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Switchから『イース』は始められる

既にクリアしたビデオゲーム作品を別の環境で遊び直すことは,ビデオゲーマー生活を続ける中でだんだん増えてきた。自分は『ペルソナ5』をPlayStation 3で4周遊んだのに飽き足らず,PlayStation 4で『ペルソナ5 ザ・ロイヤル』を原作エンドでクリアした。
Nintendo Switchを購入した後は,先にPlayStation 4でクリアした作品を「動作検証」と称してSwitch版を買い直すことが増えた。現時点でアトラスやファルコムが発売したPlayStation 4向け作品のうち,Switch版があるものはほとんど購入している。特にファルコム作品については,2017年以降にPlayStation 4で最初に発売された作品のSwitch版は必ず購入し,一部作品に至ってはSwitch版をもクリアするハマりようだ。

先にPlayStation 4で発売された作品が後からNintendo Switchに移植される際,どうしても何かを簡略化せざるを得ない……そのことを忌避する立場は一定の支持を集める。それはファルコム作品に対しても例外ではなく,PC系デジタルストアへの復活を望む声に比べて,Switch版への需要はあまり大きくないように感じる。それでもSwitch版の体験が選択肢の一つとして提示されることはやはり重要で,そして決して損ではない。Switch版で何度目かのゲームクリアを迎えたいくつかの作品を振り返りながら語る。

……ということで,今回はPlayStation 4版での周回プレイに飽き足らず,Switch版でも周回を成し遂げた『イースVIII -Lacrimosa of DANA-』と『イースIX -Monstrum NOX-』の2作品の話をする。

Vita版『イースVIII -Lacrimosa of DANA-』が恋しいならばSwitch版はなおさらおすすめ

「Switchで最初に遊ぶべきファルコム作品は?」と問われれば,自分はまず『イースVIII』を挙げる。Switchで発売された最初のファルコム作品,かつPlayStation Vitaで自社発売された最後のファルコム作品,さらにはファルコムが2013年から続けてきたフリーカメラ式3Dゲームをめぐる模索が一段落した時期,とさまざまな区切りに重なる作品だ。

自分は2016年のPlayStation Vita版から翌年のPlayStation 4版にかけてそれぞれ2周し,それにも飽き足らずNintendo Switch版をも購入し,そしてクリアした。少なくともこの作品を5周しているが,Vita版の敵撃破エフェクトでフレームレートが落ちようが,Switch版の平均フレームレートがPS4版より抑えられていようが,お構いなしである。

Switch版『イースIX -Monstrum NOX-』に開発陣の意地を見た

2019年にPlayStation 4で『イースIX -Monstrum NOX-』を遊んだ際,自分が使っていた初期型(おそらく2015年製)での動作が所々危うかったため「これはSwitch版は厳しいな……」と思っていた。先にPlayStation 4やXbox Oneで発売された作品が後からNintendo Switchに移植される例は多いが,Switchでの展開を前提にしていない限りは,どの例も総じて動作を丸ごと再現することは叶わず,高いフレームレートを抑えたり,表示最大解像度を抑えたり,と何かを諦めることが多い。有名な例はSwitch版『The Witcher 3: Wild Hunt』だろう。

Switch版『The Witcher 3: Wild Hunt』についての記事(上記)を拝読すると,本来コンソールやゲーミングPCで最大限の性能を発揮することを前提として開発された作品を,それらに比べ決して万全とはいえない環境に移植することの困難さが伝わってくる。もちろん「そこまでして遊びたいか?」という非難はあろうが,遊べる環境を可能な限り広げて作品が知られる機会を増やすための取り組みを,自分は応援したい。

では肝心のSwitch版『イースIX』の遊び心地はどうだったのか?と聞かれれば,「最高とは言えないまでも,十分に楽しめる」と答えられる。
危惧していたバルドゥーク街中でのフレームレート急落がほぼ起こらず,敵撃破時のエフェクトが一瞬遅れるくらいでとどまっている。
アクション部分のフレームレートは安定して体感30fpsを維持しており,アクションのもたつきを感じさせない。
そしてUIのフレームレートはPS4相当のハイフレームレートを達成しており,フレームレートに係るSwitchのデバフ感を和らげることに一役買っている。
そこであのカッコイイBGMを聴きながら駆け回れるのだから,とにかく楽しい。

今『イースVIII』や『イースIX』を遊ぶ際にSwitch版は有効な選択か?

結論を言えば「有効」だ。

これらの作品を最も快適に遊べる環境としてPlayStation 5やゲーミングPCがあることは間違いないし,ファルコムが直接開発するPlayStation版,そしてNIS Americaが移植を担当したPC版に触れることが望ましいことは言うまでもない。
では,それらの環境は現時点(2021年10月4日時点)で容易に入手可能か,と問われれば,PlayStationシリーズ本体の価格高騰,ゲームプレイを支えるPCパーツの品薄かつ価格高騰が重なって,今からPlayStationやPCゲームを始めることは困難になってしまった。

それらに比べて,Nintendo Switchはまだ入手難度が高くない。標準モデルの定価が相対的に安いことに加え,ハンドヘルドに特化し価格を抑えたNintendo Switch Liteがあるため,外部接続に固執しない限りNintendo Switchを入手することはそれほど難しくない。

環境を手に入れられないことが障害となって体験のきっかけを逸することは非常にもったいない。まずは身近な環境でプレイを始めて,より追求したくなればより快適な環境を追い求める策でも十分楽しめるはずだ。ぜひお持ちの環境で,一刻も早く遊び始めてほしい。

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