私の人生の軌跡(ゼネコン営業マン編) 『T』という所長の話
私がゼネコンで営業マンになったのは30歳になってからである。
当時はまだ若い営業マンは少なかった。
高度経済成長期にはゼネコンに営業をさせずとも、大きなインフラ事業(高速道路、ダム、トンネルなど)が十分会社を潤わせてくれたのであった。
営業部にはそんな大型現場を終えてきた所長クラスの土木屋、建築屋が次にやって来る仕事に控えて、朝から暇そうに煙草をくゆらせ新聞に目を通して昼前に会社を出て行って、そのまま帰ることはなかった。
まだ潤った時代の名残りは会社に本当の営業の必要を感じさ