Yoshihiro Nishino

あなたの健康を応援するサポートライター🄬です。 医療機関で臨床検査技師として、40年近…

Yoshihiro Nishino

あなたの健康を応援するサポートライター🄬です。 医療機関で臨床検査技師として、40年近く勤務してきました。 現在はKindle出版のプロデュース業やラジオのパーソナリティをしています。 こころとからだのお役立ち情報などを紹介したいと思います。

最近の記事

加工デンプンの話

今回は「加工デンプン」を取り上げます。まずは、加工デンプンとは何かという話から。 加工デンプンは天然のデンプンが持つ性質を改良するために、化学的・物理的などの処理を加えて作られたデンプンを指します。加工するための元のデンプンは、じゃがいもやトウモロコシ、小麦などが使われています。 なぜ天然のデンプンではなくて加工デンプンなのか、加工する必要があるのかという理由、知りたいですよね。調べてみました。すると、実は天然のデンプンにはいくつかの欠点があるそうです。ちょっと挙げてみる

    • 増粘多糖類について、もう少し・・・

      今回は増粘多糖類について、もう少し詳しく見ていくことにします。 まず、増粘多糖類っていったいどんなものなのかですね。これは、多糖類ですから基本的に水溶性です。そして、水に溶けたときにゲル化したり粘性を示したりする性質を持つ、複数の糖からなる物質の総称です。 総称ですから、いくつかの種類があるという事ですね。そして、それぞれにその粘性の特徴や性質が違ってきます。食品を加工する時に添加する増粘多糖類の選択は、その食品の性状や増粘多糖類自身の性質などを考慮して行われます(この辺

      • 増粘剤と増粘多糖類

        以前にこの場所で「増粘剤」について書いたことがありましたが、最近の食品一括表示を見ていると「増粘多糖類」といった表示名を見かけることがありました。これって、いったい何でしょう。前に書いた増粘剤と違うものなのでしょうか。 多糖類という名前がキーワードのようです。どうやら多糖類が用いられた場合には「安定剤」、「糊料」、「ゲル化剤」などの名称が使われているようです。これらは名前が違うのですから役割が違うのだろうという判断はできるのできそうです。しかし、さらに突っ込んで考えてみると

        • L-フェニルアラニンを含む旨

          食品の栄養成分表示や一括表示といったものについて調べてきましたが、特殊な例を一つ見つけました。それは、「L-フェニルアラニン」という物質については別の決まりがあるというものらしいということです。いったいどういうことでしょうか、そして「フェニルアラニン」ってどんな物質なんでしょうか。 まずフェニルアラニンという物質についての話です。 フェニルアラニンという物質はアミノ酸の一種で、人間にとっては「必須アミノ酸」と呼ばれるほど重要な物質の一つです。アミノ酸ですから食品として摂取

        加工デンプンの話

          アレルギーのはなし

          前回アレルゲンの話が出ましたので、今回はアレルギー全般について書くことにします。 アレルギーとは、「身体に特に影響を及ぼすものではないような無害なものに対して、過剰に反応してしまう免疫反応」といったところでしょう。過剰な免疫反応ですから、人間にも影響が及びます。咳、くしゃみ、鼻水、発熱なども免疫反応の結果として現れる症状ですが、これらが過剰に、しかも原因物質が無害なものにもかかわらず起きてきたら、厄介な話ですよね。 この理屈で考えると花粉症も食物アレルギーも、原因物質は違

          アレルギーのはなし

          アレルゲンの表示

          食品についての表示で最も関心が高いものの一つに「アレルゲン」というものがあります。アレルゲンというのはアレルギー反応を起こす原因物質といった意味ですが、食品にそのような可能性のある物質が含まれているかどうかを示しているという意味になりますね。これは表示されていないと、非常に危険です。 アレルギー反応自体は何も食品ばかりで引き起こされるものではありません。花粉やダニ、ほこりなどでも生じます。ただ、食品表示の場合のアレルゲンとは「食物アレルギーの原因となる物質を指す」と定義づけ

          アレルゲンの表示

          一括表示のルール

          一括表示について何度か書いてきましたが、今回はその基本になる「一括表示のルール」について取り上げます。 ルールも人間が決めることですから、いろいろな判断によって次第に整えられていく事になります。新旧で表示の仕方、内容、追加や削除、その他が変化することも出てきます。ですが、多くの人が口にするものが対象になっていますので、違反した場合は罰則が科せられるのは仕方のないこと。現在の表示のルールは令和2年4月1日から施行されています。 ①表示する文字の大きさが定められています。通常

          一括表示のルール

          一括表示の詳細

          一括表示は前回で示した通り、食品の原材料や添加物、保存方法などの重要な情報をまとめて記載したものを指します。今回は一括表示の内容について、順にその詳細を書いていくことにします。 (1)名称:商品名ではなくて、その商品の一般的な名称を意味します。どんな種類の商品なのかといった内容などを指すものなのですが、細かくルールが定められているうえに商品自体も定義があります。なかにはイメージと異なる名称になっている場合があるかもしれません。 (2)原材料名:その商品を作るうえで必要な原

