつのらせると、犯罪者になりかねないというのは言い過ぎだとしても、無駄に体力を消耗してしまうので、ここは海藻になったつもりで漂おうと努める。ふわふわ、ゆらゆら…これはなかなかハードだ。お腹も空いている。やっぱり、ぴこぴこハンマーを手にしたい気持ちだ。

 やっとの思いで帰宅したものの、なんだかモヤモヤした思いを抱えながら作ったピラフがこちら。

カレー味にも見えるけど違うよ


 お目汚し失礼。念のためしつこく説明しておくと、これはピラフです。
 具材は、生米、鶏もも肉に人参、ピーマン、玉ねぎ、そしてトマト。
 トマト以外の具を炒めたら、お湯とお酒、トマトを入れて蓋をし、弱火で20分。味付けはシンプルに塩のみで、食べる直前に胡椒とレモン汁をたっぷりとかけた。

 一応、レシピ通りに作ったんだけど、見た目が想像を絶していた。
 食べてみると…見ての通り、おこげ多め!奥歯にくっつきやすいけど、思ったより味は美味しくて安心。弱火でじっくり煮たからか、鶏肉も柔らかい。あんなに少ない調味料でも充分美味しいんだと、少し大人になった気分だ。

 だけど、気持ちが落ち着かないまま作ったから、こんな見た目になってしまったのだろうか。料理にも、なんだか申し訳なくなった。
 仕事終わりと空腹とでイライラしてしまうのは仕方がないけど、自分自身と食材のためにも、深呼吸して台所に立とう。今度は、一杯温かいココアを飲んでから作ろうかな?
そんな学びもあった、本日の晩ごはん「おこげピラフ」でした。

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