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去年の桜

妹のスマートフォンに保存されていた桜の写真。
ちょうど今頃になるのでしょうか?

つぼみがたくさん付いています。やっと暖かくなり、花が咲き始めた頃ですね。

去年の今頃(3月)のLINEでの妹とのやりとりを振り返ると、新しい抗がん剤を始めるために、1回目の投与は一泊の入院で行い、翌日の退院の時に私が病院まで迎えに行っていました。

帰りに病院近くのパン屋さんでパンを買い、病院(大阪市福島区)〜枚方までの帰り時、寝屋川に立ち寄り、お雛様ケーキを買って、うちで母と3人で食べたとのやりとりが残っていました。

この頃には、使える点滴がだんだんなくなってきていて、かなり副作用の強い、他のがんに使う薬を試すまでになっていました。
妹は副作用が大きい事は知っていましたが、数ヶ月でも使えて、少しでも延命できるなら頑張りたい。
その間に新しい治療法や治療薬が出ればいいんだけど…と毎回願いながら挑んでいました。

しかし当時妹は、私にもそこまで詳しく話す訳ではなく、薬の名前と点滴時間などを説明するくらいなので、私は家に帰ってから、ネットで猛検索した結果、「こういう薬なのか。こんなにしんどいのか…」とようやく知る、というような状態でした。

「まさか来年は見れない、ということはないだろう」と「もしかしたら来年は見れないかもしれない」という両方の思いで、この桜を見ていたのではないかな、と思います。

職場の方々とお花見に行った写真も残されておりました。
たくさんの美しい花を見ていると「見れないかもしれない」ではなくて
「見れるように頑張ろう」と思っていたのかな?と思えてきました。

また皆さんと一緒に桜を見に行くのを楽しみに頑張っていたんだろうなと思います。

妹の見たかった桜。
家族で見に行きたいと思います。

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