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アジア系差別について、今感じること

現在、アジア系に対するヘイトクライムが頻発していることに対してBTS が被害者やご遺族へのお悔やみと反人種差別を表明するツイートをした。

先日行われたKids Choice Awardsでは、Taylor SwiftやThe Weekendと競ってFavorite Songを獲得しているBTS。アメリカの若い世代にとても影響力があると思うので、声を上げてくれたことは本当に素晴らしいことだと思う。

また、ツイートには、彼らが世界を巡る中で経験してきたことも書かれている。

We have endured expletives without reason and were mocked for the way we look. We were even asked why Asians spoke in English.
We cannot put into words the pain of becoming the subject of hatred and violence for such a reason.Our own experiences are inconsequential compared to the events that have occurred over the past few weeks, but these experiences were enough to make us feel powerless and chip away our self-esteem.
(私たちは、理由もなく罵声を浴びせられたり、容姿をバカにされたことがあります。なぜアジア人が英語を話すのかと訊かれたことさえありました。そのような理由で(アジア人であること)憎悪と暴力の対象となった痛みは、言葉では言い表せません。私たち自身の経験は、この数週間に起こった出来事に比べれば取るに足らないものですが、これらの経験は、私たちに無力であると感じさせ、自尊心を削るのに十分でした。)

パンデミックが起きるずっと前から、多くの国外、特に欧米にいるアジア系が経験し得ることだ。人気者ともなれば、やっかみもあって書かれている以上の経験をしているかもしれない。彼らが味わってきたことを想像すると胸が痛い。

彼らが2020年に世界的ヒットを飛ばし、アジア系差別が激化してクローズアップされたタイミングで大きな影響力を持っていること。ご本人たちが望んでいるかはわからないけれど、やはり新時代のアイコンとしての宿命を背負っているのではないかと思ってしまう。

在LA日本人のわたしが感じる”人種差別”

日本ではあまり話題になっていないかもしれないが、アメリカではアジア系に対するヘイトクライムの話題が連日のニュースになっている。

わたしはアジア系が多いエリアに住んでいて、以前から差別されたと感じるようなことはなかった。最近も、特に気になるような出来事が自分の身に起きたわけではない。けれど、自分の中で少し身構えてしまうような瞬間は増えたかもしれないと思う。

わたしは、近所をウォーキングする際、すれ違う人には挨拶するようにしている。ほとんどの人は向こうから挨拶してくれたり、挨拶を返してくれるけれど、時折スルーされることもある。そういうときは、相手が気づいていないか、挨拶を返されているのにわたしが気づいてないという場合が9割9分だと思うので、まったく気にしていなかった。けれど、ヘイトクライムの報道を見る機会が増えるにつれ「自分の挨拶が差別主義者の人を刺激したらイヤだな」と感じるようになった。刺激したところで無視で済むなら別にいいのだけど、万が一、暴力を振われたりしたら怖い。

嫌がらせの貼り紙をされた日本食レストランや、ジョギング中のアジア系女性が「国に帰れ」と詰め寄られた公園が車で15分のところにあったりするので、遠くの世界の出来事とは思えない。でもやっぱり、愛や親切は「先出し」していきたいので挨拶するようにしているけどね。

近所には、アジア系の飲食店やスーパーが充実していて、そこに来るアジア系以外の人も多い。100均はティーンの女の子に大人気だし、地元テレビの白人のアナウンサーさんがインスタにあげるお料理レシピに、普通にPONZU(ポン酢)が登場したりする。日本のアニメ人気は相変わらずで、みんながさまざまな文化を楽しんでいるんだなと多様性が感じられる。

その一方で、アフリカ系差別でも問題視されたように「構造上の差別」はしっかり残っているのかな…と思う。貧しい家庭や移民からの一発逆転、”下克上”が難しいようにできているのだ。

また、潜在的な異文化・異人種排除の意識もゼロではないと思う。「富裕層の白人」しか住めないコミュニティというのも存在する。(宗教や支持政党も限っているかもしれない)これについては日本もかなりある気がする。

生活していて日常で差別を実感することはないけれど、水面下ではあるんだろうな、というのがわたし個人の率直な感想だ。学校に通っている子供たちやお仕事をされている方は、もっともっと深刻な状況を感じとっているかもしれない。場所が変わってアメリカ中部ともなれば、さらに大変かもしれない。

人種差別の”理由”

アメリカでアジア系差別が蔓延っているのは「口実」があるというのもあるし、容姿や文化をおおっぴらにバカにしていい風潮が長らく続いていた、というのもあると思う。

「口実」というのは太平洋戦争であり、貿易摩擦であり、パンデミックだ。

そういえば昔、大好きなドラマ「ゴシップガール」のあるシーンにちょっと驚いたことがあった。アジア系のキャラクターがブレアの家でエステを受けた際、うつ伏せになったので「顔が潰れた」と言い、別のキャラが「(元からやん)」みたいな顔をしていた。(元からやんのリアクションをアフリカ系の子にさせたのもズルかった)こういうの、昔からあるよね。

こういった表現や「口実」が、自分より”劣った”存在を作ることで自尊心を捏造したい人や、自分の状況を他人のせいにしたい人に偏見や差別心を抱かせ、暴力犯罪にまで駆り立てるのかなと思う。

そして、みなさんご存知の通り、こういう差別の問題はアメリカの話だけではない。世界中に蔓延っているものが、人種のるつぼで顕在化しているだけだ。

わたしだって、偏見を抱いたことがないと言えば嘘になる。

以前、中国に行った際、いろいろ買いそうな観光客だと思われたのか、おじさんにロックオンされ、中国語がわからないのにすごい勢いでセールストークをかまされた。おじさんのツバがミストシャワーのように降り注いできて、その瞬間「中国人ないわー、うるさいし本当キライ」と感じた。正確には「このオッサンないわー」なのにね。なぜか「中国人」とひとくくりにしていた。

謎にお互いを見下し合う、ハタから見たら完全に3兄弟なw日本・中国・韓国の関係性が自分の中にもしっかり植え付けられていたんだと思う。それに、近い存在だからこそ余計に「違い」が気になって仕方ないというのもあるよね。。。

わたしの場合は、大人になって知見が広がるほどに無用な偏見や差別は薄れてきている気がするけれど、やはり学び続けること、価値観をアップデートし続けることが大切なように思う。自分の心の反応は、相手がどうこうではなく”自分”に起因しているものだから。(差別される側に理由だなんだを求めても意味がない)



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