          一括表示の詳細

          成分表示と一括表示

          かなり長い間休んでいましたが、本日から再開いたします。今回は前回の続きで、栄養成分表示についての表現を取り上げます。 栄養成分の表示はその食品に含まれる栄養成分の概要を示したものですが、記載されている量がそのまま商品パッケージの全体とは限らないという事でした。小分けして個包装になっている場合などは、1個当たりだったり全体量をグラムで表したうえでその量に対してであったりします。ペットボトルなどの液体であれば、100ミリリットル当たりとなっていることが多いようですし、固体や粉末

          成分表示と一括表示

          成分表示の順序と内容

          今回は成分表示の順序と内容、つまりルールについてのお話です。成分と言ってもいろいろとあるでしょうが、気になるところは食品添加物や栄養成分あたりでしょう。ただ、場合によっては記載しなくてよいという例もあるようなので、なんだか片手落ちのような気がしないでもないのですが・・・。 まずは除外規定というか、成分表示をしなくてよいとされている例を挙げていきます。 ①容器包装への表示面積がおおむね30㎠以下(表示できる面のすべての面積の合計) ②酒類 ③栄養の供給源としての寄与の程度が

          成分表示の順序と内容

          成分表示の義務化

          食品に含まれる栄養分の種類や摂取で得られるカロリーの量など、消費する側にとっての知りたい情報は様々です。とくに、成分表示などは誰にとっても気になるところではないでしょうか。それを示したものが栄養成分表なんですね。買い物をするときに、商品を手に取ってその成分を確かめている人は多いのではないでしょうか。表示については、特に消費する側からすれば、キチンとしたルールに則って、全ての情報の公開を希望するところですね。 2020年の4月から新たな食品表示制度がスタートしています。栄養成

          成分表示の義務化

          成分表示の基本的なルール

          食品添加物はまだまだ続きますので、いったんこの辺りで区切りをつけたいと思います。次の話題として、食品のパッケージに記載される表示について、書いてみたいと思います。表示と一言に括って表現していますが、成分表示もあれば食品添加物の表示もあるように感じます。また、成分ごとの割合であったりカロリー表示であったり、見る人によっても役立て方が違ってくるようですね。 また、省略してよいとか、表示しなくてよいとか、そんなルールも定められているということがあります。そうなってくると、ますます

          成分表示の基本的なルール

          豆腐用凝固剤というものがある

          今回の対象は豆腐用凝固剤という食品添加物です。名前を知ったとき、私にはちょっと違和感がありました。これって食品添加物になるんだ~といった、妙に納得のいくようないかないような、ヘンな気持ちになったんです。まあ、私の感覚はどちらでもよいとして、凝固剤がないと豆腐は成り立ちませんので、その意味で食品添加物の範疇であることは理解できます。一般的に「にがり」という名前が知られていますが、豆腐用凝固剤っていったいどのようなものなんでしょうか。 豆腐を作る過程をざっくりと説明すると、先ず

          豆腐用凝固剤というものがある

          甘味料のメリットとデメリット

          今回は、甘味料を使用した時のメリットとデメリットについて考えてみます。メリットにしてもデメリットにしても、甘味料やそれを使った製品を作る側と消費者側と、両方の話が出て来ますが、主に消費者側の話になるんじゃないかと予想しています。また、現在出回っている食品はほとんどが人工甘味料を使っていますので、話の中心はその辺りになります。 本題に入る前に、間違えやすい「糖質」と「糖類」の違いについて、混同しないように整理しておきたいと思います。 糖質とは、炭水化物(これと糖質も混同され

          甘味料のメリットとデメリット

          甘味料のはなし

          今回は甘味料について取り上げます。つまりは甘い味をつけるための添加物という事ですね。例えば、甘い味の代表例は砂糖ですが、これ以外にもたくさんのものがあります。中には人工甘味料といったものを見かけることもありますよね。いったいどのようなものが含まれているのでしょうか。 甘味料は大きく二つのグループに分かれます。ひとつは糖質系の甘味料で、もう一つは非糖質系の甘味料です。まず、糖質系甘味料から書いていきます。 糖質系甘味料はその名前の通り、砂糖のような糖質による甘さを加えるグル

          甘味料のはなし

          「うまい」と「うま味」とは違う?

          今回はちょっと衝撃的な言葉になりましたが、こんなタイトルの記事を見つけたので、取り上げてみようと思います。うまいって感じる味は、その人の主観や経験によるところが大きいんじゃないかと思うのですが、記事にはどんなことが書いてあったのでしょうか。 まず、ヒトの体は「食べたものでできている」とのことでした。どこかで聞いたことがあるような言葉ですが、確かにそうですよね。それはともかくとして、「うまい」と感じるときは、実はそのヒトが不足している成分を欲していることがあるのだそうです。と

          「うまい」と「うま味」とは違う?