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書評「世界一楽しい決算書の読み方【実践編】」

こんばんは。Mickey★です。

今日は、私が毎日、利用している音声配信プラットフォームVoicyのパーソナリティである大手町のランダムウォーカーさんの「決算書の読み方【実践編】」が発売されたので、そちらのレビューをご紹介します。

この本をオススメしたい人


1.ドキュメンタリーが好きな人
2.データ分析をする人
3.日常生活を観察して数字で考えるのが好きな人

この本を書いた人について


大手町のランダムウォーカーさんという名前は、もちろん源氏名です。
表側の活動(くまさん)では、TwitterやInstagram、Voicy等で配信をされており、裏側の活動(中の人)は、日本人全員が決算書を読める世界を創るために株式会社Fundaという会社で、会計教育コンテンツ「会計クイズ」の提供、企業研修の実施、各種経営コンサルティング業務等をされています。
経歴がかなりユニークな方で、高校卒業後、ニートを経て飛び級で大学院に入り、公認会計士試験合格後、大手監査法人を経て、現在に至っています。
大手町さんは、話の構成の組み立て方、豊富な知識の引き出しを持っており、執筆の締め切り日のプレミアム配信からも感じたのですが、仕事に対して、相当ストイックで完璧主義な感じが垣間見え、人として非常に好感が持てました。

⬇️大手町のランダムウォーカーさんの音声配信はコチラ

この話のあらすじ


前著「世界一楽しい決算書の読み方」が約25万部突破し、待望の第2弾は、実際の企業の決算書に基づいて、決算書の読み方を具体的に解説された本です。

⬇️大手町のランダムウォーカーさんの最新作はコチラ


決算書から経営の決断結果が分かりドキュメンタリーのように楽しめる!


決算書を通して、企業の経営者の頭の中が丸裸にされ、そして、その経営者の決断の行く末を知ることができるため、下手なドラマを見るよりも、とっても面白いです!
サイバーエージェントの話は藤田社長の想いに胸が熱くなりました。
特に興味深かったのは、ライフネット生命で、損益計算書は通常、1年間の企業の成績書といったものですが、損益計算書を経年で算出することによって、一時的なコスト高による赤字であり、企業としては成長していると評価できることが分かり、こういう読み方もできるんだ!と目から鱗でした。

『決算書を通して企業を読み解く』というテーマで書かれた本ですが、この本を読むことによって、大元のデータにしっかりあたること、数字の分解の仕方や考え方、情報収集の方法等も分かるので、業務でデータ分析をしている方にも役に立つと思います。
大手町のランダムウォーカーさん以外に、ご友人(?)の企業分析ハックさん、バフェット・コードさんと岸本裕史さんが採用、起業家、営業の視点から見る決算書の読み方を紹介しているのですが、バフェット・コードさんのコラムを見て、事業計画のシミュレーションの仕方が自分のやり方では、自分の読みの甘さ、リサーチ不足等を痛感し、とても恥ずかしくなりました。
やはり、ビジネスの基礎知識として、最低限、経営戦略、マーケティング、会計等は備えて、それをちゃんと使えるようにしなければならないと感じました。
この辺りの知識を身につけていないと、本書に出てくる企業に対して、仮説を立ててデータを読み解いたり、データをまとめる時にどの数値を使うかが分からないと感じたので、『もっと勉強せねば!』と、奮起するきっかけとなりました。

なお、こういう見方や考え方もあるんだなというライト層の人でも、本書はさくっと読み進めることができるので、ぜひ読んでみてください。

おまけ:決算書を読むには、ビジネスの基礎力が必要

この本だけを読んで、決算書を読み解けるかというと、難しいだろうと思いました。
私は、普段からビジネス書を読み、昨年は、GMAPというグロービス経営大学院が主催している「ビジネスパーソンとしての基礎能力」を測定する試験を受けており、マーケティング、経営戦略、人的資源管理、組織行動学、企業会計、ファイナンスの基礎を勉強しているので、データの見方、問題・課題の設定、仮説の立て方等は一通りできるのですが、知らない企業、業界となると、仮説が立てられないなぁと本書を読んで感じました。

その手法や考え方を自分のものとして、再現しようとした時は、業界知識、ビジネスモデル等を調べてから、決算書を読まないと、分析ができないと思いました。
なお、普段から損益分岐点等を使っていれば、ぱっと計算できるのですが、使わないと、「なんだっけ?」となってしまうので、計算式から調べていく感じになります。
そのため、実際に決算書を読むには、それなりの基礎知識と決算書を読む訓練が必要だと思います。

ここまで読んでいただき、ありがとうございます!
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