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【散文詩】食べる女

私は食べる女。朝起きる。バナナマフィンを手に取る。口に入れる。ちくわを見つける。かじる。残り物のフライドチキン。かぶりつく。納豆。パックからそのままペロリ。たくわんをポリポリ。ポテトチップスの袋を逆さまにして、口に流し込む。慌ててて、チョコレートは銀紙も少し一緒に食べたかも。あっメロンパン。頬張る。お湯を沸かしてカップ麺の準備。大福もぐもぐ。ラーメン啜る。食後の芋けんぴ。キャンディバーを口に入れてからシャワーを浴びる。シャンプーが口に入っても気にしない。ドライヤー中もおせんべいカリカリ。雑誌を見ながら、甘納豆を口にぽんぽん放り込み、アイスクリーム食べ食べ電話に出る。zoom会議中の今も、画面中央で牛丼食べてます。どうしてそんなに食べるの?何かのストレスじゃない?画面の向こうで誰かが聞く。ストレスかなんて、そんなの知らない。食べたい時に食べない方がよっぽどストレスなんじゃない?身体こわすよ!とまた誰か。私の身体だ、ほっといて。じゃあ逆に聞くけど、食べてないと黒い怪物が追いかけてくるのに、飲み込まれたら死んじゃうのに、みんなどうやって逃げてんの?早く食べなきゃ。いい女ぶって痩せ我慢する意味がわかんない!私は自分の欲求にストレートな女。回りくどいのは信条じゃないのーーああ、ちょっと喋りすぎたわ、目眩がして吐きそう。食べなきゃ。えっ会議終わり?じゃ、お昼食べに行ってくるわ。中華ランチ。デザートの杏仁豆腐はおかわり自由なの!

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