Messor飼育観察

【※写真の無断転載・使用は禁止です!】 身近な生物の飼育・観察を通して、自然や生態系に…

Messor飼育観察

【※写真の無断転載・使用は禁止です!】 身近な生物の飼育・観察を通して、自然や生態系について感じたことを書いています。

最近の記事

  • 固定された記事

クロナガアリ 10年間の飼育記録

日本には300種類近くの蟻が居るようです。世界には1万種類以上と言われています。 蟻は多くの人達は気にも留めない生物ですが、本当に奥深い生活を営んでいます。 ほとんどの蟻の主食は、甘いものor他の昆虫なので肉食性です。 しかし、日本に唯一草食性の蟻が存在します。 それがクロナガアリ(Messor aciculatus)です。 我が家では2013年に飼育を始めて、10年以上飼育しています。 女王アリの寿命は10年~20年と言われていますが、正確には分かっていません(海外の

    • クロナガアリ飼育12年目(2024年)

      飼育12年目(2024年)も、飼育ケースは2箱(合計18部屋)で飼育を続けています。産卵は現在も行われており、今後もコロニーは続いていきます。2024年4月に女王アリ2匹が相次いで死亡しましたが、クロナガアリは多雌のため、残りの女王アリ8匹で飼育しています。今回は18部屋全ての写真を撮影しました。 各部屋は整然と整理されており、クロナガアリの高度な生活を観察する事が出来ます。種子貯蔵庫、女王アリの部屋、幼虫の部屋、オスアリの部屋などがあります。

      • クロナガアリ12年目 女王アリの死

        2013年から飼育を開始したクロナガアリのコロニーですが、2024年4月26日に遂に女王アリが死亡しました。11年間の寿命を全うした大往生でした。女王アリに異変が生じたのは4日前の4月22日でした。女王アリに異変が生じてから死亡するまでの4日間を記録する事が出来ました。 クロナガアリの女王アリに異変が生じたのは2024年4月22日でした。働きアリ達が女王アリを集中的にグルーミングする様子が観察されました。通常でも女王アリはグルーミングされていますが、今回は、多くの働きアリ達

        • 信州産クロナガアリ飼育1年目(2023年)

          2023年4月20日 (最高気温:27.3℃) に、長野県でクロナガアリの結婚飛行が行われました。クロナガアリの巣から羽の生えた新女王アリとオスアリが出現し、上空で交尾して、新しい巣(コロニー)が形成されます。 クロナガアリの結婚飛行を観察しました。 クロナガアリの巣の付近を捜すと、羽を落とした新女王アリを1匹捕獲する事が出来ました。 捕獲したクロナガアリ新女王を飼育ケースに入れて、女王1匹からコロニーを創設させました。コロニー創設を確実に成功させるため、2013年の飼育

        • 固定された記事

        クロナガアリ 10年間の飼育記録

          クロナガアリ飼育11年目(2023年)②

          飼育11年目(2023年)の夏を迎えましたが、クロナガアリは現在も順調に産卵を続けています。幼虫も増えコロニーが活性化しています。近年は猛暑日が続くため、夏はエアコンで空調管理しています。クロナガアリは地下4~5mまで巣を掘るので、猛暑の時期は巣の深く涼しい場所で過ごしているはずです。クロナガアリの長期飼育において、夏の空調管理は特に大切です。

          クロナガアリ飼育11年目(2023年)②

          クロナガアリ飼育11年目(2023年)①

          飼育11年目(2023年)も、飼育ケースは2箱(合計18部屋)で飼育を続けています。産卵は現在も行われており、今後もコロニーは続いていきます。クロナガアリは多雌のため、女王アリは10匹で飼育しています。今回は18部屋全ての写真を撮影しました。 各部屋は整然と整理されており、クロナガアリの高度な生活を観察する事が出来ます。種子貯蔵庫、女王アリの部屋、幼虫の部屋、オスアリの部屋などがあります。

          クロナガアリ飼育11年目(2023年)①

          クロナガアリ飼育8~10年目(2020~2022年)

