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探求者と肉体的健康、そして栄養

健康であることは誰にとっても大切なことですが、とくに探求者(=悟りや覚醒を求めている人)にとって健康であることはどんな意味があるでしょうか?

いきなり結論めいたことを述べますと、探求者の肉体精神機構に悟りや覚醒が起こるために、健康であることは必要条件ではありません。

わたし自身、意識が目覚めはじめるまでは健康的とはほど遠い生活を送っていました。じっさいに健康を害したのは、そういう生活を脱してからのことですが、糖尿病を患ってしまいました。糖尿病は遺伝的な要素が大きく、わたしの場合も母方の祖父と実父が糖尿病もちでしたが、自分自身が患ったのは、父が死んでから2年ほど引きこもり生活を送っていたときの食生活が原因でした。もっとも、上でリンクした先の記事で具体的に書いていますが、それまでに心身を極限まで追い詰めてもしましたから、いまとなっては糖尿だけで済んでよかったなと思ってはいます。

糖尿病は、わたしの意見では、本人がしっかり自覚し、病気についてよく理解していれば十分にコントロールできる病気です。単純にいえば、血糖値が上がりすぎて血管や内蔵を傷つけていく病気ですから、血糖値が上がらないように、つまり糖質の摂取とその消費を厳密に管理すればよいわけです。わたしは現在、Ha1cという指標では健常者と同じ数値を維持していて、健康診断の結果も非常によく、どこにも問題がありません。しかし、今回はその話ではありませんので、これ以上は割愛します。

ホーキンズ博士の意識のスケールを用いて説明するなら、悟りや覚醒といった事象は、低い意識レベルの領域から、遥かに高い意識レベルへと飛躍することといえます。低い意識レベルには仏教でいうところの「苦」が多くあり、この「苦」からどれだけ解放されているか(癒やされているか)を示している指標が意識のスケールということになります。

つまり、悟りや覚醒とまでいかなくても、ある人において意識レベルが以前よりも高まるということが起こった場合、それはその人の肉体精神機構から、苦しみが減ったということを意味しています。苦しみは心の苦しみもあれば肉体的な苦痛や苦しさ、不自由さなどもありますが、苦という観点ではこれらは区別しません。

ですから、心理的な問題が解決することも、病気から回復することも、いずれも意識レベルを上昇させます。どんな場合にどれだけ意識レベルが高まるかということについては、ケース・バイ・ケースであるので、一概にいうことはできませんが、単純にいえば、より深刻な苦しみから解放されるほど、意識レベルの上昇もより大きいとは言ってよいと思います。

こういうことをみていくと、悟りや覚醒、あるいはそれに準じる意識の高まりは、むしろ不健康・不幸な人のほうが起こりやすいのではないか? と考えてしまいそうになるかもしれません。でも、それはそうではありません。よく考えてみれば分かることですが、低い意識レベルの領域にいる人が、その領域の問題(心身ともに)を克服できるケース自体が、残念ながらまずほとんどありません。かといってあり得ないことではないのですが、そういうことが起きた場合、それは「神の恩寵」であると称されるケースとなります。

先に「探求者の肉体精神機構に悟りや覚醒が起こるために、健康であることは必要条件ではない」と書きました。それは、いまお話したようなケースも起こることは起こるからです。実際のところは、心身ともに健康な人ほど相対的に意識レベルが高いわけですから、悟りや覚醒といった事象も、確率でいえばそのような人たちに起こりやすいといえます。

そこでわたしが思うには、探求者こそ、心身の健康を手に入れるために最大限の努力をするべきです。もっとも、心の健康についていうなら、悟りや覚醒を目指して行う取り組みのすべてがそれにつながっていると言えますから、この記事は肉体的な健康についてのお話です。

探求と肉体というと、真っ先に思い浮かぶのはハタ・ヨーガでしょう。しかし、わたしが話したいのはヨーガのことではありません。第一、わたしはハタ・ヨーガをやったことがありません😌

先ほどの話で、病気から回復することは苦から解放されることであるから、それによって意識レベルが(多少なりとも)高まるということを言いました。これは事実ですが、病気になるということは、その時点で意識レベルが下がっていることに注意が必要です。たとえばですが、癌になったとします。癌になる原因は様々ですが、精神的なものが引き金になっている場合、それに先立って意識レベルが低下するようなことを経験していた可能性があるといえます。もし、幸いにしてこの人が癌を克服できたなら、その際に起きることは、以前の意識レベルに戻るということになるかもしれません。

もちろん、癌と対峙することによって様々な気づきがあり、ただ克服するだけでなく、以前よりも飛躍的に高い意識レベルに到達することもあるでしょうが、ここでは一般的なメカニズムを理解してください。また、高い意識レベルで計測される人物が癌になることはない、というわけでもありません。実際に、ニサルガダッタ・マハラジは癌で亡くなっています。こうしたことについてはカルマを考慮する必要がありますし、また、マハラジのような悟った人物にとってはすでに自分の肉体は他者とコミュニケートするための道具でしかないので、癌に冒されたことやそれによる痛みによって苦しむ肉体と、その肉体に語らせている意識は一体化していません。しかし、ほとんどすべての人にとっては、肉体の苦痛は自分の苦しみです。

