アステル@ワインとフランスと日本と私

フランスのリヨン市在住→郊外へ引越し(家を買ったった!)。ワイン関連のお仕事をしていま…

アステル@ワインとフランスと日本と私

フランスのリヨン市在住→郊外へ引越し(家を買ったった!)。ワイン関連のお仕事をしています。気づけば在仏9年目、30代後半突入。 日仏のいろいろを書き綴っていきます。

最近の記事

【自為読書】 エピソード1.0 ギリシア神話

自分のための読書を略して「自為読書 (ジタメドクショ)」と名付けてみた。 私がこういう読書をしようと思い、何から読んだらよいのだろうと探り、、、行きついたのが「まずは神話を読もう」であった。 1.ギリシャ神話を選んだ理由自為読書の目的は、自分の心の居場所を作ることでもあるから、表面的ではなく完全に内省できるものが良かった。 なにかこう、表面的なものではなく、自分の心の根幹を為すものを理解することが必要だと感じていた。 だからいろいろな学問のもとを辿ってみた。 私は下記のよう

    • エピファニー 2021

      日本でもほんの少しずつ知名度が上がってきた「エピファニー」と「ガレット・デ・ロワ」。 その背景に商業的な意図が見え隠れどころか見え見えであるところはおいておくとして…、フランスの地元民が見るガレット・デ・ロワについて書いてみる。 1. ガレット・デ・ロワとはキリスト教(カトリックもプロテスタントも含む)の公現祭に食べるお菓子のこと。 公現祭とは、イエス・キリストの洗礼と、東方の三博士の訪問と礼拝を記念して行われるそう。 この祭りのことを「エピファニー」と呼び、1月6日で固定

      • 【フランス流地産地消メニュー】クリスマス2020

        あれよあれよという間に、今年のノエルも終わった。 家を買って初めて過ごすノエルは、友人と義母を招いて、美味しいものを食べてまったり終わった(と思う)。 パリにいた頃は、義母宅でクリスマスを過ごすことがほとんどだったので食事の準備からなにからお任せ状態だったのだが、今回は自分で準備することになる。 ということで、リヨンを含むオーヴェルニュ・ローヌアルプ圏をテーマに、可能な限り地産地消のメニューを作ってみた。 食前酒:クレレット・ド・ディ  夏にディへ行ってきたのもあり、シ

        • バルコニーでクリスマスを

          フランス語のことわざで、 Noël au balcon, Pâque au tison. 発音:ノエル・オ・バルコン、パック・オ・ティゾン 直訳:バルコニーでのクリスマス、火の横でのイースター というのがある。 バルコニーで過ごせるくらいクリスマスの気候が暖かければ、イースター(キリストの復活を祝う春の祭り)は冷え込むから暖が取れるところで過ごすことになる、ということだ。 確かにここ何年もクリスマス時期の天候が暖かく、春に霜が降りることが多い。ブドウもそれで何度もやら

        【自為読書】 エピソード1.0 ギリシア神話

          自分のための読書 エピソード・0.5 「紙の本 VS 電子書籍」

          前回の投稿に続き、うっとうしい題名をつけてしまったが、一度これをまとめて書いておきたかった。 それは 紙の本 VS 電子書籍である。 日本での電子書籍の普及具合は低いらしい。数字はきちんと調べてないが、中韓と比べてもかなり低いそうだ。 その大きな理由は価格だろう。出版・印刷会社の利権問題も当然あるだろうが…。 同じ本でも、紙媒体と電子媒体での価格がほとんど同じだから、Kindleなどの電子書籍リーダーの価格を回収するのにかなりの冊数を読むことが必要になる。 ただ、日本の

          自分のための読書 エピソード・0.5 「紙の本 VS 電子書籍」

          サパン・ド・ノエル(仏語)= クリスマスツリー(英語)を飾ってみた。

          第二回目ロックダウンを、「ノエル(クリスマスの意の仏語)」を理由に部分的に解除したフランス。 と同時に、「サパン・ド・ノエル」の販売も始まった。 例年、「置く場所がない」のと「たった1カ月のために切られる木がかわいそう…」という二つの理由でサパンを飾ってこなかった私と夫だが、今年は家を買ったし、流れ的に今年のノエルは義両親を呼んでわが家ですることになりそうだから、例外的にサパンを買った。 フランスで、サパン・ド・ノエルがどのように売られているかご存じだろうか。 園芸店に行

          サパン・ド・ノエル(仏語)= クリスマスツリー(英語)を飾ってみた。

          自分のための読書を始めよう。 エピソード・0

          『読書』というものを、私はこの歳になるまで自分なりにちゃんと考えたことが無かった。 「本を読め」という言葉は、誰しもが誰かから必ず耳にするが、つまり「読書とはいったい何か」を自分なりに考えて理解した上で読書をしている人ってどれくらいいるんだろう。 考えるために自分の読書遍歴を振り返ってみた。 読書は、記憶のあるころには「させられるもの」だった。 夏休みには「読書感想文」が宿題の中に必ずあって、自由研究や漢字ドリルなんかより一番頭を悩ませた。 それでも書いた読書感想文がなぜ

          自分のための読書を始めよう。 エピソード・0

          フランスの秋の夜長に…(長すぎて朝も暗い)

          11月22日、いい夫婦の日だ。日本語は何かと語呂合わせが多いと思う。 フランス語は同音異義語があんまりない。 でもワインには、Vin(ワインの意味のヴァン)とVingt(数字の20という意味のヴァン)が同音異義語であり、かつ、フランスのテストの点数表記が20点満点なのもあり、満点を意味するVingt sur vingt(20/20、の意)をモジって、Vin sur Vingtなどという言葉遊び・語呂合わせがあったりする。 だけど、わりとレアケースだと思う。 そんなことを思

