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babyちゃんのおともだち

babyちゃん(17歳娘)に、おともだち
(バンドメンバー、男1.女1)
が遊びにくることになった、と告げられた。

女の子2人と男の子1人で、あそぶんだなあ。

今の高校生を見ていると、昔ほど、
男と女は、遠いものでもなく、
異性をあまり意識していない
ように感じる。

週末引きこもりの夫は、だいたい家にいる
わけで、男の子がくる、なんて言ったら
いやだいやだ、と
わめきそうだな、と思っていたら、

「男の子に話があるから、
茶の間に連れてきて」

とbabyちゃんに言った。
週末は家族以外、ましてや知らない人になど
絶対に会おうとしない夫である。
びっくりだ。

げっ
なに言う気?
こわい。

と、わたしとbabyちゃんは言ったが、
babyちゃんはえらいこなのである。
うざい、とか、は?とか、やだし、とか
いわない。
その男の子に、

おとうさんが話があるらしい

とちゃんと伝えて、その日は訪れた。

男の子はbabyちゃんの学校の、
軽音楽部の部長さんである。

babyちゃんの学校は、進学校で、お勉強の
できる子が多いのだが、軽音の強豪校である。

軽音に強いとか弱いとかあるのか?
とお思いだろうが、
軽音にも全国大会があるのだ。
babyちゃんの学校は、本気で軽音をやっている学校なので、外部講師もお招きして
ビシビシやっている。
部員80名ほどもいて、それぞれにバンドを
組んでいて、日々切磋琢磨している。
発表会は、本当にうまい演奏がみられる
から、たのしい。

わたしが高校生だったころは、軽音楽部、
なんてのは、部活には入りたくないけど
家にも帰りたくない子が入る、
お遊びクラブみたいに見えていたので、
babyちゃんまわりの本気具合を見ると、
びっくりする。

当日、はなしがある、と予告されてきた
男の子はちょっとびびりながらやってきた。
夫は、

あーすいませんね

とへいこらしながら、男の子と女の子を
茶の間に招き入れた。
正座した夫は、男の子に対して、

ステージでいつも、落ち着いていて
メンバーに優しく声かけをしているのを
見ていて、すごいな、と思っていました。
自分は落ち着きがなくて、すぐ感情的になり
だめなので、あなたのこと、えらいなと
思っていました。感心していたので
伝えたかっただけです。

というようなことを言った。
初対面の、51歳のともだちのお父さんに、
コンプレックスを聞かされて、ちょっと
面食らっていたが、男の子は、

「はあ、ありがとうございます。。」

と言った。そのあとで、ホッとしたのか、

「なんだ、そういう話かあ、何かと思ったー」

といい、また、

「なんか、結婚のあいさつみたいだな」

と言ったので、夫はすかさず、

「あ、それは許さないよ」

と言った。
babyちゃんは恥ずかしそうに、

「もういい?」

といい、みんなを連れてお部屋に行って
しまった。

この変な、ともだちのお父さんに言われた
ことを、ずっと、覚えていてほしいな、と
思う。


giveitupさま
イラスト使わせていただきました、
ありがとうございました!

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