見出し画像

クリスマスはキリストの誕生日だから

フランスの右翼が怒っている。クリスマスにキリスト教の伝統を続けられない現状に大いに怒りを表している。

王家から続くフランスの伝統的な宗教はキリスト教カトリックだ。

日本人の子供がお宮参りをしたり七五三をしたりするように、代々フランス人の子供たちは教会で洗礼を受け、なんだかんだと教会儀礼を経て大人になる。

国が指定する祝祭日だってキリスト教にちなんだものが多い。


なのにここへきて、国内のいくつかの左翼寄りの地域でキリスト教のクリスマスらしい伝統的な飾りつけを取りやめる動きが出ているという。

公共の場で宗教色の強い服装や行動をしてはならないと散々言っているのに公共の場でキリストの生誕を祝う飾りつけをするのは道理が合わない、と誰かが言ったのだ。

そんな地域では年末年始のお祝い事として電飾は点けるものの、キリストにまつわるモチーフは出さないようにしている。

これに右翼が激怒しているのだ。伝統的にフランスの住民のほとんどはキリスト教で、その他の宗教は移民の宗教。そんな移民たちに配慮して伝統的なクリスマスを失くすなんてありえない!と。


私はキリスト教ではないのでクリスマスに対して宗教的な感情は一切ない。プレゼントがもらえて美味しいご飯が食べられる素敵な日、くらいにしか思っていない。

日本に生まれて育ったせいか、色んな信仰があって当然と思っている。だからあっちの信仰こっちの信仰で語られる神様や神話について異論はないし、否定もしない。へぇ~そうなんだぁ、くらいの受け止め方をしている。

自分が信じたいものを信じればいいではないか。

自分の信仰と違う信仰が存在していることを理解して、お隣近所に住む人々の信仰を否定したり卑下したりするようなことをしなければ、世界はまるっと平和でいられるはずなのだ。


先日フランスで移民に関する条例が改定された。

今までズブズブだったのが、常識の範囲内で厳しくなった。

当の移民である私から見ても、やりすぎだろ!と思うほどの手厚い手当はもう支給されないし、生活の保障も常識の範囲内に制限される。

フランスに移住した直後に参加した研修で、違法滞在者にも働く権利はある!と言い切った担当講師の言葉に動揺を抑えられなかったあの日の私に言ってあげたい、人道主義にもほどがある、ってその内みんな気付くからって。

裕福でお金が有り余る国ならまだしも、増税重税に苦しむ国民を抱えた国で、よその国から来た人の生活を保障するために湯水のようにお金を使っていたこと自体がありえないんですけど、って。


フランスにはフランスの歴史的背景や社会的立場などがあるから外様の私がとやかく口出しするようなものでもないが、今後厳しくしていくことによって、諸事情を抱えて自国を離れた人たちが夢見憧れて目指して来る場所ではなくなるように仕向けたいのだろう。

フランスへ行けば良い生活が出来る、と夢見ている人たちに現実を突きつける動きを始めたのだ。


多様化、結構。国際化、結構。でもそのせいで自国のアイデンティティを削ぎ落さなければならないってことはないだろう、と私は思う。

フランス人はフランスの伝統を守り続ければいい。その横で移民はフランスの法令社会秩序を尊重しながら故郷の伝統を継承していけばいい。

移民の伝統がフランスの伝統を否定して排除し始めたらあかんやろ。


よその国へ行って子供をいっぱい産み育て、自分たちが生活しやすいように社会を変え伝統を変えていく。。。なんて、かつての植民地支配よりも時間は掛かるが確実にそして根本からその国を自分たちの文化で染めるやり口。

え?ホラー映画?


クリスマスには思いっきりクリスマスを楽しめばいいじゃないか!

この記事が参加している募集

今こんな気分

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?