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周囲の存在を認めるということ(ハイキュー!!)

「ハイキュー!!」を今、スマホのアプリで読んでいる。現在映画の方が大ヒット上映中のため、タイトルを聞いたことがあるという方もいると思う。読み始めたばかりでまだまだ序盤なのだが、しょっぱなから心に刺さるものを頂いた。


登場人物に影山くんというキャラクターがいる。彼は「コート上の王様」と呼ばれるほどの天才なのだが、他人のプレーに厳しかった。バレーボールにおけるセッターという司令塔的なポジションは、本来周囲にいるチームメイトの動きを見てボールを回す。

しかし影山くんは「どうして今の失敗したんだよ!」などと、ついてこれないチームメイトにイラついてしまう。そして協調性を乱すとされ、能力が高いのにもかかわらずベンチに下がらされてしまう始末。


そこに現われた主人公の日向くんは、これまでメンバーが集まらずにバレーボールをほとんどできなかったという苦労人。中学の最後の試合にてぶつかったこともある影山くんと高校で再会することになり、同じチームとしてミニゲームに参加する。

試合が始まってもいっこうに日向くんにボールを回さない(トスしない)影山くん。背格好や経験の浅さなどからできるわけがないと最初から思っていたからだ。だけど試しにあげてみたトスで、日向くんがきっちりタイミングを合わせてきたことに驚く。

それはいつも「味方に対し『自分に合わせろ』と思いながらプレイしてきた」影山くんが、「周りの動きを見て『味方に合わせて』プレイする」とスタイルを変えることになった大きなきっかけになった。

ここまでがアニメでいうと3話くらいまでの話らしい。なんともジャンプの王道っぽいストーリー展開でとてもわくわくした。ちなみに全部は読み進めていないのでこの先は知らないのがなんとも。けど映画のフィーバーっぷりですごく面白い漫画なんだろうっていうのはわかる。


視野が狭くなっているとき、それを広げ直して周囲に目を配ることはけっこう難しい。目の前のことばかり考えていてそんな余裕なんてあるはずがないからだ。すると周りの情報はどんどん薄くなっていってしまう。そこにもし声を掛けた場合、飛び上がる勢いで振り向くくらいの人もいることだろう。ちなみにそれは私だ。

それは集中しなくてはならない時にはとても必要な能力でもある。だけど全く客観視ができないということも怖い。自分一人の価値観でいると協調性を伸ばすことが難しいし、気付けば周りに置いていかれていることもあるからだ。影山くんは自分だけ先に行っているようで、取り残されている面もあったのかもしれない。

だけど自分のプレイに合わせてきた日向くんという存在がいたことで認識を改め、周りを見ることが一気にできるようになった。影山くんはきっと日向くんのような信頼できるチームメイトが欲しかったんだと感じた。


信頼できるようになるということはその人の存在を常に認めることでもあると思う。もしかしたら私も周りが見えていない時、本当は自分のことしか興味がなかったのかもしれないと思った。視野が狭くなっていることに気付いたら少し休んでみて、具体的な誰かに見られていることを想像してみるのもいいのかもかもしれない。

トスを待つ日向くんを意識するようになった影山くんのように。

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