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健康と納豆卵かけごはんの思い出

小さい頃、我が家の朝食はパンでなくごはんのことが多かった。

「はやく食べなさい!」と母に急かされながら納豆卵かけごはんをスプーンでのんびり食べていた。
納豆嫌いの姉は多分ふつうの卵かけごはんだったと思う。

「おいしい!おいしい!」と大喜びで食べていたわけではないけれど、
食べながら他のことに気をとられてこぼしていたこともあったけど、

でもそれくらい自分の生活の中に溶け込んだ当たり前の朝食だった。
ずっと食べ続けていくものだと思っていた。


数年前、TVの健康番組で納豆と卵は互いの栄養成分を阻害してしまう、食べ合わせの悪い食材だということを知った両親が「明日から納豆卵かけごはんは食べない」と言い出した。

実は納豆と生卵は、栄養的にあまりよい組み合わせではありません。

納豆にはさまざまな成分が含まれており、健康効果が期待できる食品であることが知られています。そのなかでも今回注目したいのは、ビオチンという栄養素です。ビオチンはビタミンB群のひとつであり、糖質や脂質、たんぱく質がエネルギーに変わるのを助ける働きがあります。肌や粘膜、爪、髪の毛の健康にも深く関わっており、ビオチンが不足すると皮膚炎や脱毛、白髪、結膜炎といった症状があらわれる恐れがあります。納豆は、ビオチンを豊富に含む食品のひとつです。

このビオチンの吸収を阻害するとされているのが、生卵に含まれるアビジンです。アビジンは卵のなかでも卵白に存在するたんぱく質成分であり、ビオチンと強く結合する性質があります。アビジンとビオチンが結合すると体に吸収されにくい形になってしまうため、ビオチンはそのまま体の外へ排出されてしまいます。つまり納豆と生卵を一緒に食べると、生卵のアビジンにより、納豆のビオチンの吸収が阻害されてしまうのです。

ビオチンは納豆以外にも、大豆などの豆類やアーモンドなどの種実類、レバー、魚介類といったさまざまな食材に多く含まれています。またビオチンは、腸内細菌によって体の中でも作られます。そのため普通の食生活を送っていれば、ビオチンが不足することはまずありません。納豆と生卵を一緒に食べているからといって、ビオチン不足に陥る心配は少ないといえます。

それでもビオチン不足が心配、納豆の栄養を十分に摂取できないのは嫌だ、という人は食べ方を工夫してみてください。
アビジンは卵白に含まれる成分なので、卵白と卵黄を分けて、納豆には卵黄だけを合わせて食べてはいかがでしょうか。

【納豆×生卵】一緒に食べると栄養を吸収できない?管理栄養士が教える、一緒に調理すべきではない食材 | ヨガジャーナルオンライン (yogajournal.jp)


かつて我が家では当たり前に食べていた納豆卵かけごはん。1人で納豆1パック使うのは贅沢であった。


朝食時にそのことを告げられた私は渋々了承しながらも
心の中では「うわ~…困ったな…」と唸っていた。

納豆卵かけごはんの良さはおいしさだけじゃない。

納豆2パックに卵2個で3人分。
納豆卵かけごはんは納豆や卵が人数分足りない時の食卓の救世主だというのに!(ちなみに心の中で唸っていたつもりだけど、冷蔵庫を見ながら「困ったなぁ」と口に出していたらしい)

一つの手段を封じられてしまって、レパートリーの少ない食事係の私は少しばかり途方に暮れた。

いろいろ試したみた結果、最近はネギとカニカマ入りの卵焼きに納豆と梅と大根おろしを合わせたもの、それに野菜のお味噌汁とご飯という朝食におおむね落ちついている。

健康は大事だ。
年齢を重ねていけばいくほど「痩せるのは見た目のためでなく、健康のため」という言葉が身につまされる。
若いときは不健康でもおいしいものが食べたい!といえたけれど
今はコンビニでお弁当を買うときも必ずカロリーや栄養バランスを気にしてしまうお年頃だ。

だけどいくら健康のためとはいえ、あんなに長年食べてきた納豆卵かけごはんをあっさりあきらめてしまった両親にはちょっとがっかりした気持ちにもなった。
「健康は大事」だけど、ときにひどく野暮なのだ。

今回、noteに書こうと思って久しぶりに納豆卵かけごはんを作ってみた。

今回は小ねぎを入れたけれども、小さい頃に食べていた納豆卵かけごはんには入ってなかった。


簡単で手早くできて満足感もあり、やっぱりこんなにコスパのよい朝食はほかにないんじゃないだろうか!?

そしてなにより小さい頃に母に急かされながらスプーンで頬張って食べた朝の納豆卵かけご飯と同じおいしい、やさしい味だった。

なつかしさは最高の調味料なのだ。


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