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アレルギーのはなし

前回アレルゲンの話が出ましたので、今回はアレルギー全般について書くことにします。

アレルギーとは、「身体に特に影響を及ぼすものではないような無害なものに対して、過剰に反応してしまう免疫反応」といったところでしょう。過剰な免疫反応ですから、人間にも影響が及びます。咳、くしゃみ、鼻水、発熱なども免疫反応の結果として現れる症状ですが、これらが過剰に、しかも原因物質が無害なものにもかかわらず起きてきたら、厄介な話ですよね。

この理屈で考えると花粉症も食物アレルギーも、原因物質は違えど似たようなことが体の中で起きているということが分かります。免疫反応ですから体の中で起きるのですが、アレルギーの原因物質であるアレルゲンの方はというと、必ずしも体の中に入るわけではありません。体が反応するために、どのような経路でアレルゲンがやってくるかというと、主に3つの経路があります。

食物性のように食べることで体に入ってくる経路、ハウスダストや花粉のように呼吸をしているときに一緒に吸い込んでしまうような経路、金属アレルギーなどのように体に接触することで発症してしまうような経路、この3つです。とは言ってもアレルゲンが様々なように、アレルギーの症状や発症の場合もさまざまです。人によっては食べてもダメ、吸い込んでもダメ、接触してもダメというように、同じ物質(アレルゲン)がどのような形であっても体が反応してしまうという場合もあります。その中でも食物性のアレルゲンの場合は、分子量の大きいたんぱく質が多い傾向にあるようですね。

食物の場合は、食べた後は分子量が大きなたんぱく質でも消化管の中で分解酵素によってアミノ酸にまで分解されてから吸収されます。分解してからでないと吸収できないという事なのですが、これによってアレルギー反応は起きません。

これがもし幼い子供のような場合で消化吸収力が未完成だった場合、たんぱく質も十分に分解されつくすところまでいかないかもしれません。また、そのような未消化のたんぱく質が何らかの原因で血管内に入ってしまったりしたら、食物アレルギーを引き起こすことになるんです。

この場合は、消化吸収する力が高まったり成熟したりすれば、自然に症状も落ち着いてきたりすることもあります。しかし、克服したとは限りませんので、注意が必要です。とくにアレルギー反応のような場合は免疫系の方で記憶を残していることもあるので、油断は禁物です。

では、どうすればアレルギー反応に対処できるかということですが、これはもう仕方がありません。アレルゲンに近づかない、アレルゲン自体を自分に近づけないといった方法が最も無難なようですね。

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