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誰の心の中にもいるヤバいやつ

noteから、そろそろ更新しませんか?と催促がきた。(酷い乱暴な言い方だ。今月中に投稿すれば、17か月連続で投稿したことになるので、ぜひ!といった前向きなアナウンスだった。)

更新していないと、文章を書くということに対してのハードルがグッと上がる。
転職をして、本を読む量が増えた。
月に2冊読めたらいい方だったが、今月は5冊読み終えた。
くどうれいんさんの新作は、1日で読み終えてしまった。なんでこんなにも、自分の感情を訴えることが、歌うようにできるのだろう。
山﨑ナオコーラさんの恋愛ものにも久しぶりに出会えた。多種多様な恋愛模様を、彼女の視点から切り開いていて、これこそまさに令和の恋愛小説だ!と唸った。

しかし、インプットだけではもちろんいけなくて、アウトプットも必要だ。勉強と同じ。

インプットが読書ならば、アウトプットは、自分にとっては、執筆なのである。
自分の感情コントロールがうまくできず、彼や家族に支えてもらいながら、この1か月を乗り切ったが、また、以前のように、肩の力を抜き、日記を書くように、ノルマなんて思わず、私の話を聞いて!といったテンションで、投稿していきたいと思います。

まず今回は手慣らしに、最近ハマったアニメが最終回を迎えたので、その感想を。

《僕の心のヤバいやつ》
中二病を拗らせた、隠キャな主人公・市川は、美少女でモデルとして活躍している陽キャクラスメイト・山田の殺人計画を企んでいる。
しかし、それの計画の根本にあるものは『好き』という感情である、、、ことに市川は最初は気づかない。
よくある、隠キャが陽キャとくっつくありえないラブコメでしょ?と思ったそこのあなた。
この作品は、一味違う。
何が違うって、中学生という多感な時期の繊細な感情の動きをひとつひとつ魅せてくれるところだ。

この話の面白いところは、『市川くんが山田に惹かれていく』のではなく『市川くんが山田を好きだと認めていく』過程を丁寧に描いている点だろう。
『僕の心のヤバいやつ』の『ヤバいやつ』は、恋愛感情に気づかない市川くんが、自らの心の中に潜んでいる、得体の知れない感情に戸惑い、どう扱えばいいかわからず、これが恋なんて最初は思いもしない、という意味だ。

私が好きなシーンは、数えきれないほどあるのだが、やはり3話のラストシーンだろう。
体育の授業中、クラスメイトが投げたバスケットボールが山田の鼻にぶつかり、鼻血を出してしまう。
意図的ではないし、大事には至らなかったものの、モデルという職業柄、鼻を怪我することは仕事に大きな影響を及ぼす。
その悔しさに、保健室で涙を流す山田に、こっそり尾行した市川くんは思わずもらい泣きをしてしまう。(尾行している点も、側から見たら、ヤバい。そのヤバさに市川くんは気づいている。そして、あまりにも気掛かりで、コントロールできないのである。これが、恋のヤバさである。)
3話のタイトル『僕は抱きしめたい』も、これまた絶妙だ。一方的な感情の押し付けではなく、『守りたい』という今まで感じたことのない感情が芽生える、市川くんの成長が窺える。

市川くんは、普段感情的にならないし、涙脆いタイプでもない。
しかし、涙を流したということは、それほど山田を想っている、ということだ。
顔が可愛い、スタイルがいい、明るい、、、そんな表面上を見て、市川くんは山田を目で追うようになったと思う。自分にはないものばかり持っている山田。
しかし、この一件で、山田の真摯に仕事に向き合う姿勢、つまりプロ意識、そこも、自分にはない一面だと知り、引き込まれていったのだ。
『山田は、僕らなんかより、ずっと大人なんだ』
そう心の中でつぶやく市川くん。
君もずっと大人だと思うよ。

昼休みの図書室で、自然と距離が縮まる2人。
山田という女の子もとても憎めないやつで、天然たらしに見せかけて、市川くんの何気ない言動で顔を赤くしたり、はしゃいだりして、私こそ、山田を抱きしめたくなる。25の女だけど。

本作品、2期の放送が決定しているそうだ。
『まだ』お付き合いはしてない2人。
『まだ』友達の2人。
『とりあえず 今は』友達の2人。
心穏やかに、見守りたいものだ。

何回と、恋愛を経験したとしても、誰でもはじめてはもちろんあったわけで。
そんな、はじめての頃は、誰しもが市川くんのように、恋愛の右も左も知らず『ヤバいやつ』を、どう扱うか必死だったのだ。
誰だって市川くんだったし、今現在、市川くんの人もいる。
恋愛に行き急ぐ必要はないのだから、ヤバいやつを飼い慣らす必要もないから、ヤバいやつを、優しく抱きしめてあげてほしいと、あの頃の私に伝えたい。

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