見出し画像

9階建の書店で落ち合う

9階建てのおっきい本屋さんを、待ち合わせ場所にしてみた。
金曜日の夜、高校時代の友達と適当に喫茶店でも行こうと約束していた。

駅構内で盛大に道に迷い、私が待たせる側になってしまった。
着いて、「どのへんにいる?」と連絡するも、返信がない。

「あの子はあれを読むだろうな」とPOPEYE売り場に行ってみると、やっぱりいた。これぞ友達〜と嬉しかった。まかせろ。

夜=飲みに行く、の共通認識がそもそも無いというのもお互いに心地いいな〜と思う。

何を飲もうが食べようが、最後はコーヒーと甘いもので締めるのが一番幸せだという共通認識があるのも心地いい。

ジャズが流れる喫茶店に行き、カウンター席に案内された。

チーズとか


なんだか対人している感がやわらぐから、向かい合わせの席より本音がすらすら出てくる気がする。

でもカウンター席のあの微妙に高い椅子、いつまで経ってもダサい着席・離席しかできない。いつも勝手に1人で気まずくなってしまう。

社会人になりたて同士、みずみずしい近況報告が交わされると思ったけど、
まず健康診断に引っかかった話をされた。思いっきり血圧の話とかした。血圧の話が弾む友達が1番いい。

同窓会いく?行かないよね〜

一人暮らししたらちょっと潔癖になった。わかるー

なんかさあ大人になってからの方が仲良くなったよね。ね〜。

自炊って名も無い料理しかしないよね。「焼いたやつ」とかね〜。


とか、そんな話であっという間に4時間くらい経っていた。何曲ジャズ聴いたかな。 

ちまちまと注文を足しながらめちゃくちゃ居座った。

後ろの席に座っている、出会いたてっぽい男女の会話に耳を澄ませてフムフムと目くばせをしあうやっかいな客にも途中なった。
やってることは高校時代のマックから変わらない。

「23歳って、結婚は少し遠いけど学生みたいに『楽しい!』だけで付き合ってる場合じゃない感じがして難しいよね」みたいな会話もした。これはみずみずしい。

プロフィール欄にも書いているけど、私はこの場をとりとめもない軽い遺書としても活用しているので生々しい23歳の恋愛トークもたまには残しておいていいかもと思い、書いておく。

(1年前も遺書について書いていた。)



おっきい本屋さんで待ち合わせするの、
関係が浅くても待ってた場所が会話のタネになるし、
関係が深かったら「あそこにいるんだろうな」とわかって楽しいと思う。

そしてこれに気づいている人はもうきっとたくさんいるけど、自分で思いついて自分で経験して自分で良かったな、と思えているので自分が発見したまちあわせ、ということに都合よく解釈したいと思う。

私が会いたくなる大切な人たちはどこで待つかな〜と考えると、POPEYEの子、文庫本の先輩、Cancanの子、レシピ本の人、とかいろいろいた。

みんなとの待ち合わせこれから全部紀伊国屋書店にしようかな。私はきっと&Premiumのところにいる。

〆コーヒー

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?