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日記:自我を持つぬいぐるみ

我が子たちは以前から可愛いものが大好きで、結構な数のぬいぐるみを所持している。ベッドの中で優遇されているのはそのぬいぐるみたちで、一等いいところに眠るぬいぐるみたちをよそに子供たちはそれぞれ隅の方で狭苦しく眠っている。誰が部屋の主人なんだか。そんなわけで、そろそろ増えすぎたぬいぐるみの管理が難しくなってきたから、プレゼント等で増やすのをやめておこうね手持ちの子達を大事にしようね、と話しておりそんなわけで最近はぬいぐるみたちも固定メンバーに……なっていくわけもなく、自分のお小遣いで買ったりしている。ぐぬぬ。お小遣いの使い道は自由だ。我が家のぬいぐるみは増える一方。

一番最近来た子。かわいい。

そんな我が子たちがぬいぐるみを購入したときに必ず行う儀式(?)がある。

出先のお土産屋さんで必ずタグを取ってもらい、
大事に大事に抱えて車に乗り込んで、そこで。

「アレッ?ここはどこ?」(裏声)

突然ぬいぐるみが自我を持つ。

突然知らない場所で目覚めたぬいぐるみを、息子達は「ここは車だよ」「家に帰るんだよ」「家っていうのは僕たちが住んでいるところだよ」と説明する。自宅に帰るまでの車窓から「あれはマックだよ」「お腹が空いたらご飯を食べるよ」と世界の理をぬいぐるみに教えていく。新入りは戸惑いながら(裏声)次第に世界を理解して受け入れ、馴染んでいくのだけど。
車に乗るまでの自我どうしたん。
必ず車に乗ってからその自我は発露する。じゃあそれまでのぬいぐるみの自我はなかったということか?ただの布と綿のかたまりであり、それが息子によって購入され、抱えられて乗車すると自我を持つということなのか?なにがきっかけ?購入ではなく車なのか?でもサンタさんが持ってきたぬいぐるみは袋を開けると自我を持っていた。じゃあ車がトリガーではない……ということ?プレゼント袋のなかで何を思いながら待っていた?いやその時点ではまだ布と綿だった?息子が持ち上げることで自我が?じゃあ息子が命を吹き込んでいる……?

とか思いながら運転をしていた。ちなみに自宅に無事到着したぬいぐるみ達はだいたい古株たちに挨拶をさせられ、古株たちの自己紹介ののちに迎え入れられる。
我が家へようこそ。

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