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2020年4月の#わたしが帯を書いたなら

なぜ、「勝手に本の帯を書く」だなんて勝手なことをしているのか、については、年始の2020年1月の#わたしが帯を書いたなら の冒頭で、まったく説明になっていない説明を書いているので、読み飛ばしてもらっていい気がします。

そんなわけで、今月も、2020年4月に読んだ本の「自作の帯」をここにまとめることにします。
3月・4月と。なんだか心がざわついて、ちょっとしか読めずに残念でした。

向田邦子の恋文

著:向田和子

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向田邦子さんの実の妹さん・向田和子さんが書かれた本です。
お姉さんの恋人との手紙を公開する、ということについては賛否両論あって然るべきだなあと思うのですが、シンプルに、内容の感想としては「当たり前だよなあ」「そりゃあそうだよなあ」ということで、どんなに勤勉で優秀で完璧な、隙のない人に見えても。
人がそこまで頑張れるのは、支えたい人がいて、その存在が自分を支えてくれているからなのだろうなあ、と改めて思います。
向田さんにとっては、それが恋人であったし、きっとご家族の存在もまた種類は違えど、そういった支えになっていたのだろうなあと感じました。
素晴らしい作家さんの違った顔にふっと触れたようで不思議な心地でした。覗き見してごめんなさい。
爆笑問題・太田さんの解説もまたよかったです。

苦しかったときの話をしようか

著:森岡毅

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(これは、大げさに言っているのですが)胸が震えました。でも本当です。すぐに行動に移すこともできたし、読んだあとは、もっと早く読むべき1冊だったと、焦ってしまいました。
「キャリア戦略」「自分マーケティング」についての本ですが、仕事との向き合い方、理想とギャップのある自分自身との向き合い方にも、熱く丁寧に触れられています。
途中の章で「ブランド・エクイティー・ピラミッド」という、自分ブランドの設計図が紹介されていて、自分でも解像度高く制作してみると本当におもしろいです。
「キャリアとは、自分をマーケティングする旅である」。
そして、実戦に役立つキャリア戦略本であるにも関わらず、最後の最後にほろりと泣かせられてしまうのも、ものすごくおもしろい体験でした。
かっこいいお父さんだなあ。

心がつながるのが怖い

著:イルセ・サン

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近ごろ、現在の状況もあってか、まわりの人と「胸の内」や「心理状態」について深く話すことが多くなりました。
その流れで手に取った1冊でしたが、「そういうことがあるものか」と勉強になりました。
デンマークの心理セラピストであるイルセ・サンが、事例を中心に「幼少期の自己防衛方法が大人になってどのように影響するか」という話をまとめています。
自分自身に、ぴたりと合致する事例はありませんでしたが、たとえば記憶の補完や願望で幼少期を美化したり、逆に悲観するようなケースは、近い現象を感じたり、まわりの人にも多いだろうなあと感じて、なかなか興味深く読みました。
頷きながら読みました。「読むセラピー」みたいなものかもしれません。

こちらあみ子

著:今村夏子

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どうやら、今村夏子さんが書く「文体」なのか、あるいは「世界観」なのかに、わたしはめっぽう弱いようで、読んでる最中は、携帯電話を覗くことも1度もなく、もっと言うと自分自身の存在さえ忘れて、今作であれば「あみ子」になってしまって…。なんだか大変な「はぐれ者」になってしまったような気持ちになりました。
居心地が悪くて悪くて。それでもやっぱり、おもしろかったです。
2作目「ピクニック」もなんだか、想像のつかない、続きの気になる、ザワザワザワザワした展開で、他の本も溜まっているのに、はやく今村さんの他作品を読みたくて仕方ない自分がいます。
もう1度言いますが、おもしろいです。

やる気が上がる8つのスイッチ

著:ハンディグラント・ハルバーソン

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気味が悪いことを言いますが、「どうしたらやる気が出るんだろう〜」と手にしたわけではなくて、「なんでこんなに、やる気が続くんだろうか…」と自分を不思議に思って読みはじめました。気持ちが悪いけれど。
8種類の人間タイプそれぞれに、効果がある状況や声かけが解説されているのですが、驚いたのは「え、こういう状況でやる気が出ない人がいるの?」「わたしは、そんなことされてもちっとも嬉しくないな」ということがあまりにも多くて。人はそれぞれこんなにも違うんだ、ということを改めて思い知らされました。
成果を出すことに興味がない人もいるのか、と反省してみたり。
特に「獲得フォーカス』に分類されるわたしには、「回避フォーカス(安定や不変を求める、慎重で堅実)」の人の気持ちは、かなりわかりにくいものであることに気付けたのも大きな収穫で、マネジメントに関わる人に頭の隅に置いておいてもじゃないかなあと思いました。
いろんな人と関わりながら仕事をする中で、すこしでも人の気分を盛り上げられるようになりたい、そのヒントを得ることがような一冊でした。

2020年4月に読んで、特によかったものを、ざっと並べてみました。本はいいなあ。帯を書いていなかったら、絶対こんなに覚えていなかったけれど。

最新の「自作帯」はこちらです。

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