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人口減少地域に生まれ育つということ(4)高齢化

私は東北地方の人口減少地域で生まれ育ちました。
「人口減少地域に生まれ育つということ」シリーズでは、自分の経験を記すことで、現在人口減少地域に住む子どもたちにとって何かしらのヒントになるといいなと思っています。

自分が生まれた地域は子どもの数が少ないのですが、大人達はある程度の数がいました。特におじいちゃんおばあちゃんは結構いて、70、80のおじいちゃんおばあちゃんも元気に農作業(畑や田んぼ)をしていました。
うちにもおじいちゃんおばあちゃんがいました。というか、自分が生まれ育った地域は親子3世帯同居が当たり前で、大体両親は共働きで日中いないのでおじいちゃん、おばあちゃんが子どもの世話をしている感じでした。
ちなみにわたしが小さい頃はひいおばあちゃん、ひいおじいちゃんもいたので、私は主にひいおばあちゃんに育てられたらしいのです。(いったいひいおばあちゃんは何歳だったのか、果たして私はどのように育てられたのか謎が深すぎて(怖くて)訊けません、、、)

両親は私が小さい時から働きに出ているので、日中は大体おじいちゃん、おばあちゃんと過ごすことになります。一緒にいる時間が長かったからか、私は生粋のおじいちゃんおばあちゃん子で、よく2人とおしゃべりをしたり、2人のお手伝い(農作業)をしたり、一緒に買い物に出かけたりしていました。
おじいちゃんおばあちゃんと過ごすと話題が大体決まってきて、畑のこと、近所の噂話、昔話、昭和に流行った歌を一緒に歌うなどが多かったです。
私はこんな風に昔の話を聞いたり、昭和の歌を歌うのが好きでした。
ただ、あまりにおじいちゃんおばあちゃんといすぎたからか、周りの子たちとすこしズレて育ってしまった感があります。
最近の流行より昔の歌のほうが馴染みがあったり、昭和時代に生まれたかった(たぶんおばあちゃんが、昔の時代は良かったとしきりに言っていたので)などのことを思うようになりました。
またおじいちゃんおばあちゃんは基本的にやさしいので居心地が良すぎて、同世代の形の殺伐とした感じに合わせられなかったのもあるかもしれません。
おじいちゃんおばあちゃんといる時間も大切にしつつ、友達や同世代が好きなものにも関心を持つことが大切だと思います。

<人口減少地域の子どもたちへのメッセージ> 
もしかしたらみんなもおじいちゃんおばあちゃんと過ごす時間が多いかもしれない。近所にもおじいちゃんおばあちゃんがいて、親しくしてくれるかもしれない。それはとても良いことで、お年寄りを敬うことはとても大切なことです。
ただ、おじいちゃんおばあちゃんとずっと一緒にいると頭の中がおじいちゃんおばあちゃんと同じような考え方になってしまうかもしれない。「昔の方がよかった」なんて言い出すかもしれない。でもそれは君は体験していないこと。君は平成に生まれ令和に生きる新しい世代だから、おじいちゃんおばあちゃんと過ごす時間は大切にしつつ、それ以外の広い世界のこと、例えば最近流行ってることとか、ニュース、自分の好きなことを深めるでもいいし、様々なことに興味を持てるといいね。
頭の中までおじいちゃんおばあちゃんみたいになってしまわないように気をつけること!

<人口減少地域の大人の方へ>
周りに大人とくにおじいちゃんおばあちゃんが多く、その人たちと過ごすことが多い子どもたちは感性もおじいちゃんおばあちゃんに似てくる可能性があります。関わる人が限定されるとそれだけ世界は狭まってしまうので、おじいちゃん、おばあちゃん以外の大人とも関われるように、親をはじめとした大人も意識して関係を作っていきましょう!



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