モード系のお洋服巡り[2年後]とY'sを選んだ理由
前回の記事から2年ほど経ちました。
https://note.com/merenpohjasta/n/na58b9f7600b4
あの頃はモード系の服をたくさん見慣れていなくてオロオロして終わったので、その後どうなったのか記録します。
モード系の服を着た人の強さ
自分がどこまでモード系に寄せるのが心地よいか……?と2年ほど試行錯誤を繰り返してきました。
通ううち、当初ぎゃんぎゃんにモードと感じていた店員さんたちに慣れてきた。慣れてきたというのも無礼かもしれないけれど、お許しください。
モード系は着るときに「モード系を着る」と選んで着る人が多いと思います。最初にモード系の服をしっかり見たときに服にパワーを感じました。
パワーがある服を自分で「着る」と決めて選ぶ人を前にしたときの強さは存在すると思う。
店員さんは着ると決めて着ているとは限らないけれど、デパートの店員さんよりブランドの店員さんにより一層の強さを感じたのはきっとそこじゃないか。と2年越しに思ったりしました。
私のモード系はどこまで?
話は戻りますが、どこまでモード系に寄せるのが心地よいか……?という問いは、まだ正確には答えが出せていません。
日によって変わる。
鎧として私を守ってくださいという日。今日は名刺になってくださいという日。地に足をつけて、自分の輪郭がほしい日。
気持ちは変わっていくので(特にわたしはフラフラと……)一生ではないけど、今のわたしのどの日にもしっくりくるなーという服を見つけました。
Y'sです。
体自体の線はとりすぎず、服の美しさがわかる。体が楽。落ち着いていて、静けさを感じます。
このお店の中でも、選ぶものによってはバチバチにモード系にもできます。でも、そうじゃない選び方をしたときのY'sを着た自分がすごく好きです。
なぜか会う人会う人みんな褒めてくれるので、あの時着ると決めた自分と背中を押してくれた母に感謝したい。
10年以上通っている美容室にこの制服で向かったところ、「僕も昔はヨウジが好きで」と教えてもらいました。10年も通って色んな話をしてきたのに初めて知った。ファッションって楽しい。好きなものの話をするのって楽しい。
「着るんだ!」と決めてから、色んな人に声をかけられるようになりました。お世辞かもしれないけど、心底着たいと思った服を褒めてもらえるのって本当に嬉しい。
ふと、「私のモードはどこまで?」という疑問自体、自分の範囲を狭めようとしていたのかもと感じました。
Y'sにした理由
例によってコンセプトを調べまくりながら突き進んでいたなかで一番最初に惹かれたのはヨウジヤマモト系列の別ブランドでした。
社会の規範に縛られることなく自由な精神を持つ”何者だかわからない“男たち
ヨウジヤマモトプールオムのコンセプトです。「社会の規範に縛られることなく」「自由な精神を持つ」「何者だかわからない」まではパーフェクトに突き刺さりました。
でも服を見ると、「男たち」なだけあり、強さ具合なんかがやっぱり合わない。静けさがほしい。
直後に母からY'sを薦められます。
※注意
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ここから先は、当時あきやさんにお話しできなかった「お金があれば何がしたいか?」の本当にしたかった話、私なりの反骨精神の話あたりのやや私成分が濃いめの内容に触れつつ、「なぜY'sなのか」を自分なりに考えて書きました。怒りについても触れるため、感受性が強い方はご注意ください。
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お金が無限にあれば何がしたいか
あきやさんにお金が無限にあるなら何に使いますか?と聞かれて「国をつくりたい」と言いました。
これ、当日は言わなかったんですが……
当時、電車で女性が刺される事件がありました。刺された理由は「幸せそうな女性が許せなかったから」。
今までそっと抱えてきた怒りが止まらなくなりそうで、どんな国なのか聞いてくださったあきやさんに言葉にせず曖昧に返してしまいました。幸せそうというだけで殺されるだなんて。わたしは女性が安心して暮らせる国をつくりたいと思いました、その時は。
今は、国をつくる……逃げ場や居場所をつくるというよりも、今この場所で安心して生きるためにどうするのがいいか考えたい。
他人を変えさせるのは効率が悪い。自分が変わるほうが速い。自分が変われば、他人は変わる。手法は問わない。
と思うようになりました。
好きな言葉に「一燈照隅万燈照国」というのがあります。昔はなるほどなと思っただけでしたが、私の隅から照らしていきたい。
Y'sは「男性の服を女性が着る」という、あくまで男女ありきの服です。そして、男性がつくるブランド。でも、山本耀司さんの言う「女性が無理をしなければならないような不条理な社会」への怒りは私と同じです。
パーソナル過ぎて書けないのですが、山本耀司さんの情報を調べていくうち、自分のパーソナルな部分と実は被る部分もあったりして、より一層特別な思いが芽生えました。
ヨウジヤマモトを選んだのは、Y'sを選んだのは、ただかっこいい!好き!美しい!という気持ちもありますが、本当の理由はこんな理由です。まあでも、かっこいい!好き!美しい!です。素敵。
私の反骨精神
反骨精神。これだけ聞くとすごく強く、主張を感じる言葉です。高圧的な印象もある言葉だと思います。他人に意見を押しつける人間が嫌いな私にとっては微妙な言葉でした。
でも反骨心、あるな。なくはない。と思い、数ヶ月考えて今の結論が出ました。
周りに強要せず、1人でも変わることを選ぶ
のが私なりの反骨心だと思っています。
私の周りの誰かがそれを見て「いいな」と思ってくれたら、私の隣を照らしてほしい。それがいつか、国を照らす灯りになってほしい。
まずは「いいな」と思ってもらえるくらい、私が私らしく、無理をしない小さな社会をつくりたいと思っています。
そしてこのあたりの話はコンセプトには入れないと思う。そことは切り離して考えるつもりです。活動家にはならないというのもポリシーにあるからです。活動家だと、「その活動が特別な人だからするんだ」になってしまいそうで。普通の、全然関係ない人が踏ん張るから意味があると自分は思っています。
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