          フランスの秋の夜長に…(長すぎて朝も暗い)

          フランス流 キノコ狩り

          食の秋というのは、日本もフランスも共通していると思うが、その中でもキノコ狩りは栗拾いと並んでフランスでは最もポピュラーな楽しみだと思う。 日本でももちろんキノコ狩りができるが、ポピュラーなのはリンゴやブドウなどの果物狩りなのではないだろうか。 フランスの、「法令」では、公有地の森林におけるキノコ狩りは、個人消費に限り一家族5kgまでの採取が許されている。 もちろん見つからなければそれ以上採っても問題無いので、そういう人もいるだろうし、むしろそういう人ばかりな気がしないでもな

          Vendanges 2020 コンドリユーにて その3:私が見た2020年ビンテージ

          10月25日(日)に冬時間に移行した。 この日を過ぎると一気に冬に向かって加速していく感じがするフランス。 日照時間が日に日に短くなっていく速さには、まる8年経った今でも、ついていくのがしんどいと思う。 ワインの醸造の方はどうだろう。 低温発酵しているところはまだ発酵中だろうか。赤はマロラクティック発酵中だろう。 ボジョレーヌーボーはもうそろそろ瓶詰が始まるのだろうか。 来週には仏国内の営業がヌーボーの試飲をしに回るだろう。…絶賛ロックダウン中だが。 そんなことを考えなが

          Vendanges 2020 コンドリユーにて その3:私が見た2020年ビンテージ

          Vendanges 2020 コンドリユーにて   その2:収穫の雰囲気

          「ワイン用のブドウの収穫」と聞いて、どんなイメージを持つだろう。 やる気に満ちたワイン好きな人達によって丁寧に摘み取られる… ブドウ畑という自然の中で清々しく息をしながら楽しく… というようなイメージが真っ先に浮かぶかもしれない。 私も以前はそうだった。 実際は、これらは合っている部分もあるが、そうではない部分ももちろんある。 ドメーヌによって違うので、これはあくまで私の主観。 というのも、ブドウの収穫は、1年間の畑仕事の集大成であり、且つ、ワインの仕込みを開始する節目

          Vendanges 2020 コンドリユーにて   その2:収穫の雰囲気

          2020年10月8日 在仏8年

          題名の通り、在仏まる8年になった。 しばらくぐずついた天気が続いていたけれど、今日は薄雲がかかった青空に秋の太陽がきらめいている。 8年前、夫とシャルル・ド・ゴール空港に着いた時のことを今でも鮮明に覚えている。 雲が厚くて薄暗く、うっとうしい霧雨が降っていて、気温15度程度だった。 猛暑が終わり、やっと秋めいて過ごしやすい天気になった東京を発ってきた私にとっては、12時間のフライトで初秋から初冬へ季節を移動したことが、まず何よりも体にこたえた。 当時夫とはPACSをしたば

          Vendanges 2020 コンドリユーにて その1:収穫の流れ

          コロナのドタバタの最中である今年も、ブドウにとっては微塵も関係なく、記録的な早熟だった2020年ビンテージも収穫の季節を迎えました。 (もといもうすぐ終わろうとしてますが…。) そろそろブドウ畑に戻りたいなぁという気持ちが強くなり、今年は収穫にフルで参加(約3週間)。 以前研修で行っていたコンドリユーのドメーヌにお世話になりました。 いろいろ書きたいことがあったので、Vendanges 2020は3つに分けて書いていきます。 その1、収穫の流れ その2、収穫の雰囲気 そ

          Vendanges 2020 コンドリユーにて その1:収穫の流れ

          ワインにおける正しさとは…?

          ワインは知識で飲むものなのだろうか。と、よく自問する。 ワインに関する知識を売る本はとかく多いし。(私もそれなりに読んできた方だと思う。) ワインを飲む上での「テイスティング知識」であったり、数多あるワインからいくつか(良いものと思われるもの)を抽出した「ワインバイブル」なるものは、数える気も起きないくらいあふれているのだけど、それらを読む時は必ず「正しさ」を求めている気がしてならない。 書き手がそれを求めるだけでなく、読み手にもそれへの理解を求めているのである。 内容の正

          ワインにおける正しさとは…?

          Charmesの謎が解けた時

          私はなぜか「Charmes(シャルム)」と名の付くワインが好きである。 いくつも出会って試飲してきたが、そのどれもが特別な理由なく「好きだ」と感じた。 なんでだろう、とずーっとぼんやり思っていた。 Charmes…可愛げ、愛らしさ、チャーム(お守り)…と、もやもや考え、でもすぐに「答え」を知ろうとは思わずそのままにしておいた。 全てを詳らかに知ってしまうとつまらない。 それから数年経って、とあるドメーヌに行って試飲したら、そこでもCharmesが出された。 ドメーヌのマダ

          ラベンダーと爽やかなクレレット

          日本では北海道でしか見られないと言っていいほど、ある意味で貴重な「ラベンダー」。 フランスではやや寒い北部でさえ雑草のように生えているのだが、やはり本拠地は南部プロバンスである。 あたり一面に咲き誇り、香りがよく、青空との対比が非常に美しいその光景を、つい先日初めて見に行ってみた。 麦わら帽子を被り(じゃないと黒髪は頭が焼けるほど熱くなる…)、サンダルを履き、今年15歳かつ走行距離約15万キロの愛車にムチ打って南へと高速を走る。 途中で降りて田舎道をかっ飛ばし、Saoû(サ

          ラベンダーと爽やかなクレレット