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ちょいちょい書くかもしれない日記(宿泊)

今月は、一泊だけ東京に滞在する予定がある。
そうはいっても猫たちがいるので、朝食を食べたら帰る、という実にアレな宿泊なのだが。
噂には聞いていたものの、定宿のサイトをチェックしたら、宿泊料金がきっちりこれまでの倍になっていた。
私が好きだった「ちょっとだけ普通のシングルより高い、窓が潰されたへんてこな狭い部屋」など、もはや高級デザイナーズホテルのシングル料金くらいになっている。
たぶん、居酒屋みたいな内装が、外国人観光客に凄く人気なんだと思う。
せっかく東京オリンピックにあわせて改装したのに、コロナ禍で踏んだり蹴ったりな目に遭ってきたホテルなので、どうにか踏ん張って、今儲かっているのはとても嬉しい。
素直によかったなと思いはするが、いやでも厳しい。
こちらの財力は、激しく限りある資源なのだ。
ずっと、ロンドンのホテルを馬鹿げて高いと思ってきたが、だんだん同じ感じになってきた。
今回は版元の奢りだそうなので、ありがたくお世話になることにする。でも今後、仕事で東京に滞在するのはなかなか難しくなるな……と思う。
自宅より快適さに劣る宿で、猫を案じながら過ごすくらいなら、最終の新幹線をつかまえ、奮発してグリーン車に乗るほうが、私にとっては費用対効果が高い。
ますます日帰りが増えそうだ。

先日、東京で開催されたSFカーニバルに参加した。
今回は新刊がないので、まあそれでも来てくれる奇特な人に、無料配布の小冊子をお渡しして呑気に帰ろう。場所を提供してくださる書店さんに利益を出させることができなくて申し訳ないけれど、この先の新刊でどうにか……どうにか恩返しできますように、と祈りながらの参加だった。
でも、ビックリするくらいたくさんの方々が来てくださって、少しずつだけれどお話しすることができて、とても嬉しかった。
いただいたお手紙は勿体ないので少しずつ読む。
頂戴した差し入れも、ひとつひとつ開けた。
私や猫たちが好きそうなもの、驚きそうなもの、アイデアやパッケージにクスッと笑えるであろうもの……と、本当に、私を元気づけ、猫を可愛がってくださる気持ちが溢れ出すようで、ありがたくてぐすぐす泣きながらベッドの上に並べた。
猫たちには大いに邪魔をされたのだが、いかにも必死で手伝ったような顔をして「そこにあるおやつは僕たちのですよね?」と言うので、やむなく夜のおやつ会を開いた。
猫たちは、「何だかよくわからないけどうまーい」という顔をしていた。
いろいろあるけれど、心を尽くして頑張っていれば、見ていてくれる人はきっといる。
自分のために戦うのは相変わらず苦手だけれど、作品のためには戦う勇気を持ち続けようと思った。
猫と作品。
身を挺して守りたいものが二種類もあるとは、なんとも幸運なことだ。

こんなご時世なのでお気遣いなく、気楽に楽しんでいってください。でも、もしいただけてしまった場合は、猫と私のおやつが増えます。