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お母ちゃんお母ちゃんお母ちゃん

今年もGW恒例の、縄文人ごっこをした。


参加者は、
夫、わたし、babyちゃん(17歳娘)
boy(14歳息子)
と、わたしの父と母、で
こじんまりとあそんだ。

待ち合わせていた海に着いて、
開口いちばん、夫は

「おせわになります」

と母に言い、全てのことに対して
ぼくはがんばりません宣言をした。
母は、苦笑していた。

夫は、

BBQだし、男の出番やし、義父母いるし、
がんばらなあかんよな、

という、通常のよき義息子としての
ふるまいを捨てている。

この20年で、そのことは、
母もわかっているから、この義息子に、
何も期待していないと思う。
苦笑。

父はもう80歳、母も73歳だし、
重い荷物もしんどくなってきたし、
いろいろがんばらなければ、と
思って欲しいわけだけど、
夫は、まだまだ、おせわになる気でいる。
苦笑。

お腹ペコリンコだが、炭を起こすことから
始めなければならない。が、
うちの男どもはのんびりと海をながめている
ため、主にわたしと父で火を起こした。

いろいろ食べて、だいたい満腹になり、
夫は、

眠たくなった

といい、寝てしまった。

わたしは、ウミウシをみつけてさわったり、
いそぎんちゃくに手を突っ込んであそんで
いたら、boyがやってきて、

いいゲームを思いついたからやろう

と提案してきた。

無数のイソギンチャクに向かって、貝を投げ、
イソギンチャクが触手でそれをキャッチしたら
勝ち、というゲームだそうだ。
なんだか残酷。
一回だけ、やった。

そのあと、ウニを獲りに行く。
ウニのそばに、ひとつ、サザエがいて、
網に入れようと必死になった。
babyちゃんはそれをじっと見ていた。
そばで、母が、

「がんばれ。がんばれ。
この子はやるよ、やりとげるよかならず」

と励ましてくれたため、
無事、サザエを網にいれ、
壷焼きを作る事ができた。
美味しかったです。

ウニも、中身がしっかり入っていて、
父が食べていたおにぎりに、のっけて、
ウニどん
にしてあげたら父はにっこりしていた。

蜂が、ぶーん、とBBQのところにきたとき、
母は、

「お母ちゃんお母ちゃんお母ちゃん」

と早口に言った。
これは、ピンチに陥った時に母が言う
おまじないで、ピンチ、と思った瞬間に、
母の口から自然に飛び出す。

飲みものをこぼしたり、
肉を炭に落としたりの
ピンチがあるたび、
おまじないが口から出る。
今日も、3回くらい、聞いた。

ちなみに、そのお母ちゃん(母の母)は
まだ生きていて、来年100歳になる。

実際に、お母ちゃん、ということで、
心が落ち着くのだろうか。
そんなことを考えるまもなく、
口から突いて出るようで、母はこどもたちや
孫たちに笑われている。

それにしても、73にもなって、と
思うが、親子はいくつになっても
親子なのだな、と思う。
100歳のおばあちゃんからしたら、
母は73歳のかわいいこども、なのだろうか。

だいぶ父と母の足腰がおぼつかなくなって、
この岩場もあと何年来れるかなと思うと
切なくなる。

わたしも、ウニをニッコリ食べてくれるひとが
いなくなったら、割らないだろう。

いつまでも、自分がこどものように
振る舞っていたい。
でもそれも、もうすぐ終わるかもしれない。
そう思うと、ひとつひとつのできごとは、
とても貴重。

あたりまえのことが、一瞬で、
あたりまえでなくなることがある、
と知っている。

今年も、縄文人ごっこができて
よかったな。


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