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【社説比較】各新聞社は都知事選をどう捉えたのか

都知事選の結果を新聞各社はどう受け止めたのか?各社の「本音」を比較してみた。

事件や情勢の解説記事となることが多い社説ですが、その論調やスタンスは新聞各社により異なります。
メディアリテラシーの重要性が叫ばれる昨今。
各社の社説を比較することは、情報を客観的に判断し取捨選択する力をつけることができる絶好の方法と言えます。また、選挙結果を受けた社説では政策に対する各社のスタンスを比較的明確に知ることが出来ます。
(今回は朝日・産経・毎日・読売・東京の5紙の社説比較を行っています。)
コロナ禍における東京都知事選の結果を受け、新聞各社はどのような社説を掲載したのでしょうか。
社説本文は、各新聞のデジタル紙面版でお読み下さい。
※日経新聞は全国紙ですが、記事閲覧に登録が必要という観点から除外してます。
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朝日新聞:小池氏再選 求められる説明と実践
2020.07.06

求められるのは都民の生命、健康、くらしを守ることを最優先に、山積する課題の解決に向けて地道な取り組みを重ねることだ。豊洲市場問題を始めとして何度か目にしてきた、聞こえのいい言葉だけで実行を伴わない政治は願い下げだ。

今回の選挙が盛り上がりに欠けたとし、2期目の小池都政を取り巻く環境が厳しいものであると指摘しました。中でも最大の課題としてコロナ対策をあげ、これまでの小池氏の政策に触れながら、東京版CDCの詳細や感染第二波への対応、東京五輪実施の有無など都民への説明が足りないとし、丁寧な説明が必要だとしました。また、1期目の小池都政を「聞こえのいい言葉だけで実行を伴わない政治」と評価し、次の4年間で具体的な成果を残すことが重要だと主張しました。

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毎日新聞:都知事選で小池氏再選 地に足着けて問題解決を
2020.07.06

急速な高齢化への対策や首都直下地震への備えなど都政の課題はほかにも山積している。問題を提起するだけでなく、その一つ一つの解決に地道に取り組むべきだ。

小池氏の勝因を知名度と現職の強み、そして野党統一候補が擁立できなかったことによる批判票の分散と分析しています。2期目の最優先課題はコロナ対策の強化だと主張し、東京アラートの廃止理由や今後外出制限や営業自粛を求める可能性があるかなどについて説明する必要があると述べています。最後に小池都政1期目を「パフォーマンスに成果が伴っていない」と批判し、2期目は問題を提起するだけでなく、その一つ一つの解決に地道に取り組むべきだと主張し、結びました。

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読売新聞:小池知事再選 首都の活力維持に課題は多い
2020.07.06

経済を萎い縮しゅくさせずに、感染の拡大を防ぐという難題が待ち受けている。地に足の着いた施策を遂行して、都政を率いる重責を引き続き果たしていくことが求められる。

今回の選挙は無党派層や野党の支持層にも支持が浸透したことによる圧勝だとし、中長期的な課題は山積しているものの目下の課題として感染症対策を取り上げ、「医療提供体制の充実」や企業支援を国や市区町村との連携を取り行わなければならないと主張しました。また、期日前投票所を増やすなどの感染症対策を行い、投票の環境を整えた意義は大きいとする他紙にはない評価も行いました。最後に東京の人口減少、高齢化に言及し小池氏に「首都の活力を維持し、暮らしやすい街づくりを進めていかなければならない」と結びました。

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産経新聞:小池都知事が再選 感染防止が最優先課題だ
2020.07.06

首都東京の知事には、日本全体の社会経済活動を復活させる牽引(けんいん)役としての役割も期待される。小池氏はそのことを銘記し、魅力ある東京の街づくりに全力で取り組んでもらいたい。

五輪開催や防災対策などの重要ではあるが、コロナの感染再拡大が懸念される中でまずは、「感染防止の具体的な戦略を早急に示し、足元の危機に適切に対応することが重要」と主張。また、小池氏の掲げた政策にはおおむね賛同するものの、前回都知事選における公約がほとんど達成されてないとし、「同じ轍を踏むことなく実現させることが重要である」とくぎを刺した。最後に、東京都知事には「日本全体の社会経済活動を復活させる牽引(けんいん)役としての役割」があるとし、コロナ禍においても魅力ある東京をつくるため全力で取り組んでほしいとしました。

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東京新聞:小池都知事が再選 新しい社会への一歩を2020.07.06

新型コロナウイルスと共存する時代を見据え、未来へ踏み出すグランドデザイン(全体構想)をどう描くのか。首都のかじ取り役の使命は重い。

今回の選挙結果をこれまで3代にわたって都知事の辞任が続いたため、「都政の混乱に終止符を打ちたいと有権者が望んだため」と評価しました。小池氏の主張する経済活動と感染抑制の両立は困難であると評価し、財政調整基金をほぼ使い切り、大規模な現金給付ができない中で、長い戦いが続くとしました。また、五輪実施の問題にも着目し、小池氏のこれからの数か月の対応や発信がすべてを左右すると主張しました。最後にコロナによって社会変化が明確になったとし、小池氏の尊敬する政治家である後藤新平氏を取り上げ、100年後を見据えた都政の未来図を示すという、社会への大ぶろしきを広げてほしいと結びました。

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総括

いかがだったでしょうか。小池都知事の当選というのは事実としてありますが、新聞社によって当選をポジティブに伝えている社もあればネガティブに伝えている社もあります。各社の小池知事へのスタンスを把握したうえで今後の報道を見ると、新たな発見もあるのではないでしょうか。
(文責:池邊)
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