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災害時の口腔ケア(#8)

こんにちは!yumikoです。


九州、そして岐阜・長野・・・広い範囲で爪痕を残した今回の豪雨災害。。被災された方々へこころよりお見舞い申し上げます。。。

3年前の7月5日、50年に一度とか100年に一度といわれた九州北部豪雨災害が発生。わたしのふるさともその災害で被災しました。

(最近ではもう毎年・・・ですね)

水の勢いのすごさ、自然の脅威を感じました。

被災した直後は姿を変えた目の前の状況をただただ受け入れるしかなく、恐ろしいとか不安とか感じる余裕もなく、正直なところ無感情でした。山から流れてきた土砂や大木を必死にかきだす毎日。日が経つにつれ、だんだんと身の回りに何が起きたのか・・・という全体像が見えてきたときに、ぶわっっっ・・・となんとも言えない感情が沸きあがってくるのを感じました。

雨が降るたびに思い出してしまいます。

ニュースの映像やSNSでの投稿など、荒れ果てた町や村の姿を目にするのはほんとにつらいです。。。

避難所の生活もかなりストレスフルです。しかも、今回はコロちゃんの影響もあり、余計に神経をすり減らすような環境での生活を強いられている方も多いと察します。

すでに心身共に疲労がたまっていらっしゃることととおもいます。

こんなときですが、こんなときだからこそ、体の健康を損なわないようにしていただきたいと切におもいます。


食事もまともに摂れなかったり、お風呂や歯みがきなども十分にできなかったり、栄養面や衛生面での問題が出てきます。

今回は災害時の口腔ケアについて、お話したいとおもいます。


■お口の環境とリスク■

被災後の不規則な生活、睡眠不足、栄養状態の悪化などに加え、お水が十分に使えず、歯みがきやうがいがなかなか難しくなり口腔衛生の状態も低下してしまいます。

お口の中の細菌が増えてしまうと、むし歯や歯周病のリスクがあがるだけでなく、肺炎やインフルエンザ、風邪などの呼吸器疾患も起こしやすくなります。

とくに高齢者の方は、誤嚥性肺炎を起こしやすくなるので注意が必要です。

*誤嚥性肺炎・・唾液や食物、胃液などが気管に入ってしまうことによりそれらに含まれる細菌が気管から肺に入り込むことによって起きる肺炎


■どのようにケアしたらよい?■

お水が十分にない、歯ブラシやケア用品がない、などの環境の中で口腔衛生を保つことは難しいかもしれませんが、上記のリスクを回避するためにもできるだけお口の中を清潔にして乾燥を防ぐことが大切です。

【うがいの水が十分にないとき】

歯みがきペースト(歯みがき粉)は使わない方がよいです。使わなくても歯垢は落とせます。歯ブラシを少量の水でしめらせ、随時歯ブラシの汚れをティッシュ(またはウエットティッシュ)で拭き取りながら磨きます。

少量の水を口に含み、2~3回に分けてすすぎます。一度にたくさんの水を含んですすぐより、少量の水で数回すすぐ方が効果的です。(30mlほどの水を、10~15mlずつ分けて2~3回すすぐ)

液体歯みがきやうがい薬、洗口剤などがあれば、それらを使用するとスッキリ感が増すでしょう。

もし、デンタルフロス(糸ようじ)があれば、ぜひ使いましょう。

【歯ブラシがないとき】

食後に少量のお水やお茶でうがいをしたり、ハンカチやティッシュで拭き取り、できるかぎり歯垢を除去してください。

(うがいだけでは歯垢は落ちません)

【重曹水は洗口液の代用になる】

重曹を水に溶かすと弱アルカリ性になり、洗口液として使用することができます。濃度は100mlの水に2g(2%)が目安です。お口の中がねばねばしたり、舌に舌苔(汚れ)がこびりついているときなどに使用すると有効です。液体歯みがき剤の代用としても使えます。

【入れ歯のケア】

入れ歯はできれば毎食後、少なくとも寝る前には外して洗いましょう。水が不足しているときは、使い捨ておしぼりなどで拭ったり、金具の部分は歯ブラシや綿棒などで清掃しましょう。

【要介護者の口腔ケア】

うがいができる方の場合は、うがいの水を飲み込まないように、顔を横に向けて喉に流れないようにするような工夫が必要です。

うがいができない方の場合は、顔を横に向け、濡らしたティッシュを頬側に置き、歯ブラシやスポンジなどで口の中の汚れを絡め取り濡れティッシュとともに取り出します。

うがいができるか、できないかで方法や難易度が異なってきますが、要介護の方は誤嚥性肺炎を起こしやすいので、口の中の汚れを飲み込ませないように注意することが大切です。


■唾液の分泌を促す■

「唾液のはたらき」については以前の記事で書きましたが、https://note.com/miconico/n/n651f2ad1f64d(唾液の働き vol.1)

https://note.com/miconico/n/nbbe3dc39db60(唾液の働き vol.2)

唾液の分泌を促すことで、唾液の自浄作用によりお口の中をきれいに保つことができます。また、消化を助け、抗菌作用により肺炎などの炎症を予防することができます。

また、よく噛むことは唾液の分泌を促すだけでなく、ストレスの解消にもなりますので、ガムを噛むのは手軽で便利です(できればシュガーレスのものがよいです)。口腔乾燥の予防にもなります。

(参照:厚生労働省HP)

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*日本歯科医師会ホームページより引用



■さいごに■

できることなら起きてほしくない災害。しかし、最近では毎年どこかで起きています。

安全第一、命を守ることが最優先です。

いつ、どこで被災するかもわからない、そんな今。

日頃から非常時に備えておくことはとても大切ですね。


日常を奪われたとき、はじめて「あたりまえ」の「ありがたさ」に気づかされます。

健康についても同じです。失ったときにあらためて健康でいることのありがたさが身に沁みます。日頃から免疫力をつけておくことがほんとに大事だな・・・とあらためておもう日々です。


今も、たたきつけるような滝のような雨が降っています・・・

どうか、これ以上の被害が出ませんように

被災した方々が安らげる日が一日も早くおとずれますように


みなさんの安全と健康を、切に切に・・・切に願います。


梅雨明けの青空が恋しいです。。。


❤最後まで読んでくださりありがとうございます❤

peace to you all , love to you all

yumiko



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