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目指す会 2402 トレイルラン 高尾山口④

グギった右足の回復を待ちつつ、少しずつ歩みを進める。大きな怪我にならなくてよかった。トレランでアクシデントが発生する度に思う事がある、昔のヒトってすごいなーって。なんか小学生の読書感想文みたい。

というのも我々はバッチリと装備を調えて山に臨んでいる。トレラン専用のシューズ(ソールがマウンテンバイクのタイヤみたいに凸凹)を履き、速乾性の高いウェアを身にまとい、軽量かつ収納力もあり揺れないバッグを背負い、手軽にカロリー摂取できる補給食を持って。

方や昔のヒトは雪駄、草履とクッション性の低い足下、厚く水はけの悪い和服、バランスの悪い風呂敷に草で包んだおにぎりを背負って山を越す。しかも今と違って地面も舗装や階段など設置されていない。同じ山を越すという行動でも難易度は雲泥の差。

たとえば幕末、近藤勇ら試衛館の面々は侍になり一旗揚げるために東京から京都まで歩いて移動したわけで(15日くらいかかったらしい)、道中山道もあったことを思うと更に新撰組へのリスペクトが高まるってもんだ。

そんなことを考えているうちに堂所山に到着、脚は完全に復活だ。

フレームの外では品の良いおばちゃんがおむすびを食べていた

残り行程をE原さんに確認。するともう山は目指さず、少し進んだ後は平坦な道を10キロばかし走るとのこと。2月下旬に参加する千葉鋸山のトレランの大会を想定してのプランだそうだ。

というのもその鋸山コースの後半がアップダウンを繰り返す山道というよりかは平坦中心で、ほぼほぼランニング仕様になっている。
トレイルでいじめられた体で臨むランニング。トレラン未経験者はラーメン食った後に「あ、やべ、チャーハン頼んだの忘れてたわ」ってシチュエーションと同じくらいピンチだと思ってくれたら良い。

大会に向けた調整が今日の目的、さすが目指す会会長は意識が高い。ということでランニング開始ポイントに向かう。

ランニング開始ポイントでのボス

顔隠しているからあれなんだけど、E原さんは写真に写る時常に同じ表情をする。口を詰むんだ能面がほんの少しだけ笑ったようなそんな表情。写真のうちの9割5分はその表情だ。(残りの5分はしんどすぎてつらい時)
そのこだわりは「うちは中華そばしかないから」を売りにするラーメン屋のジジーに引けを取らない。顔をさらせないのが残念だ。

話はそれたがランニング開始。前半約5キロは山道、緩やかな下り坂。残り5キロは町中オンロードの平坦で高尾山口駅に戻りゴール。ラストスパートと呼ぶには10キロは長すぎるが頑張っていこう。

前半は山の中、砂利道を進む。歩いたら気にならないくらいの下り坂。自称ダウンヒルの申し子E原さんはここでも特殊能力を発揮しいつになく速いペースで進む。あまり大きな声で言いたくないが筆者はついて行くのがやっとだった。

下り坂を置いておいてもE原さんは今までになく速いペースで今日1日走っている。もーすぐ50歳E原Tつるは常に進化してます、ということか? なんにせよあそぶことにかんしてのE原さんのバイタリティーは学ぶべきところがあるのは間違いない。

なんてほんの一瞬、サブリミナル効果くらい一瞬だけE原さんを尊敬仕掛けたとき、E原さんが「いてっ!」と悲鳴を上げた。どうやら砂利にありを捕られてグギッたらしい。調子に乗るからだ。

「大丈夫ですか??」なんて心配するそぶりをしながら(よっしゃ、仲間が出来た!)と数時間前グギッた筆者が内心思わなかったはずがない。筆者も基本そちら側の人間だ。

幸いE原さんも大事には至らず、程なくしてランニング再開。無事に前半の山道区間をクリア。

E原さんの表情が同じだということを表情すべく同じスタンプで演出

表情に加えてE原さんは、1つ前の写真を見返してもらえばわかるとおり基本的にピースサインしかしない。きっと彼が生まれ育った時代にはピースサインしか存在しなかったのだろう、令和は多様性の時代だ。

ということでトレラン要素はここで終了。あとはオンロードを5キロほど走ってゴール。次回最終回もお楽しみに。

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