田舎に住む人の土地や地域の人への愛着の強さについて考える②

田舎に住む人が自分の土地を深く愛しているのは、自分たちが住む土地は、自分達が「生活」するために必要不可欠なものだからです。
田んぼも畑もなかったとしたら、お米や野菜を育てることが出来ず、生きていくことが困難になるでしょう。

アイヌやマタギなど、狩猟的な生活をしていた人たちにとっては山をはじめとした自然が、生きていくために必要不可欠なもので、そのことと同じことだと思います。

土地などと同じように、田舎に住む人たちが地域のつながりを大切にするのは、生きていくのに必要なつながりだからだと思います。

自分の実家近くでは地域の人とのつながりが濃密で、何かあれば地域の人たち同士で助け合うという文化があります。
野菜が多く取れれば分け合うし、近所の人の通院をサポートしたりもします。助け合い、共助の中で暮らすことが当たり前の世界なのです。

都市部でもこのような繋がりは一部残っているとは思いますが、周りに住んでいる人との関係が希薄で、個で生きる必要のある都市部の生活のそれとは大きくかけ離れたものと思います。

ただ、地域の人を大切にするといっていますが、関わりが強いあまりの摩擦や軋轢は多々あります。ひとたび悪い噂が広がれば、あっという間に地域の人の耳に届いてしまうということもあります。
また、つながりの強弱も存在し、特に親・兄弟との血縁関係にある人達は大切にする傾向があります。
血縁関係が薄いと近所に住んでいてもあまり関わりがない家も存在します。

最近はその地域の繋がりが薄くなってきたということも親が話していました。自分の田舎は小規模の地域のまとまりを作り、「むじん」という集まりを行なって繋がりを密にしていました。
集まりの中で地域の運営に関して役割分担をしたり、参加した人がお金を出し合って、その時お金が必要な人に渡すという経済的な支援をしたりしていました。
その「むじん」が最近行われなくなったそうです。
背景には少子高齢化によって参加する人が少なくなり、高齢化してきたこと、お金を出し合うことが負担になる人が増えてきたことがあげられるようです。

田舎に住むメリットとして、地域の人と助け合って生活できることが挙げられると思いますが、今はそのことが難しくなってきているのだろうと思います。これには社会の変化が大きく関わっており、そのことで田舎に住む人たちの内面も少しずつ変化しているのかもしれません。

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