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戯れる男たちが好き

あなたは腐女子ですか?
と聞かれたら、迷わずノーと答える。
中学時代に、BLというジャンルが存在することを知った。
男と男の恋愛モノに、クラスの友人がハマっていたが、私はあまり惹かれなかった。
BLを貶したり、同性愛を批判するつもりは一切ない。
ただ、昔からマンガやドラマの世界にどっぷり浸かっていたため、恋愛するなら男の子!という気持ちが強く、女の子が男の子に惹かれ、男の子が女の子に惹かれる構図が、自分の中で、恋愛としてのスタンダードな形になっていた。
恋愛するなら男の子、と思っていた。
そして、思春期の自分にとって、女の子が男の子と仲良くしている、という構図が心底羨ましかったのかもしれない。

しかし、ボーイミーツガールが恋愛のひとつの形としても、ボーイミーツボーイ(と似て異なる、絆の形)の輝きを、思春期の私は知っていた。
とはいっても、恋愛とは違う、『男の友情』『仲間意識』ってやつだ。
女の子特有の『うちら友達だよね』という、ねっとりとした、束縛のような付き合い方ではなく、底抜けに明るくて、さっぱりとした、じゃれ合いながら、時々お互いを尊重しながら、育む絆に憧れていた。(男の子の人間関係も、女子のように、もつれがあったりなかったり、という事実を知るのはまだ先のお話)
実を言うと、男の子とうまく話せない自分と、男の子と仲良くできる《推し》をすり替えて、自分の世界で満足した気になっていたのかもしれない。
女の子が男の子と仲良くしている姿は憧れだが、男の子の前だと急に引っ込み思案になる自分と比べて情けなくなる。
だから、男の子と男の子の絆に惹かれたのかも。
今回は、そんな男同士の戯れを私の推し歴史と共に紐解いていこう。


レッドシアター

私が小学校高学年から中学生まで、水曜夜10時から放送していた、コント番組。
今より確実に平和で、しかし味気ない日々を彩っていたのは、間違いなく当番組である。
MC内村光良、はんにゃ、しずる、ロッチ、フルーツポンチ、我が家、ジャルジャル、狩野英孝、柳原可奈子と、豪華なレギュラー陣が、豪華なセットでコントを繰り広げる。
私は我が家が大好きで、地元のイオンモールでの単独ライブにも行ったほどだ。(二度も!)

リアクション芸人・こんにちは根岸や狩野英孝のナルシストキャラが派生したイケメン部など、当番組から誕生したキャラも豊富で、最終回ではウッチャンも参加する『天使と悪魔と小柳』でレギュラー全員でステージに立った。
『天使と悪魔と小柳』とは、自分の中で天使と悪魔が葛藤する、というのはあるあるだが、そこに小柳という謎のポジションの人物が登場するという名作である。
『新しいカギ』と違うのは、撮影セットかステージ上でネタを披露するかの違いだろうか。
あくまでも《シアター》として、観客、ゲスト、ウッチャンにお披露目する番組だった。
ネタパレのセットが豪華版、と言ってもいいかもしれない。

彼らがステージ上で全力でコントしたり、エンディングで和気あいあいとトークしたり、そんな姿を見るのが好きだった。
特に覚えているのが、ジャルジャルが大阪から東京まで、自分たちの運転で車を走らせる上京の企画。
最後に東京のスタジオにゴールし、みんなで抱き合うシーンが忘れられない。
《芸人さんが楽しそうにしている姿》を推す、自分の中で元祖といえよう。

男子高校生の日常

高校に入学し、思春期全盛期を乗り越えつつあった頃。
生身の男子というものをさほど知らずにいたあの頃。
アニメ『男子高校生の日常』で、『男子ってこういう生き物なのか!』と勉強した気になっていたあの頃。
タダクニ、ヒデノリ、ヨシタケの3人の日常と、それを取り巻く人々のゆるい物語である。
RPGごっこをしたり、妹の下着を盗んだり、と二次元ならではの世界とはいっても、『男子って楽しそうだな』と思春期なりに憧れを抱いたものだ。
当時、『唐沢としゆき』というキャラクターが好きで、ここでも《推し》を推していた。
(なんで推してたんだろ。タダクニの妹が唐沢さんが好きという回があって、わかるー!って共感したんだよな。にしても、なんでだろ。いちばん面白いのはヒデノリだけど。)

東海オンエア

だんにち(男子校生の日常)にどハマりして8年後(急に時駆け抜けました)思春期という暗黒時代から霧魔を抜け、男の子とお付き合いすることを覚え、別れも覚え、男の子と話すことにそこまで緊張しなくなり、生きやすくなった反面、社会に出ることで、働くことが人生の軸となり、また新たな生きにくさを覚えた頃。
恋愛にうつつ抜かし、《推し》より目の前の男の子のことばかり考えるようになった頃。
久しぶりに、《推し》という存在が、私の中で大きくなる。
もちろん、ここに至るまで他のアイドルや芸人や俳優を好きになってきたが、違ったのはその熱量、そして《男が戯れる姿》が、尊いという点。
私のnoteで何度か紹介してるので、説明は省きます。
言わずと知れた、超人気グループ系YouTuberである。
彼らの魅力は、《彼らが超仲良し》であること。
虫眼鏡以外は高校の同級生であり、(虫眼鏡はてつやのバイト先の先輩)休み時間の延長のようなだらだらとした戯れが動画の中で輝きを放つ。
そして、ジャニーズのようにここの組み合わせが好き!という推しポイントもある。
例えば、しばりょう。(しばゆー×りょうくん)
高校時代の同じクラスメイトで、りょうくんがしばゆーをおもちゃにしている(たまに逆もあり)点が世の女性のハートを掴んで離さない。
そして、ゆめとし。(ゆめまる×としみつ)
高校時代は接点がなかったそうだが、末っ子のような2人ののほほんとした空気で、人気急上昇のコンビである。
(ちなみに、私はしばとし、虫しばが好き)
彼らに出会い、私の人生変わったんじゃないか、というくらい、《推し》が日常にきらめきを与える素晴らしさを、痛いほど感じている。
大好きで、動画を見るだけでなく、グッズを集めたり、ファンレターを書いたりと、恋愛とは違う楽しさを再び味わっている。
仕事も大切、人間関係も大切。でも、他の何かに没頭することも、同じくらい大切だと思う。
彼らが、その大切さを教えてくれた。


男は、男と仲良しであればあるほど、かわいい。
好きな人には、特にそうであってほしい。
思春期、社会人、と決して平坦ではない道を歩んできた私の人生には、仲良しな男達の姿があった。

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