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確定申告に関するあれこれ

今回も、無事期限内に確定申告書を発送できた。
この記事では、その中で考えたこと、気付いたことなどを書いていく。

納税は個人の判断で?

政治家が「納税は個人の判断で」的なことを言っていたから確定申告したくない、と考える人も居るようである。

自分の場合は、むしろ納税を減らす (還付させる) ために確定申告をするのである。
これは、例の裏金に関する報道とは関係なく、以前からやっていることである。

書類を保管する責任を国に押し付ける

マイナポイントに釣られてマイナンバーカードを作ったが、今回も確定申告書は紙で提出した。
これは、書類を保管する責任を国に押し付けるためである。

また、生命保険、国民年金の追納、iDeCo (自分の口座から引き落とし) をしており、また年末調整もしているが、これらは年末調整では申請しない。
これは、確定申告の還付金を稼ぐ目的に加え、職場に余計な負担をかけないという意味もある。

XMLが充実してきている

各所から、確定申告書の作成のために入力するデータをXMLデータにしたものが提供されてきている。

数年前から提供が始まった生命保険 (明治安田生命) の保険料の証明書や、ふるさと納税のポータルサイトが作ってくれる証明書のXMLデータは、確定申告書の作成に使えるだけでなく、それ用のツールで変換することで添付する紙の証明書のかわりにできる。

また、各種証券会社の特定口座年間取引報告書も、XMLでくれるところが増えている。
特定口座年間取引報告書のPDFデータからのテキストのコピーがなぜか禁止設定になっている不親切設計のSMBC日興証券も、今回はXMLデータをくれた。

ただ、まだ残念なところもあった。具体的には以下である。

  • 特定口座年間取引報告書のXMLデータを読み込んだ後、配当控除用のデータを手動で入力することを要求される。これらもデータ側にフラグなどを入れて自動で処理できてほしい。

  • 今回は、職場から源泉徴収票のPDFデータはもらえたが、XMLデータはもらえなかった。次回はもらえることを期待したい。

ふるさとチョイスが提供する証明書は、作成を要求してから作成が完了するまで数営業日のレイテンシが発生することがあるので、注意するべきである。
年が明け、作成の要求が可能になったらすぐに要求しておくのがいいだろう。
要求さえしてしまえば、作成の完了後しばらく放置しても大丈夫である。

今回は iDeCo についてもXMLの証明書が発行できる可能性が示唆されていたようだが、未確認である。

配当控除用に入力する情報が統一されていない

確定申告書作成コーナーでは、配当控除用に以下の情報の入力を求められる。

  • 株式・出資又は基金

    • 配当控除の対象とならないもの (投資法人 (REITなど) など)

  • 特定株式投資信託

    • 外国株価指数連動型以外のもの

  • 投資信託又は特定受益証券発行信託・オープン型証券投資信託

    • 外貨建資産割合又は非株式割合のいずれか高い方の割合が50%超75%以下であるもの

    • 外貨建資産割合又は非株式割合のいずれか高い方の割合が75%超であるもの(※)

    • 特定受益証券発行信託・特定目的信託等

「株式・出資又は基金」は株式やREITなど、「特定株式投資信託」はETFなどのことである。
ここで、前者は「配当控除の対象とならないもの」すなわち配当控除から除くものの入力を求められるのに対し、後者は「外国株価指数連動型以外のもの」すなわち配当控除から除かないものの入力を求められ、統一されていない。
なぜなのだろうか?

「本年中に減額された外国所得税額」の入力方法がわからなかった

米国ETFの QYLD について「現地源泉税還付」として入金があったため、「本年中に減額された外国所得税額」として外国税額控除の申告に反映しようと思った。
しかし、確定申告書作成コーナーでは該当の入力欄が見つからず、入力方法がわからなかった。
「本年中に納付する外国所得税額」では、マイナスの値の入力は許されなかった。

そこで、今回は徴収された税金の金額から還付された税金の金額を引いた金額を入力しておくことでこの後のページに使う数値を合わせておき、明細書の最初のページだけ別途様式に手書きしたものに差し替えて提出した。
このように差し替えが効くというのは、電子データではなく紙で確定申告書を提出するメリットの一つかもしれない。

とはいえ、この方法が使えたのは徴収された税額が入金された額より多かったためである。
入金された額が徴収された税額を超えてしまった場合は、この方法 (引いた金額を入力してこの後のページ用の数値を合わせる方法) は使えない。
やはり、そもそも確定申告書作成コーナー側で「本年中に減額された外国所得税額」の入力に対応する、もしくは入力方法をわかりやすくしてほしい。

マイナンバーは入力しない

確定申告書作成コーナーでは、申告者のマイナンバーを入力することを要求される。
入力しないと、入力画面と帳票出力画面の2回、確認のダイアログが出てくる。

しかし、自分はここでは入力しない。
なぜなら、マイナンバーをデータで保存したくないからである。
なんか気持ち悪いというのに加え、マイナンバーを保存すると修理を受け付けてもらえなくなるなどの実害が出る可能性も指摘されている。

そして、印刷後にボールペンでマイナンバーを書き込む。
このとき、別途様式を印刷し、書き込む欄を重ねて数字を書く位置がわかるようにして書き込む。

Firefox の PDF 表示には不都合がある

出力した確定申告書を Firefox 123.0.1 (Windows) で見ると、第一表で縦向きになるべきカッコが横向きに表示されるという不都合が出ていた。

Firefox で誤って横向きに表示されるカッコ

Google Chrome 122.0.6261.129 (Windows) では、きちんと縦向きに表示されていた。

Google Chrome で縦向きに表示されるカッコ

なお、確定申告書作成コーナーでは、出力した確定申告書について

Adobe Acrobat Reader以外で印刷した帳票は、機械で文字や数字が読み取れない場合があります。

としている。
単に保証できないというだけでなく、今回こうして実際に使用するソフトウェアによって不都合が出る可能性があることがわかった。
使用するソフトウェアおよびその運用は、利用規約やライセンスなどの遵守も含め、自己責任で考えるのがいいだろう。

確定申告書は実行可能バイナリ

確定申告書は、以下の点で実行可能バイナリに似ていると感じた。

  • 素人が読んでも意味や作り方がよくわからない

  • 人間にわかりやすい情報をもとに、ツールを用いて生成できる

  • きっと専門家からみたら意味がわかり、処理・解釈できるのだろうと思われる

還付金が減っている

今回の還付金は、前回に比べて約2万円少なかった。
理由の一つとして、前回は株式等の譲渡損失の繰越があったが、今回は無かったことが考えられる。

次回は、国民年金の追納が無くなるため、さらに還付金が減ることが予測される。

次回に向けて

次回も、マイナンバーをデータで保存したくないなどの理由により、確定申告書は紙で提出したい。

今回の確定申告書の発送は期限ギリギリになってしまったが、次回はもっと余裕を持って作成・提出ができるといいな。


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