すこし話がそれてしまいました。

そう、それで、わたしが言いたいのは、現代日本で暮らす探求者は、可能な限り運動をし、可能な限りよい食事をとり、足らない栄養をサプリメントで摂るべきだ、ということです。

運動と食事については、とくに詳しくいうことはありません。運動はやりすぎてもよくないので、イメージとしては、年齢のわりに動ける、くらいの体力を維持できればよいと思います。食事はとにかくタンパク質をたくさん摂るように心がけ、なおかつ糖質(炭水化物)を摂りすぎないようにすればよいでしょう。タンパク質の重要さについては、人間の体はほとんどタンパク質で出来ているという事実を指摘しておきます。なお、菜食や不食といったものには、わたしはまったく関心がありません。野菜についてはまったく食べないよりは食べたほうがよいですが、ビタミンなどの栄養を摂るためというよりは、食物繊維と水分を摂るものというのがわたしの考えです。

栄養については、たとえば現代の野菜は昔の野菜に比べて栄養素が少ないといったような話もありますが、それが本当にせよ本当でないにせよ、寿命が80年以上となっている現代人にとっては普通の食事だけで摂取できる栄養素では足らないと、わたしは思っています。すなわち、サプリメントというものは気休めでもなんでもなく、むしろ食事と同等のものと考えるべきです。現代の探求者に持っていただきたいのは、こういう認識です。

ひとくちに健康といっても、100年前の人々にとっての健康と、1000年前、1万年前の人類にとっての健康とをおなじ物差しで比較するのはおそらく見当違いです。であれば、現代人の健康は、わたしが生まれた約50年前の人々とも異なる基準で考えられるべきでしょう。

メガビタミンという考え方がありますね。詳細にわたってそこで言われていることがどこまで妥当かはともかく、考え方としては、これもわたしがいま述べていることと同じです。興味のある人は、ご自分で調べてみて、参考にしてみてください。

とくになんの病気も患ってないし、どこか調子の悪いところもない。健康診断も定期的に受けているが、問題はない。そういう人を健康であるとみなすのは、もちろん間違ってはいません。でも、わたしの個人的な経験からいっても、そのレベル以上の健康というものがあります。

探求者は基本的にいろんなことを考えています。もちろん、最終的にはその思考というものと自己が一体化していることに気づいて、これを解体する必要があるのですが、そうはいっても、そこに至るまではたくさん考えます。思考することは避けられないのであれば、せめてよりよく思考したい、より質のよい思考をしたいと考えるのは自然なことでしょう。

思考というものが、わたしが言うように、どこかからやってきたものを脳が受信しているとするか、それとも、そんなわけない、自分で脳を使って考えているのだ、とするかはどちらでも構いません。いずれにしても、思考が起こっているときには大脳が活動していることは事実です。

思考中の脳内ではアセチルコリンやドーパミンといった神経伝達物質が必要とされます。アセチルコリンを体内で作るためにはレシチンが必要です。また、ドーパミンはチロシンから作られます。単なる思考だけでなく、気分も含めるとセロトニンを作るトリプトファンが必要になりますね。こういった物質を意識的にたくさん摂ると、多くの人はいままでよりも自分が賢くなったと実感するでしょう。

これらはほんの一例ですが、脳の活動ひとつとっても、それに必要となる栄養素はたくさんあって、なおかつ、ほとんどの人がそれらを十分には摂取できていません。一般的な一日の必要量みたいなものの多くは、それだけ摂らないと肉体がまともに機能しないレベルの量だと言ってもよいでしょう。もっとも、ビタミンAやEなどの脂溶性ビタミンは摂りすぎてはいけませんし、
どんな栄養素についても、それぞれしっかり調べて、どれくらいの量を摂るべきなのかは慎重に決めていく必要があります。

以下に、わたし自身が現在、日常的に摂取しているものを参考までに書いておきますが、お伝えしたいことのポイントは、様々な栄養素を高いレベル(その人にとって必要な量の上限近く)で摂取することで、いままで知らなかったような健康のあり方(高いパフォーマンスといってもよいかもしれません)を手に入れることができるということです。ただし、そのためには栄養学や生理学について最低限のことは学んでいく必要がありますし、自分にとって必要なものとその適切な量、あるいは不要なもの、といったものを見極めていくためには時間もお金もそれなりには必要です。

しかし、こういうことに取り組むことも、探求者にとっての行のひとつであると考えていただきたい、というのがわたしのメッセージです。このテーマについては今後もまた書くかもしれません。今回は、ここまでになります。参考になりましたら幸いです🙂

参考(わたしが普段飲んでいるもの:太字は重要と思うものです)

ビタミンBコンプレックス
ビタミンC
ビタミンK2
ビタミンA
ビタミンE
ビタミンD

ナイアシン

マルチミネラル
マグネシウム

DHA・EPA

メラトニン
GABA
(これらは1時間以上連続して眠れないので飲んでいますが、ぐっすり寝ることは誰にとっても大切なのでおすすめです)

イチョウ葉エキス
(直接的に脳によいものとしては現在はこれしか飲んでいませんが、フォスファチジルコリンやDMAE、チロシンなどもおすすめです)

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