近況報告:心理療法は自分にとって薬より合っていた!

皆様おはようございます。大津高志です。
2023年の10月から博士課程を休学して、リフレッシュしてから4月に復学しました。
今回は「私の博士課程でのイップス」についてお話をさせてもらいたいと思います。

休学を決めた理由は、2023年のある日PowerPointを開いた瞬間にスライドを作ることへの「とてつもない恐怖」が押し寄せ、逃げ出すほどにメンタルが追い詰められていたということに気づいたことがきっかけです。

東大には困った時に相談するセンターがあるのですが、そこに駆け込んだ時はまともな日本語すら話せない程にパニックを起こしておりました。(修士の頃から親切にしてくださっている相談員かつ医師の先生が親身に相談に乗ってくださいました。)そこで休学を勧められて、「まあそれがいいな」と思い数日で休学届を出しました。

修士の頃から「学術論文を出さないと!」「そうできない自分はダメな存在だ」という思考になっており、自分で自分を追い詰めていました。未だに学術論文を出せていなくて、これについては心の深い傷になっています(学術論文の投稿は博士課程の卒業要件であるため、これを乗り越えれば凄く自信がつくはずです)。

周りはプレッシャーをかけるどころか、「得意分野を中心に出来ることだけやればいい」「論文を出すのを手伝うし、それで自信がつくと思うから頑張ろうね」と励ましてくださったのですが、自分自身の思考の問題(所謂「思考の歪み」という言葉でしょうか)が自分自身を追い詰めておりました。(長年見守って、助けてくださっている研究室の方々には心から感謝しております。)

このような流れから長年精神科に通っていたのですが、医師との相性が悪く「人格は良かったものの、薬は効かないと話して薬を替えて増やすだけ」という医師に何度も出会いました。研究がどんどん進まなくなり「なぜ自分は良くならないんだろう?」と思い究極的は「自分がダメだから、劣っているから」とまで思うようになりました。
      
極端な思考ですが、何度も新しい病院に行くと「ここならきっと良くしてくれる」と思い、結局は効かない薬を処方されるだけと感じて「やっぱりだめだよね(自分は何かを成し遂げようとすると、必ず失敗するんだ)」と感じることを繰り返していました。
今思えば、対処法が違ったのが原因だったと思います。フラッシュバック(過去の出来事が頭の中で凍結されて、感覚がそのまま『現実のこと』として再現される)のようなトラウマは薬で治す分野ではあまり扱わないらしいです(個人の感想です)。

2023年(博士課程3年)のある日、転機が訪れました。
「精神科の薬がダメならEMDRや持続エクスポージャーのような、トラウマ(心理的外傷)に向かい合うのはどうだろう」と思い立ち、カウンセラーさん(臨床心理士で、きちんと治療のセッションに対する契約書を書く真面目な方)に何週間かごとにセッションを受けることを始めました。このカウンセラーさんは「ホログラフィートーク(心の中の「ストレスの体が動かない」機能に名前をつけて、その部位の人格に名前をつけてお話する)」と「EMDR(目を左右に動かすのではなく、パルサーというものを手に持ち、相互に震えさせることで脳の左右に刺激を与える、らしい)」を合わせた技法を使っておりました。

これはすごく有用でした!中学校でうまくいかなったことや教師(校風)との相性の悪さによるトラウマがどんどん解消されていきました。

2月頃にはすっかり調子が良くなり、再び復学を決めたのですが、結局は4月の「博士課程の中間報告」でPowerPointやWordを開く時に休学直前のようなな恐怖が押し寄せてきて半分程度しか出来ませんでした。
ここから自分の思考がさらに極端になり、「文章やスライドが書けないなら研究者にもなれないし卒業できない、論文も出せない」という「思い込み」が強く、惨めな気持ちにさえなりました、

今思えばカウンセリングでは中高のトラウマは扱っていても研究がうまくいかないトラウマは扱っていなかったので対処できてない当然なのですが、最近はかなり自暴自棄になっていました。

今朝は落ち着きながらも長年のトラウマ、そしてそれを抱えたことによる人格や「認知の歪み」を直すのは難しいな、と思いつつ暮らしいてます。

それでもトラウマを中心としたカウンセリングのおかげで「きっと自分にはこれを乗り得る力がある」と思えるようになったのは幸いです。 

文章すぜを書けなくなるのは恐ろしいことです。研究以外でも「私の邪馬台国の物語」を書こう!としても「文章を書く、頭の中の物語を外に出すのは恐ろしい」「そんなことよりスマホしよう、お酒を飲もう」という理性とは違った部分が自分を安全圏(努力しなければ傷つかない)に引きずり込みます。
結局はカウンセリングを続けて一つ一つ問題を解決するしかないのですが、気持ちが弱っているのあり先が見えないような気さえします。

それでもカウンセリングで学んだ「自分は現状を変えられる」「ストレスを前に硬直するのも自分を守ろうとする心の働き、少し抑えてもらう必要はあるけれども」など常に胸に留めたいと思います。

長くなりましたが読んでくださって感謝します。

もしも長年精神科に通って「なんでよくならないんだ?」と苦しんでいる方がいたら、方向性を変えて臨床心理士や公認心理師のアドバイス(特に日本EMDR学会のリストに名前が乗っている先生)を受けることもおすすめします。それはトラウマ由来かもしれません。

この記事が参加している募集

#自己紹介

227,686件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?