          飼育8年目以降になると、クロナガアリのコロニーは成熟して安定期に入りました。 飼育8年目(2020年)には、コロニーは最盛期を迎え飼育ケースは6箱にもなりました。 飼育9年目(2021年)から、コロニー人口はゆるやかに減少するようになりました。飼育ケースは6箱から4箱に減りました。 飼育10年目(2022年)には、コロニー人口は更に減少を続け、飼育ケースは2箱になりました。飼育3年目の規模まで減りました。 クロナガアリの女王は10年間生きています。クロナガアリの女王ア

          クロナガアリ飼育8~10年目(2020~2022年)

          クロナガアリ飼育4~7年目(2016~2019年)

          飼育4年目以降のクロナガアリも順調に成長を続け、2016年~2019年のクロナガアリのコロニー総数は、1000~1900匹程度で推移しました。 飼育4年目(2016年)には初めてオスアリが16匹誕生しました。この時の働きアリは1000匹程度です。 飼育5年目(2017年)には画期的な事が起こり、遂に33匹の新女王アリが初めて誕生しました。この時オスアリは350匹程度、働きアリは1300匹程度です。 飼育6年目~7年目(2018~2019年)は、コロニー総数は最大で200

          クロナガアリ飼育4~7年目(2016~2019年)

          クロナガアリ飼育3年目(2015年)

          クロナガアリは飼育3年目の2015年にも順調に増殖を続け、コロニーの働きアリは900匹にも達しました。コロニーが巨大になるにつれ働きアリの役割分担が明確になり、小部屋が様々な用途で使い分けられるようになりました。 コロニー全体は3箱の飼育ケースが連結されています。各部屋は、働きアリの待機所・種子の貯蔵庫・幼虫の育児室・女王アリの部屋・ゴミ捨て場など多彩な使われ方をしています。 次に、各部屋を詳細に見ていきます。クロナガアリには様々な種子を与えていますが、種子の種類によって

          クロナガアリ飼育3年目(2015年)

          クロナガアリ飼育2年目(2014年)

          2013年に購入したクロナガアリのコロニーは、2014年に順調に数を増やしました。蟻の飼育には土が必要なイメージがありますが、実際は土は必要なく、透明なプラスチックケースで飼育できます。 クロナガアリは種子を食べるので、小鳥の餌として販売されている種子を与えています。 1種類の種子だけでなく、様々な種類の種子を与える事がコロニーを増やす秘訣です。その甲斐があって、2014年にはコロニーの働きアリの数が100匹を超えました。

          クロナガアリ飼育2年目(2014年)

          クロナガアリ飼育1年目(2013年)

          クロナガアリとの出会いから、およそ20年。 自然科学の奥深さに魅せられ、大学の研究室では生態系に関する研究を行いました。 しかし、クロナガアリの飼育は小学生の時だけで蟻とは縁のない20年間でした。最初の就職先は東京でしたが、仕事で忙しい毎日でした。 そんな時、ふとインターネットで「クロナガアリ」と検索しました。すると、クロナガアリの女王アリが販売されていました。実は2010年頃から蟻飼育が脚光を浴びはじめ、蟻を販売するサイトが出現していました。 蟻飼育は少しずつ注目されて

          クロナガアリ飼育1年目(2013年)

          クロナガアリとの出会い(1994年)

          1994年、小学校2年生(8歳)の時、図書室にあった『クロナガアリ(偕成社)』という本を読んでクロナガアリという蟻を初めて知りました。 種子を貯蔵する事、地下4~5mの巣を作る事など興味深い生態で、クロナガアリを飼ってみたくなりました。 クロナガアリは秋に種子を収穫して貯蔵しますが、秋以外は巣の中に籠って暮らします。そのため、秋にならないと巣の場所が分かりません。 しばらくはクロナガアリを忘れていましたが、ある秋の日、たまたま友人達と原っぱで遊んでいると足元にクロナガア

          クロナガアリとの出会い(1994年)