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生成AIでクラスのテーマ曲をつくろう!

はじめに

以前、学級目標のつくり方について、別noteで紹介させていただきました。子どもたちの声をきちんと拾いながら、短時間の準備で作るための方法として書かせていただいたものです。

子どもたちに自治感覚を養わせるためにも、やはり「クラスの〇〇」をつくるという活動は非常にいいと感じています。
そこでぼくのクラスでは、今年度「学級のテーマ曲」というのをつくる活動をしました。とても面白い活動だったので、ぜひ参考にしてみてください。


準備するもの

クラスのテーマ曲をつくるにあたって、準備してほしいものが4つあります。すべて無料で使えるものなので、ぜひ使ってみて下さい。

① Forms

ぼくは、子どもたちの声を拾うために、Formsのアンケートを使っています。内容はシンプルで「テーマ曲に入れたい言葉やキーワード」を入力してもらうだけです(下記参照)

Formsのアンケート例

② Microsoft Copilot

生成AIである、Copilotも使いました。AIであれば「ChatGPT」や「Bard」でもいいのですが、公務用PCで登録なしで使え、かつ精度も非常に高いという点から、ぼくは仕事ではCopilotをよく使っています。先生方の公務用PCでも使えるかを確かめてみてください。「Microsoft Edge」のブラウザから入って、Copilotのアイコンをクリックするだけですぐに使えます。

③ suno

suno(スノ)という音楽生成AIが使えるサービスです。登録すれば無料で1日10曲まで音楽を作成できます(※2024年4月現在)。また、入力したプロンプト(命令文)に応じて、歌詞だけでなくボーカルの音声まで入っており、非常に精度の良いものだと感じました。

④ Canva

Canvaというデザインツールのアプリを使います。Canva自体は無料で登録ができ、しかも教育関係者は「canva for education」に申請していただければ、有料版のものも使えます。非常におすすめのアプリですので、まだ使ったことがないという方は、ぜひ登録されてください。
登録の仕方については、下記のサイトに詳しいです。


授業の流れ

では、上記4つのものが用意出来たら、いよいよ授業です。ここからは、実際に授業の流し方について解説していきます。

① Formsで子どもたちの声を集める

まず、学級のテーマ曲を作ることを子どもたちに伝えます。みんなの意見が歌詞に反映されるので、なるべくポジティブな言葉やキーワードをたくさん出してほしいことを伝え、FormsのQRコードを出し、5分ほどで意見を集めました。
なお、Formsは一度送っても「別の回答を送信」を押せば何回でも回答を送ることができるので、多い子は10個くらい送っていました。

② Copilotで分析

次に、集めた意見をCopilotに集約してもらいます。
集めた結果はExcelデータで見る事ができるので、そこに集まった回答をそのままコピペして、Copilotに貼り付け分析させました。そのときのプロンプト(命令文)が以下の通りです。

≪プロンプト≫
~~~~~~~~~(子どもたちの回答コピペ)
あなたは優秀な作曲家です。上記のキーワードをもとに、小学校のクラスの曲をつくります。1分程度の曲になるように、歌詞を作成してください。

最初のプロンプト

しかし、ここで出てきた歌詞が、1番~5番まである長いものだったので、以下のように修正するよう、プロンプトで命令しました。

ちがいます。1分程度の歌詞なので、イントロとサビは1回ずつで書いてください

修正するためのプロンプト

すると、修正した歌詞が以下のように出力されました。

# みんなで頑張ろう!

**(イントロ)**
みんなで頑張ろう!
算数も国語も友達と一緒に
勉強も遊びも楽しく頑張ろう
みんなで仲良く、笑顔でいよう

**(サビ)**
友達100人、手をつなごう
みんなで力を合わせて
学び合い、励まし合い
未来への道を一緒に歩もう

完成した歌詞

③ sunoで曲づくり

いよいよ曲づくりです。
まず、sunoに登録しておくと、下記のような画面に入ることができます。今回は、一番上にある「Cusutom Mode(カスタムモード)」をオンにしていますが、オフにすれば、なんとなくの曲のイメージを入力するだけでも、かなり高い精度の曲が出来上がるので、まずはそこから試してみるのもオススメです!

suno画面

まず「Lyrics(歌詞)」に、先ほどCopilotで完成させた歌詞をコピペします。
次に「Style of Music(曲のスタイル)」を入力します。ぼくのクラスでは「明るい曲」と入れました。
最後に「Title(タイトル)」の部分に曲のタイトルを入れたら、「Create」を押して作曲スタートです。30秒ほどで2曲完成させることができました。

できた2曲をみんなで聴き比べ、最終的に多数決で1曲決めました。

④ Canvaで表紙をつくる

曲だけでも十分なのですが、ぼくはCDジャケットをつくるようなイメージで、最後に曲の表紙を飾るようなデザインを子どもたちに作らせました。使用したのは「Canva」です。
これは、作りたいという子どもたち数人にお願いをして宿題で作ってもらう形にしました。最後にその画像にテーマ曲を入れ、Canvaでミニスライドを作ります。そして、できたものをダウンロードし、子どもたちのタブレットに送ることで共有し、行事の時などにはこの曲を使って盛り上げていきたいと考えています。

さいごに

いかがだったでしょうか?
たくさんのアプリが出てきて大変に感じた先生もいたかもしれませんが、これはすべて45分(+数名の宿題)で完結した内容です。これだけのものが、たった45分でできるというのは、とても大きな成果だと個人的には感じています。
どんな曲が出来上がったのか、イメージしづらい方のために、ぼくのクラスでボツになった方の曲を共有しておきますw
ぜひこれを聞いて仕上がりをイメージしてもらって「やりたい」と思ったら追試されてみてください。

なお、今回のようなICTを絡めた実践の他、ぼくは各種SNSで働き方改革に関する発信を日々行っています。また、定時退勤を目指す先生方をサポートするためのコミュニティ「定時退勤がちサロン」というオンラインサロンの運営も行っています。
もしこうした活動に興味があれば、下記のX(旧Twitter)から、ぜひお声かけください。最後まで読んでいただき、ありがとうございました!!


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